【英論抄読】腸骨関節包筋と整形外科手術
▼ 文献情報 と 抄録和訳
腸骨関節包筋に関するシステマティックレビューとメタアナリシス:整形外科手術における重要なランドマークとして
[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar
[目的]
腸骨関節包筋(IC)は股関節の被膜の上にある小さな筋肉である.近年、股関節全置換術の前方アプローチでこの筋肉に遭遇する整形外科医が注目されているが、その解剖学的特徴についてはほとんど知られていない。本研究の目的は、ICの解剖学的構造を検討し、その起源、挿入、血液供給、神経支配、筋繊維の特徴およびサイズについて述べることである。また、ICの機能、臨床的関連性、および比較解剖学的特徴についても評価した。
[方法]
Evidence-Based Anatomyの手法を用いて、「iliocapsularis」、「iliacus minor」、「iliotrochantericus」、「ilioinfratrochantericus」という用語を用いて電子データベースを検索し、適格な研究を特定した。
[結果]
ICの解剖学的構造を検討した6件の研究(n=287下肢)が含まれた。ICのプールされた有病率(PP)は98.7%(95%CI 96.5-100.0)であった。ICは、下前腸骨棘(AIIS)の下面から発生し、小転子の下方に付着しています。ICは全長にわたって前内側被膜に付着しており,被膜の寄与は股関節のどの筋肉よりも大きい(73.8 ± 27.3 × 16.1 ± 4.4 mm).従って、股関節前方への手術アプローチにおいて重要なランドマークとなる。
[結論]
ICの解剖学的構造は、股関節前方手術の増加に伴い、より適切なものとなってきている。AIISや小転子、前内側被膜に付着しているため、この筋肉は股関節全置換術において重要なランドマークとなる。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
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腸骨関節包筋は、近年注目されている筋肉であり、研究も増えている。
理学療法においても、可動域制限などに対しての治療対象として注目を集めている。
今回は手術におけるランドマークに関する研究であり、同年にも以下のような研究がある。
解剖・機能解剖の世界では、昨日まで当たり前とされていた知識・メカニズムが変化することは少なくないようだ。随時、情報をアップデートしていこう。
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