見出し画像

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 06.11.2023

Latest Defence Intelligence update on the situation in Ukraine – 06 November 2023

日本語訳:

  • 2023年9月にロシアの物価上昇率は、同年8月の5.3%から6%まで上がった。この上昇は、食料品や燃料といった消費者物価の上昇によって促進されたものだ。インフレ傾向の進行が、ウクライナでの戦争に充てるロシアの戦費調達コストの増大につながるのはほぼ確実である。

  • ロシア中央銀行(CBR)は、基準金利を2ポイント上げ、新たな基準金利を15%とすることで対応した。この利率は2022年5月以降、最も高いものだ。そして、CBRが2024年を通して高金利政策を維持するつもりである可能性はかなり高い。このような高金利が、ロシア国内消費者の借入費用を増大させる可能性は極めて高く、さらにロシア政府の債務返済費用に大きな影響を及ぼす可能性も高い。

  • 軍事支出の大幅増が部分的な理由となって需要が高まり、それに労働市場の規模縮小の圧力が継続的に加わることにより、ロシア経済が加熱のリスクに直面している可能性は高い。この状況から判断して、2024年のロシアのインフレ率が、目標値の4%を確実に上回っていくことになる可能性は極めて大である。物価高の継続が、政府歳出額の実質的な価値を下げていく可能性は高く、歳出額の上昇がインフレ率を下回る社会福祉のような分野では特にそうだ。このような状況がはっきりと示しているのは、戦争を支えることを第一とする方向へとロシア経済が方向転換しているということだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?