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誰でもできる「科学的思考」

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震災や感染症などで不安や混乱が取り巻く社会に決まって広がる似非科学、デマ。 SNSが発達した今、あなた自身がデマ拡散に加担しているのかも。 これは、ニセ情報に騙されないハウツーを… もっと読む
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#社会心理学

日常生活に入り込む疑似科学

日常生活に入り込む疑似科学

2022年3月千葉県浦安市で、数年来市当局が市の施設の給水系に導入しようとしていた赤さび除去装置(以下「活水器」)について、担当者が正式に導入中止を宣言しました。
何が問題だったのか?

科学的根拠を問う活水器の販売業者によればこれは、配管内の赤さびを黒さび化して固定化し、赤さびが水に混入しないようにし、配管の更新を不要にする装置だとのこと。

業者のホームページ(HP)を見ると、一応理論めいたも

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科学的実証に論文は必要、だが十分ではない

科学的実証に論文は必要、だが十分ではない

2022年3月、千葉県浦安市でちょっと面白い事件が起こりました。

数年来、市が市の施設の給水系に導入しようとしていた「NMRパイプテクター」なる赤さび除去装置(以下「装置」)について、担当者が正式に導入を中止すると宣言したのです。

販売業者によれば、動作原理はよく分からないけどとにかく赤さびを黒さび化して飲料水に混入しないようにし、かつ配管更新を不要にできる配管延命装置だ、ということです。

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保存料、ゼロならいいの?

保存料、ゼロならいいの?

食品の原材料名のところを見て、添加物や着色料、保存料の記載があると何となく不安になりますよね。

逆に「無添加」、「無着色」、「保存料不使用」と書いてあると安心。
そしてこれらの文言は恰好の宣伝文句となっている現実。

気持ちは分かるのですが、何ごとも行き過ぎはよくありません。

「入っているから危険」ではなくて「50%致死量」(Lethal Dose 50、通称LD50)とは、物質の毒性を示す値

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因果関係を読み誤らない統計の活用を

因果関係を読み誤らない統計の活用を

虫の知らせやデジャヴ、幽霊目撃といった不思議現象の体験‥

そのようなことが実際にあると、印象があまりに強いため不思議現象を信じ込んでしまうのも無理ないのかも知れません。

また、人に話したくも人情というもの。

そのような自己の体験や他者の体験談を冷静に判断し、他の要因(誤認、フェイク、心理作用等々)の可能性がないかどうかを探る一つの有力な方策として「統計」があります。

このことは当ブログでも

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