岩成遥南(いわなりはるな)

IT企業に勤務するキャリアコンサルタントです(*´꒳`*)自分自身の2度の離婚、二児を…

岩成遥南(いわなりはるな)

IT企業に勤務するキャリアコンサルタントです(*´꒳`*)自分自身の2度の離婚、二児を抱えるシングルマザーの経験から、人生を前向きに生きるために痛手は小さい方が良い、結婚にも離婚にも多様性が認められ、人生のトランジションにより良い舵が取れます様にと言う願いを込めて書いています。

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「セカンドブライド」の前書き

なぜ「セカンドブライド」を書いているのかについて書きます。 お付き合いいただけたら嬉しいです。 私の幼い頃の夢は、幸せなお嫁さんになることでした。 母の様に生きる人生を思い描いてました。 健康で、生活に困らないだけのお金があって、周囲の人にも恵まれて。 家庭を守り、子育てに一生懸命な、「良妻賢母」になりたいと思っていました。 「仕事に成功することが人生の成功」 「幸せな結婚が人生の幸せ」 「子供を育てる喜びがが人生の喜び」 私の中にはそんな価値観がありました。 私は結婚

    • 第34話 カエルさんのお給料

      カエルさんの会社のお給料は銀行振り込みではなく現金手渡しだった。令和のこの時代に手渡しの会社は珍しいのではないかと思う。お給料袋に入った現金を手渡しなんて、アニメのサザエさんの中の話みたいに現実感が無かった。 25日がお給料日なので、カエルさんは大抵は24日に実家で経理をしているお母さんから受け取り、従業員さん全員分のお給料を持って帰って来た。 お給料はそれぞれの名前が書いた封筒に入っていた。カエルさんはその全員分のお給料袋を纏めてドラックストアのチラシに包み込み、更にス

      • 【セカンドブライド】第33話 鈴木商店で働いた話

        鈴木商店でアオイさんと一緒働くのは、正直、とても楽しかった。 鈴木商店の仕事は、そんなにボリュームがある訳では無かったが、全てのことがシステム化されていないせいで、とても時間がかかった。 例えば、運搬する荷物の在庫の管理をするときには、在庫を数え、紙にその個数を書く。そして、電卓片手に入力したものを上から順に足し算をしたり、引き算をしたりして管理するのだ。給与計算もしかり。ドライバーさん達の日報も、紙のフォーマットに手書きだった。つまり毎日、文字通り紙面上に計上された各々

        • 【セカンドブライド】第32話 カエルさんの会社での勤務初日

          お正月の挨拶をした3日後、カエルさんの会社である鈴木商店へ初めて出勤した。車で30分ほどの距離にあるその社屋へは、カエルさんに連れられて何回か訪れたことはあった。でも、従業員さんがいる時間に行くのは初めてだった。 鈴木商店は、小学校の校門の様にガラガラと引いて開けるタイプの門扉があり、敷地内に入るとすぐのところに自動販売機が設置されていた。その先に100メートル四方の敷地がコンクリートで舗装されていて、そこがトラック用の駐車場として使われていた。その駐車場の奥に配送用荷物を

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        「セカンドブライド」の前書き

          【セカンドブライド】第31話 結婚して初めてのお正月

          結婚してから初めてのお正月は、元旦に私の実家、2日にカエル君の実家にで新年の挨拶をし、皆で食事をして祝うことになった。 どちらの実家も車で30分以内に着く距離なので、出かける時間になるまでは、家でゆったりとしたお正月を過ごしていた。 子供達からおやつを食べても良いかと聞かれたので、 「これ以上食べると、おばあちゃんの作ってくれたご馳走、食べれなくなるからお菓子はもうおしまい。」と言ったら、カエルさんが言った。 「ぱるちゃんは優しいよね。前の嫁さんはいじわるでさ、 自分はも

          【セカンドブライド】第31話 結婚して初めてのお正月

          【セカンドブライド】第30話 カエルさんとの新生活準備

          11月に入籍をしてから、急ピッチで新生活の準備を整えて行ったた。 家族四人で、安心して暮らすための基盤を整えたいと思った。 家族四人で、幸せになりたかった。 家族四人が、帰って来たらホッとする様なお家を思い描いた。 結婚祝いとして、カエルさんの両親と私の両親からそれぞれ200万円ずつもらっていた。両家の両親に感謝し、その400万円元手として一気に環境を整えて行った。 先ず最初にカエルさんが前の家族と住んでいた家のローンを完済した。 そして、その家を売った1000万円を

          【セカンドブライド】第30話 カエルさんとの新生活準備

          [セカンドブライド]番外編 カエルさんからのメール

          本編では入籍したところですが、付き合う前のことを書こうと思います。 気楽な気持ちで読んで頂けたら嬉しいです。 ***** 私は会社では、お昼は友達とランチに行く時を除き、自席でインターネットを見ながらお弁当を食べる。その日の卵焼きは少し砂糖を入れ過ぎて甘かった。その頃の私は何だか疲れが抜けなくて、「疲れた身体で料理すると味が濃くなっちゃうな。」と反省しながら食べた。 そうしたら、カエルさんからメールが届いた。 「昨日は何だか具合悪くて何も食べずに寝たよ。今日はふっかー

          [セカンドブライド]番外編 カエルさんからのメール

          【セカンドブライド】第29話 カエルさんとの入籍

          呆然としばらく床に座り込んでいた。でも、しばらくすると、玄関のドアが閉まる音を聞こえてこないことが気になった。カエルさんが出て行ったなら鍵をかけないといけないし、出て行ってないならそこに放置しておくのも心が引ける。 そっとリビングのドアを開けると、暗い玄関に座り込んでいるカエルさんの背中が見えた。 出て行って無かったんだ、と思った。 後ろから彼に近寄り、電気をつけて、彼の後ろで膝立ちになった。 カエルさんが振り返って私の腕に手をかけ、そして吐きだす様な涙声で言った。

          【セカンドブライド】第29話 カエルさんとの入籍

          【セカンドブライド】第28話 カエルさんとの入籍前夜

          入籍前夜、みんなでご飯を食べ、くつろいでいたら、カエルさんが唐突に言った。 「ぱるちゃん、結婚したらいつ、オレの家に引っ越して来る?」 「え?子供達、転校させたくないから、今の学区内で家探すって話だったよね?」 「そうだけど、せっかく家あるのにそこに住まないっていうのもね?」 カエルさんの家は、私たちが住んでいたマンションからは、車で30分ほどのところにあった。県もまたぐし、その家から最寄の駅まで10キロもある辺鄙な場所だった。そこでは集落のことを「部落」と呼び、小学校の運

          【セカンドブライド】第28話 カエルさんとの入籍前夜

          【セカンドブライド】第27話 マリッジブルーな心との攻防戦

          カエルさんプロポーズから、両家への挨拶、両家の顔合わせは呆気ないほどに順調だった。両家ともに「大人同士の決めたことだから、当人同士がそれで良いよ」温かく迎え入れてくれた。ほっとした一方で、私自身の中の戸惑いは、誰に吐きだすことも出来ずに大きくなっていった。 ある休日、母と私で、子供達を山の斜面にたくさんアスレチックがある公園に連れて行った。小学生でも挑戦し甲斐のあるアスレチックに、子供達は夢中になって遊び、「お腹減ったね。」とその公園の近くでランチを食べた。そして、そのまま

          【セカンドブライド】第27話 マリッジブルーな心との攻防戦

          【セカンドブライド】第26話 私が抱えていた事情

          「じゃ、オレ帰るね🐸」とカエルさんが言った。 玄関まで送ると、「そうだ、プロポーズのキスがまだだよ。」とカエルさんが言った。そして、キスをされた。私は彼を受け入れながら、子供達には見られない様に、リビングのドアを閉めておいて良かったと思った。 カエルさんは唇を離して満足そうな表情になり、「ぱるちゃん、ありがとう。オレ、本当に幸せにするから。」と言った。 「うん。ありがとう。みんなで幸せになれる様に頑張ろうね。」と答えた。 その日の夜は、子供達を寝かしつけてもなかなか眠れ

          【セカンドブライド】第26話 私が抱えていた事情

          【セカンドブライド】第25話 カエルさんのプロポーズ

          カエルさんとの、その後の交際は「順調」と表現できるものだったと思う。カエルさんは、私と二人の時間も大切にしてくれたし、子供達にも気を配ってくれた。私自身も最初に感じていた戸惑いもだんだん薄れ、彼と一緒に過ごすことに慣れていった。 時々、有給を取得しては、二人でドライブに行き、一緒に知らない街を探検がてらランニングをしたり、美味しいものを食べたりと大人の時間を楽しんだ。また、娘が水泳の代表選手になった時も、息子が地域のお祭りで和太鼓を叩いた時にも「いつ?観に行くよ。」と来てく

          【セカンドブライド】第25話 カエルさんのプロポーズ

          【セカンドブライド】第24話 カエルさんとの儀式の次の日

          題名は忘れてしまったが、昔読んだ小説に、芸子さんの水揚げのシーンがあった。 「水揚げ」とは、年頃の舞妓さんに贔屓の旦那さん付き、芸妓さんになる為に掛かる費用や着物の費用を払ってくれてるのだ。この恩に報い、操を差し上げると言う意味で「水揚げ」と言う儀式、つまり床入りが行われる。 その芸子さんは水揚げ前日の夜に一人、ひっそりと枕を濡らした。けれど立派に水揚げを終え、美しい簪や着物を身に纏って芸子として羽ばたいていく様子は物悲しく、覚悟や強さを感じられ、とても美しかった。 か

          【セカンドブライド】第24話 カエルさんとの儀式の次の日

          【セカンドブライド】第23話 カエルさんと結ばれた日

          私の勤務する会社で有給休暇を取ることは、そんなに難しいことでは無かった。でも、勤務先で共有されたカレンダーを見ながらも何となく気が重く感じ、ぐずぐずと先延ばしにてしまっていた。 本来、私は恋愛体質だ。自らアプローチすると言うことは無かったが、相手からの好意を感じた時に、気付いたら好きになっていることも多かった。「好き」と言う感情の沸点は、低いと言う訳では無いが、高くもないと思う。

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          【セカンドブライド】第23話 カエルさんと結ばれた日

          【セカンドブライド】第22話 カエルさんとの夜中の会話

          誰かとケンカ別れになったその場所に、そのまま留まっていると思考が前に進まないものなのだと言うことを知った。暗い玄関で一人、しばらくグルグルしていた。 彼に泣きすがり「行かないで!」と言いたい気持ちになった訳でも、逆に「清清した!」と言う気持ちになった訳でもなかった。ただ、何だかとっても後味が悪かった。 気持ちが晴れないからと言って目の前の育児に代わりはいない。気を取り直して、子供達と三人でお風呂に入り、いつも以上にはしゃぎ、娘と息子の頭をシャンプーの泡ででソフトクリームに

          【セカンドブライド】第22話 カエルさんとの夜中の会話

          【セカンドブライド】第21話 カエルさんとの口論

          モヤモヤ感と言うのは厄介だと思う。それは寝かすほどに醸造され、言葉にしたタイミングでは、聞き手との温度感に開きが出来てしまっている。だから、出来るだけ、漏れ出す感情を抑える様にして話し出した。 「ごめん。あのね、お夕飯は、実家で食べもらえるかな?」 「え?何で?実家には朝ごはん食べに行ってるから、夜はぱるちゃんのご飯が良いな。」 「そんな風に思ってくれてありがとう。でもなんか、ここ最近ね、優先順位が狂ちゃってて嫌なの。しんどいんだ。」 「え?何が狂っちゃてるの?」

          【セカンドブライド】第21話 カエルさんとの口論