マガジンのカバー画像

【和訳】英国国防省:ウクライナ情勢報告

300
英国国防省発表のウクライナ情勢評価分析の日本語訳
運営しているクリエイター

#ロシア経済

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 16.06.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 16.06.2024

日本語訳ロシアが最近、発表した増税が、ウクライナでの戦争を含む増大する財政投入への資金に充てられることになるのはほぼ確実である。税制変更によって、2025年にはおよそ2.6兆ルーブル(290億米ドル)分の追加歳入が見込まれている。法人税は20%から25%に引き上げられることになっており、税区分の追加は新たな所得税制のもとで導入される予定だ。所得税の最高税率は、15%から22%に引き上げられることに

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 20.05.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 20.05.2024

日本語訳ロシアは目下、労働力不足に直面しており、いくつかの分野でかなり大きな問題になっている。ロシアの独立系報道メディア・イズベスチアの推計によると、2023年にロシアで不足した労働者の数は480万人に上ったとのことだ。一例を示すと、ロシアの運輸・物流業界は2023年の間、トラック運転手の不足分を25%しか埋めることができなかった。

労働力不足の原因だが、少なくともその一部は、ウクライナにおける

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 05.04.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 05.04.2024

日本語訳ロシアは2022年2月のウクライナ侵略以降、およそ180社の企業を国有化しており、その価値はおおよそ115億米ドルに相当するものと考えられる。外国資本の企業から優先して進めているのはほぼ間違いなく、この高優先度対象には国外在住のロシア人が所有する企業も含まれている。このような国有化は、ロシア経済内での外国(とりわけ西側)との結びつきを弱めたいという政府の意向に起因している可能性が極めて高い

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 01.04.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 01.04.2024

日本語訳ロシアの国防産業が重要な輸入品を入手することを、経済制裁が継続的に妨げている可能性は高い。ロシアの孤立化は同国が直接的に商取引できる国家の数を狭めており、かつては自由に購入できた品目をロシアが入手するのにかかる時間とコストが増している可能性は極めて高い。フィンランド銀行新興経済研究所の調査では、第三国がロシアに特定の制裁対象品目を輸出するのに、通常価格の60%超増の価格を課していることが示

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 09.03.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 09.03.2024

日本語訳

2024年3月1日、ロシアは6カ月間のガソリン輸出禁止措置を導入した。その目的は、需要が上昇するなか、国内市場での価格安定化にある。2024年2月29日のロシア政府命令第243号によって、もともとは2023年9月21日から2023年11月17日までの期間に適用された禁輸措置が再開することになった。

複数回、行われたウクライナ軍の無人航空機攻撃によって、ロシアの石油精製能力が一時的に低

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 09.02.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 09.02.2024

日本語訳

2024年2月7日、SNS上の投稿が飛びついたのは、ロシア中部ウドムルト共和国イジェフスク近郊に位置するロシアのミサイル製造工場での爆発だった。この工場は各種弾道ミサイル生産目的で操業しており、その弾道ミサイルにはイスカンデルも含まれている。なお、イスカンデルは、たびたびウクライナ攻撃に使われている。初期報告では工場勤務者のミスが原因であることが示唆されていたが、その後、ロシア国営タス

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 05.02.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 05.02.2024

日本語訳

2024年にロシアが予定している歳入額が、予算計画で示した目標に達する可能性は低い。計画した歳出分の資金を満たすため、別の政策上の措置を検討する必要が今後、政府に生じる可能性は高い。

ロシア政府は、2024年の歳出を26%増にするという野心的な計画を立てている。この歳出増は、歳入が22%増えるという楽観的な予想に依拠したもので、石油と天然ガスからの収入が25%近く増加するという期待を

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 18.01.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 18.01.2024

日本語訳:

ロシア中央銀行は金利を1%引き上げ、新たな基準金利は16%になった。2023年7月に現在の利上げサイクルが始まってから、今回で5回目の引き上げとなる。なお、2023年7月時点の基準金利は、6.5%だった。

今回の引き上げ幅はこれまでのものよりも低い。ロシアのインフレ率は2023年末に向かうにつれて、加速的に上昇し続け、11月には前年同期比で7.5%に至った。この数字は10月時点の6

もっとみる
【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 06.11.2023

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 06.11.2023

日本語訳:

2023年9月にロシアの物価上昇率は、同年8月の5.3%から6%まで上がった。この上昇は、食料品や燃料といった消費者物価の上昇によって促進されたものだ。インフレ傾向の進行が、ウクライナでの戦争に充てるロシアの戦費調達コストの増大につながるのはほぼ確実である。

ロシア中央銀行(CBR)は、基準金利を2ポイント上げ、新たな基準金利を15%とすることで対応した。この利率は2022年5月以

もっとみる
【和訳】英国国防相 ウクライナ情報 23.10.2023

【和訳】英国国防相 ウクライナ情報 23.10.2023

日本語訳:

ロシアの政府歳出は、ウクライナでの戦費にますます焦点があてられるようになっている。2024年の国家予算提案に占める国防費は、2023年に割り当てられた国防歳出予定費から、おおむね68%増になる見込みで、2024年国防費はGDPの約6%分の金額になる。これとは対照的に、教育と医療福祉への歳出は、2023年の割り当て分のままとなる予定だが、インフレを考慮に入れると、実際には歳出削減となる

もっとみる