思い出に "色" を重ねて

 おはようございます!atomです。

今回は受験生や, 人生における選択に悩む方に向けて, 前向きな爽快感ある内容にしたいと思います。


 ということでテーマは

勉強が出来ても賢くなれない

これが記事のタイトルと どう繋がっていくのか, 少しずつ明らかにしていきたいと思います。

今回も「教える」のではありませんので, 自分だったらどうするか「一緒に考えて」頂けると嬉しいです!

では行きましょう!


毎度の曲紹介


 毎回, 文章を書きながら内容に関連して浮かんだ曲を紹介しているのですが, 

今回はにゃんぞぬデシさんの「風とイルカと恋」です。

好きなラジオに年に一回くらいのペースで登場されていて知りました。声がきれいで素敵で, さわやかな曲調にも惹かれました。

 ぜひ聴きながら文章を読んでください。


受験は何のためにあるのか


 現在, 私は高校3年生に国語・数学・英語を教える塾講師をしています。

毎回の授業ごとに, 振り返りを記録して生徒に渡す決まりがあるので, 

授業はいつも早めに終了して, 最後の5~10分ほどを生徒の悩みを相談してもらう時間にしています。悩みが無ければ雑談します。


 そこで勉強がしんどくなってきたという生徒から, 今回の投稿につながる こんな質問が出ました。

受験って意味あるんですかね?


一旦聴いてからの...


 なぜそう思うのか, 聴いてみました。すると, 

もともと勉強が好きじゃないし,
行きたい大学はあるが, 大学卒業後のビジョンが無い。
なんとなく周りのみんなが勉強しているから, 自分もやっている。

と続きを話してくれました。多くの受験生が直面する壁だと思います。


 一段落ついたところで, 私も正直に話しました。

受験に意味なんか無いと思うよ。


塾講師らしく, 「こんな意味があって...」「だから頑張ろう!!といった話をすることも出来ましたが, 

嘘はつけませんでした。


誤解なきように


 一応, 私も大学受験を頑張った経験がありますし, そのときのことは生徒にも参考までに何度か話したことがありました。

スケジュールとか勉強計画の立て方とか。

私の中で受験は, 大変だったけれど プラスの思い出として残っています。学んだことは沢山ありました。


 ただこれは大学に入って, 勉強・部活動・アルバイトと色んな活動をして, 色んな人と出会って, 楽しい思い出ばかりあって...

そんな日々の積み重ねとして存在する "今の視点" から受験を振り返っているからです。


 逆に高校に合格したことは, 自分の中ではプラスのイメージでは捉えられません。

高校時代に精神的な不調に陥ったことを思い出すたび, 

またあの頃に戻るのでは 

という上手く表現できない, 心の底の, 沈むような暗い感情をかき混ぜられます。


 このように高校生活を暗く捉えるのは, 2度目の人生と開き直ったつもりの今でも, 

完全には割り切って負の感情と共存できていないことを, どこかで理解しているからだと思います。


思い出を上書きして


 少し暗い方に話が逸れましたが, 今の私の考え方は, 3つの要素に要約できます。

・この世の中で起きることに意味はなく, 本来無色透明である。

・意味は "今の視点からどう捉えるか" だけで決まる。

・思い出を自分にとって良いモノだったと言うためには, そう思えるような行動を事後的に積んでいくしかない。


 人間の能力をそもそも信用していないんです。人はどうせ忘れるし, 間違った記憶を信じたりもします。

ということは, 記憶は何回でも上書きできるんです。選択したものが正解かどうかは選んだ瞬間には決まりません。

上書きした後に, 思い出の最表面が何色をしているかだけが重要なんだと考えています。


"お前は賢くない"


 大切なのは, 目の前の選択肢が正解かどうかという思考ではなく,

選択したものを正解にする行動を,
全力で積み上げること

今の私を支えるこの考え方の根底には, 過去にお世話になった先生の言葉があります。


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 私は高校3年生になり8月中旬のちょうど今のあたりに, 志望校を京都大学に決めました。

当時の自分の偏差値は60後半くらいで目標には足りなかったので, 時期的に不安もあり, もっと難しい問題を解けるように...と, 

レベルの高い応用問題を手当たり次第に解いていました。


 そんな時に厳しかった化学の先生が, 私を見てこう言ったのです。

もう応用問題が解ける実力はある。

でも解けないのは"賢くない"からだ。
賢い奴基礎を怠らず,ミスをしない。

 賢い人 = 難しい問題を解ける人, だとばかり思っていましたが, 基礎を徹底して

間違わないことこそが重要なんだと知り, 勉強の仕方を大きく見直すきっかけになりました。

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 そこから自分なりに解釈し直して, 本当に賢い人は

自分の選択に正解という色を重ねるために
基本的な努力を事後的に積み重ねる人

だと考えるようになりました。


 勉強ばかりしていると選択する前から正解か不正解かが決まっていると考え, 

不正解になることを恐れるようになりますが, 

人生においては最初から結果が決まっている選択肢は少ないです。

よって信念に基づいて選択し, 全力で帳尻を合わせに行く人を, 私は賢い人だと考えます。

そんな人を見ると尊敬の念を抱きますし, 自分もそうありたいと思って行動しています。


受験に意味がないのなら


 では目先の選択に意味が無いのなら高校3年生の私の生徒には, 今なにが出来るのか。

10分というお悩み相談タイムの制限時間の中で, 考えうることを生徒に話しました。

 受験それ自体は, きっと意味を持たない無色透明な出来事でしかないんだと思います。

受験が終わってからの行動で意味が決まり, それまでは受験にはきっと意味なんか無いんです。

 今出来るのは, ただ日々を積み重ねること。そして受験に向けて自分なりの頑張りで 高校生活を締めくくって,

3年間の思い出に自分なりの色を重ねることではないでしょうか。


 勉強がいくら出来ても "正しい" 選択は出来ませんし, 賢くはなれません。

選んでからとにかく泥臭く行動するしかないと思います。

綺麗ごとですが, 大学生の今のうちにしか言えないことだとも思うので, この感覚は大切にしたいです。


誰かに届くことを願いながら, 
今回はこのあたりで.
atom.


(感想やお悩み相談は, コメント欄・twitterでお待ちしてます!)

【参考文献】

「嫌われる勇気」, 岸見一郎/古賀史健, 2013, ダイヤモンド社
「幸せになる勇気」, 岸見一郎/古賀史健, 2016, ダイヤモンド社
「多動力」, 堀江貴文, 幻冬舎, 2017
「死ぬこと以外かすり傷」, 箕輪厚介, 2018, マガジンハウス
「自分の中に毒を持て」, 岡本太郎, 2018, 青春出版社


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