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【英論抄読】心と筋肉のつながり-口頭指示のまとめ

▼ 文献情報 と 抄録和訳

心と筋肉のつながり-言語による指示は共収縮トレーニング中の肘関節屈筋および伸筋の筋電図活動を変化させる

Fujita RA, Villalba MM, Silva NRS, Pacheco MM, Gomes MM. Mind-Muscle Connection: Verbal Instructions Alter Electromyographic Activity for Elbow Flexors and Extensors During Co-Contraction Training. Percept Mot Skills. 2021 Feb;128(1):375-389.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[目的]
Co-contractionトレーニングは、従来の筋力トレーニングと比較して、筋電図(EMG)活動レベルが同程度であることを実証している。従来の運動では、言葉による指示で標的筋の筋電図活動を増加させることができるため、コ・コントラクションでも同様のことが起こるはずである。本研究では、肘関節のco-contractionトレーニング中に、異なる言語指示によって標的筋である上腕二頭筋(BB)および上腕三頭筋外側頭(TB)のEMG活動が変化するかどうかを分析した。

[方法]
筋力トレーニングの経験のある男性17名が、肘関節屈曲または肘関節伸展のいずれかを強調する2つの口頭指示条件で共収縮セットを実施した。上腕二頭筋と上腕三頭筋の外側頭部に表面電極を固定した。EMGの平均振幅を測定し、2元配置分散分析を用いてデータを解析した。

[結果]
筋力と言語指導の間に有意な相互作用が認められた(p = 0.002)。ポストホックテストでは、言語による指示(p = 0.001)がBB筋の筋活動に影響を与えることが示された(肘関節屈曲。肘関節屈曲:M = 68.74, SD = 17.96%;肘関節伸展:M = 68.74, SD = 17.96%)。また、肘の伸展を強調した口頭指導を行ったBBとTBの筋電活動の差(BB:M=53.47, SD=16.13%, TB:M=69.18, SD=21.79% )も、p=0.006の結果で示された。肘の屈曲を重視した場合(M = 1.09, SD = 0.30)と肘の伸展を重視した場合(M = 0.81, SD = 0.25)では、BB/TBのEMG比に差が見られた(p = 0.001)。

[結論]
言語による指導は、肘関節筋の共収縮時の筋リクルーションの大きさを変化させたことから、このトレーニング方法には、心と筋の関連性が重要であることが明らかになった。また、トレーナーにとって重要なこととして、言語による指示は個人によって異なる影響を与えるようであった。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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「口頭指示」はあまりに身近で当たり前に行われている故、その重要性を認識しにくいといった印象がある。
しかし、ここ最近の記事でも取り上げたように、数多くの研究が存在する。
PubMedで「Verbal Instructions」と検索すると、377本の研究がヒットする。

では何故、こうした研究が行われているのか、少し考えてみた。

今後も「口頭指示」研究に注目していきたい。

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医療従事者と研究活動における道徳感についても記事にしていますので良かったら読んで頂けると嬉しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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