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【10minutes チャレンジ 34日連続更新】根拠のある介入をする、ことの本当の意味は?新人や若手にぜひ読んでほしい

皆さん、おはこんばんちわ。

兵庫県で常勤PTとして働きつつ、整体院と講師業を週末起業したり、
もっと家事や育児ができて人生幸せになる男性を
増やすべく情報発信をしている中井 宏俊(なかい ひろとし)です。


先日こんなツイートをしました。

エビデンスは大事なんだけど、何でもかんでも数字で表現できているわけじゃない。
たまに相談とか話を聞くのが、
「根拠のない治療をしないでください。するなら数字で出してください」
とOTさんがPTから言われるというパターン。


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まだまだ人間未知な部分が多いのに、根拠のあることしかしない、となると介入の幅がどんどん狭まるよ?
それにそんなこと言うPTに限って、〇〇手技とか□□療法みたいな特殊なことしてたりして、
「これで俺は治せてるからいい」
みたいに自分のことは棚に上げてたりする。
本当にこのパターンが多い


これ、どうでしょう?

私は何度かこの手の話を聞いたことがあります。


PT→PTのパターン。

PT→OTのパターン。

後者の方が多いかも。


PTの管理職や、全然管理職でも

なんでもないヒラのPTが

同僚や後輩、部下のPTに対して、

もしくはOTに対して

こういうことを言っている。


なんじゃこれ?

という感じじゃないですか?


PTが臨床で今使っている

技術や知識は全て

エビデンスベースなもの

ばっかりなんでしょうか?


そもそも医療の世界で

唱えられているEBM、

根拠に基づく医療というのは、

EBMとは、「個々の患者のケアに関わる意思を決定するために、最新かつ最良の根拠(エビデンス)を、一貫性を持って、明示的な態度で、思慮深く用いること」、「入手可能で最良の科学的根拠を把握した上で、個々の患者に特有の臨床状況と価値観に配慮した医療を行うための一連の行動指針」、「個々の患者の臨床問題に対して、(1)患者の意向、(2)医師の専門技能、(3)臨床研究による実証報告を統合して判断を下し、最善の医療を提供する行動様式」などと定義されています。

定義としてはこうあるようです。


で、さらにPT協会が定義している

EBPTとは?

「EBPTとは、個々の患者に関する臨床問題や疑問点に対して、(1)臨床研究による実証報告としての科学的根拠、(2)理学療法士の臨床能力、(3)施設の設備や機器の状況、(4)患者の意向や価値観を統合した最適な臨床判断を行うことによって、質の高い理学療法を実践するための一連の行動様式」

というものになるようです。


どうもPTはこの言葉に縛られすぎて

いるような気がしてならないのですよ。


くれぐれも断っておくと、

私は根拠を無視していい、と

言いたいわけではありません。


でも、ツイートした文章でも

表現しましたが、

何でもかんでも根拠だ根拠だと

言っていたら、

できること減ってしまうけど

いいのか?

ということ。


人間の心身なんて

まだまだわからないことが多い。

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10年前に習っていたことが

今では全く教えられていない。

下手すると間違っていた、

みたいなことだってあります。


だからこそ、

これまでちょくちょく書いていますが、

研究や学会発表されている

データや内容、つまり科学的根拠は

当然大事にしつつ、

自分が学んでいる医療の基礎、

解剖学・生理学・運動学

から自らが考えて、

その時その時に正しいと

思えることを

目の前の方々に提供したり、

指導したり、実践してもらったりする。


それが大事なんだと思うんです。


こういう話題になった時に

OTさんがPTから責められるパターンって

OTさんが行う

『作業活動』とか

『環境調整(適応)』とかって

個々人によって反応や効果とかに

差がありすぎてしまうのが

1つ理由としてある。


もう1つの理由は、

一見すると「遊んでいるようにしか見えない

からなんだと思う。


こういう話題や相談をされる度に、

『どんだけ理学療法って崇高なもんなの?』

と疑問の考えを抱いてしまう私です。


私もよく遊びに似たアプローチをしたり

しますよ。

その方が患者さんが

その練習に目的をもって、

意思を持ってやってくれるから。

なんでもかんでも根拠ある

かたーい内容の介入ばかり

していたら、患者さん

嫌がりますよ?

というか、通用しない

パターンがどんどん出てくる。

私は1年目の4月にその壁に

ぶち当たった。


話を戻すと、

EBNという言葉もあるようです。

『EBN(Evidence-Based Nursings)を考える』

というpdfファイルです。

この中の

EBN という名称からエビデン
スが最優先するような印象を持たれてしまう場合もあ
るが、どんなにエビデンスが高いケアであっても、患
者さん、あるいは、患者さんの家族などに受け入れら
れなければ提供することはできない。看護においては
患者さんの個別性を重視することが大前提である。ま
た、費用効果関係などによる効率や、実施にあたって
活用できる資源等も考慮に入れながら提供できるケア
を決めなければならない。

という一文が示していることが

全てなんじゃないかな。


科学的な根拠というのは

大事にしつつ、

患者さんや家族さんの

個別性というものを

大事にするべきなんだと思う。


PT協会の定義からも、

日頃のPTのよくない話を聞くと

この辺りの発想が足りないと思う。


再度言いますが、

私は根拠も大事にしつつ、

自分なりに考えに考えて、

解釈に解釈を重ねて、

根拠を求められても

正しい説明ができるような

内容を提供していく。

それが時々は一見すると

遊びに見えるようなこともするし、

作業療法に近いようなこともする。

患者さんに求められているもの。

患者さんが求めているもの。


これを追い求めていくだけです。

皆さんに何かしら響けば幸いです。

(執筆:16分 文字数2280)

※執筆中に娘が乱入してとんでもなく時間がかかっていました

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