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表面筋電図の臨床応用

▼ 文献情報 と 抄録和訳

筋活動検出器-表面筋電図による外転筋の評価

Mortka K, Wiertel-Krawczuk A, Lisiński P. Muscle Activity Detectors-Surface Electromyography in the Evaluation of Abductor Hallucis Muscle. Sensors (Basel). 2020 Apr 11;20(8):2162.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

[目的]
表面筋電図(sEMG)の利用可能性は高いが、外反母趾患者の足部内在筋を活性化するエクササイズの効果検証に広く利用されていない。本研究の目的は、外転筋(AbdH)から記録されたsEMGの結果に対するつま先広げ運動(TSO)の効果を評価することであった。さらに、電気泳動法における神経伝導の評価も目的とした。

[方法]
この研究では、外反母趾と診断された患者21名(研究グループA)と変形のない20名(研究グループB)がTSOエクササイズを行い、治療前と治療後の2回検査を受けた。

[結果・結論]
TSOの最も重要な第3段階において、有意差が認められた。運動後、両群とも運動単位のリクルートメントの頻度が増加した。電気神経写真の結果には、両研究グループとも2回の検査で有意差はなかった。TSO運動は、AbdH筋のより良い活性化に役立ち、この筋のより多くの運動単位のリクルートメントに寄与する。TSOエクササイズは、神経伝導に変化を起こさなかった。sEMGとENGはこの運動を評価するのに適した方法であるが、包括的な評価には他の検査も含まれるべきである。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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✅最近、表面筋電図もだいぶ小型化されてきた。

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確かに、歩行の評価にも効果的ではあると思うが、個人的には、今回のような運動イメージがしにくい課題に対して最も効果的であると感じる。

母趾外転筋の機能に関しては、以下の記事でも紹介されている。

個人的な感覚になるが、最近は小中学生でスポーツ障害により外来リハビリテーションに通院している選手が、偏平足であることが多い。こうした子供たちに、母趾外転筋の筋力強化のような地味でなかなか継続しにくい課題を行う際、表面筋電図によるバイオフィードバックが効果的かもしれない。

こうした小型の表面筋電図が一民間病院にまで普及することで、できることが色々ありそうだ。

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医療従事者と研究活動における道徳感についても記事にしていますので良かったら読んで頂けると嬉しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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