マガジンのカバー画像

【和訳その他】戦争研究所(ISW):ウクライナ戦争報告書

233
戦争研究所(ISW)のウクライナ情勢報告書の部分和訳・内容要約等
運営しているクリエイター

#戦争研究所

【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1950 ET 02.02.2024 “ロシア軍を利するウクライナ側の砲弾不足”

【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1950 ET 02.02.2024 “ロシア軍を利するウクライナ側の砲弾不足”

本記事は、戦争研究所(ISW)の2024年2月2日付ウクライナ情勢評価報告の一部を抜粋引用したうえで、その箇所を日本語に翻訳したものである。

[*記事サムネイル画像:ロシア軍の攻撃で廃墟と化した2023年3月時点のマリインカ(ウクライナ外務省SNS投稿より)]

ロシア軍を利するウクライナ側の砲弾不足報告書原文からの引用(英文)

日本語訳

ウクライナの砲弾不足と対砲兵戦遂行能力の不十分さがロ

もっとみる
【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1915 ET 30.01.2024 “ロシア軍の動向に関するウクライナ軍情報部の評価”

【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1915 ET 30.01.2024 “ロシア軍の動向に関するウクライナ軍情報部の評価”

本記事は、戦争研究所(ISW)の2024年1月30日付ウクライナ情勢評価報告の一部を抜粋引用したうえで、その箇所を日本語に翻訳したものである。

ロシア軍の動向に関するウクライナ軍情報部の評価報告書原文からの引用(英文)

日本語訳

予期されていたロシア軍の2024年冬季・春季攻勢は、ハルキウ・ルハンシク州境地域で現在進行中である。ウクライナ軍国防省情報総局(GUR)の局長であるキリロ・ブダーノ

もっとみる
【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1830 ET 27.12.2023 “ウクライナ南部戦況、ウクライナ軍の課題、カホウカ・ダム破壊が及ぼした影響”

【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1830 ET 27.12.2023 “ウクライナ南部戦況、ウクライナ軍の課題、カホウカ・ダム破壊が及ぼした影響”

本記事は、戦争研究所(ISW)の2023年12月27日付ウクライナ情勢評価報告の一部を抜粋引用したうえで、その箇所を日本語に翻訳したものである。

ザポリージャ州西部でのロシア軍攻撃報告書からの引用(英文)

日本語訳

最近、ロシア軍がザポリージャ州西部で前進し、ウクライナ軍が2023年夏季反攻で制圧した陣地をいくつか取り戻したことが報じられている。これはウクライナ軍が冬季により防御に適したロボ

もっとみる
【内容紹介】なぜロシアを勝たせてはいけないのか(23.12.22付ISW報告“The High Price of Losing Ukraine: Part 2”の紹介)

【内容紹介】なぜロシアを勝たせてはいけないのか(23.12.22付ISW報告“The High Price of Losing Ukraine: Part 2”の紹介)

先日、「ロシアがウクライナに勝利する世界がどのような軍事的影響を米国に及ぼすのか」をテーマとした報告書を戦争研究所(ISW)が発表しましたが、その第二弾として、ロシアの勝利が米国の戦略的環境に与える影響を分析した報告書(上記リンク)が公開されています。

ISWのナタリア・ブガヨワ氏の報告書「ウクライナを失った際の高い代償:パート2ー軍事的脅威とそれ以外の脅威」は、その冒頭で「ウクライナにおける戦

もっとみる
【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1915 ET 21.12.2023 “ウクライナの不安定な「膠着状態」”

【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1915 ET 21.12.2023 “ウクライナの不安定な「膠着状態」”

本記事は、戦争研究所(ISW)の2023年12月21日付ウクライナ情勢評価報告の一部を抜粋引用したうえで、その箇所を日本語に翻訳したものである。

ウクライナの不安定な「膠着状態」報告書原文の引用(英文)

日本語訳

ウクライナにおけるロシア軍作戦が今まで、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンの抱く最も大きな目標を達成できずにいることは、今後もずっと続くものではない。最大限の目標をプーチンの手に入

もっとみる
【抄訳】ロシアを勝たせてしまうことが、米国にもたらすコスト(2023.12.14付ISW報告書“The High Price of Losing Ukraine”より)

【抄訳】ロシアを勝たせてしまうことが、米国にもたらすコスト(2023.12.14付ISW報告書“The High Price of Losing Ukraine”より)

はじめに上記リンクは、「ウクライナ敗北に伴う高い代償:ロシアの勝利がもたらす軍事・戦略的かつ財政的帰結」(“The High Price of Losing Ukraine: Military-Strategic and Financial Implications of Russian Victory”)というタイトルの戦争研究所の報告書になります。

西側諸国、とりわけ米国のウクライナ支援に揺

もっとみる
【内容紹介】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 2045 ET 13.12.2023 “ロシア当局者の発言とロシアの戦争目標”

【内容紹介】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 2045 ET 13.12.2023 “ロシア当局者の発言とロシアの戦争目標”

ここ最近のロシア政府当局者によるウクライナにおけるロシアの戦争目標に関する発言から、ロシアが開戦時に示した最大限の目標を捨て去っていないことが分かると、戦争研究所(ISW)は2023年12月13日付報告で指摘しています。それどころか、「最大限」とされるもの以上の目標を示唆しているロシア高官もいます。

ロシア連邦安全保障会議副議長ドミトリー・メドヴェージェフは、ウクライナのゼレンシキー大統領と米国

もっとみる
【内容紹介】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1935 ET 12.12.2023 “ロシア軍秋季攻勢に関する米国情報当局の評価”

【内容紹介】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1935 ET 12.12.2023 “ロシア軍秋季攻勢に関する米国情報当局の評価”

戦争研究所(ISW)の2023年12月12日付ウクライナ情勢評価報告書によると、米国の情報当局は12月12日、機密扱い解除されたウクライナ情勢評価分析の内容を議会に示したとのことです。そのなかで米国情報当局は「ウクライナ東部におけるロシア軍攻勢作戦は西側のウクライナ支援の弱体化を目的としているが、甚大なロシア軍の損失という結果しかもたらしておらず、戦場において作戦的に重大な戦果をロシア軍はあげるこ

もっとみる
【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1800 ET 27.11.2023 “11月27日付報告の要点”

【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1800 ET 27.11.2023 “11月27日付報告の要点”

本記事は、戦争研究所(ISW)の2023年11月27日付ウクライナ情勢評価報告の一部を抜粋引用したうえで、その箇所を日本語に翻訳したものである。

要点(Takeaways)報告書原文の一部引用(英文)

日本語訳

黒海及びウクライナ南部でのサイクロンによって、ロシア南部の沿岸地域と同国占領下ウクライナ領の多くの地域において、インフラ施設への被害が発生した。また、サイクロンはウクライナ戦線の軍事

もっとみる
【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1730 ET 20.11.2023 “要点(Key Takeaways)”

【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1730 ET 20.11.2023 “要点(Key Takeaways)”

本記事は、戦争研究所(ISW)の2023年11月20日付ウクライナ情勢評価報告の一部を抜粋引用したうえで、その箇所を日本語に翻訳したものである。

要点(Key Takeaways)報告原文抜粋(英文)

日本語訳

ロシアはフィンランドとの国境で人工的に難民危機をつくり出すという、ハイブリッド戦争の戦術としてよく知られている戦術を展開している模様だ。

ロシア・フィンランド国境でロシアが用いてい

もっとみる
【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1815 ET 19.11.2023 “アウジーウカ方面戦況”

【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1815 ET 19.11.2023 “アウジーウカ方面戦況”

本記事は、戦争研究所(ISW)の2023年11月19日付ウクライナ情勢評価報告の一部を抜粋引用したうえで、その箇所を日本語に翻訳したものである。なお、初出地名は、Google Mapsとリンクしてある。

(記事サムネイル画像はウクライナ軍参謀本部のFacebook投稿写真を使用した)

アウジーウカ方面報告原文抜粋(英文)

日本語訳

11月19日、ウクライナ軍はアウジーウカ周辺で反撃を敢行し

もっとみる
【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1745 ET 08.11.2023 “ウクライナ東部アウジーウカ情勢”

【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1745 ET 08.11.2023 “ウクライナ東部アウジーウカ情勢”

本記事は、戦争研究所(ISW)の2023年11月8日付ウクライナ情勢評価報告の一部を抜粋引用したうえで、その箇所を日本語に翻訳したものである。また、記事中の画像は、ISW制作地図(インタラクティヴ・マップ画像含む)を使用した。なお、画像の一部は加工してある。

アウジーウカ情勢報告書原文(英文)

日本語訳

ロシア軍は11月8日もアウジーウカ周辺で攻勢作戦を続けた。また、同軍の前進も確認されてい

もっとみる
【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1740 ET 07.11.2023 “ウクライナ軍、ヘルソン州東岸へさらに戦力投入か”

【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1740 ET 07.11.2023 “ウクライナ軍、ヘルソン州東岸へさらに戦力投入か”

本記事は、戦争研究所(ISW)の2023年11月07日付ウクライナ情勢評価報告の一部を抜粋引用したうえで、その箇所を日本語に翻訳したものである。また、記事中の画像は、ISW制作地図(インタラクティヴ・マップ画像含む)を使用した。なお、画像の一部は加工してある。

ヘルソン州東岸情勢ISW報告原文(英文)

日本語訳

複数のロシア側情報筋は、ウクライナ軍が限られた数だが、装甲車両をヘルソン州東岸へ

もっとみる
【内容紹介】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1850 ET 06.11.2023 “イーゴリ・ギルキン、露軍作戦を批判する”

【内容紹介】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1850 ET 06.11.2023 “イーゴリ・ギルキン、露軍作戦を批判する”

先日、英誌エコノミストにウクライナ軍総司令官ザルジュニー大将のインタビュー記事が掲載され、それとともに、ザルジュニー大将が執筆した論考も公開されました。そのなかで同将軍はウクライナ軍が抱える軍事的課題とその解決策について、直裁に語っています。

このザルジュニー大将の発言に触発されたのか、ロシアの軍事ブロガーたちが、この秋から冬にかけてのロシア軍の作戦・戦術に関する見解を発表し始めています。とりわ

もっとみる