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どんな権利があって

コロナも私の日常3-92
92日目 7月13日(火)

ここ数日、ものすごくモヤモヤしていた事がある。

この間彼女の家でたまたま観た番組で、無人島でお金を稼げるのか、というものがあった。

その中でとあるフリマおばさんが、無人島で切った竹を300円だか500円だかと値段をつけてメルカリで売ってお金を得ていた。さらには、海で拾った綺麗な石のようなものも高値で売っていた。

なんだこれは、と思った。

自然の中に存在しているもの、自然に生まれたものを、勝手に値段をつけて売り捌いて儲けを得ている。

なんだこれは。

私は人知れずひとり、物凄い衝撃を受けた。

こんな事があっていいのかと心の底から思った。あなたが今つけた値段は一体、どういう基準で、どんな権利があってつけたのですか?どうしてそこら辺で拾った地球に自然に存在しているものをそのまま売ってあなたの儲けになるような事が許されているんですか?

でもそこで、よくよく考えてみる。

なんだ。こんなことは、私の生活の中で頻繁に、しかも日常的に行われているじゃないか。なんなら私もそれに加担しているし、何も気が付かなかったじゃないか。

土地だって元は誰のものでもなく、地球のものだよね。植物や木々だって、地面から生えている。魚だって海に生息している。動物たちだって人間よりも地球歴は先輩だ。石油だって石炭だって火だって水だって元から地球にある。

それなのに私たちは、お金というものを生み出し、勝手に地球の土地に値段をつけて、持ち主をつけて、売り買いしている。魚も、植物も、木々も、お肉も、石油も、石炭も、なんでも。

はあ、なんでこんな当たり前のことに今まで気がつかなかったんだろう。もちろんなんとなくわかってはいたけれど、言語化はできていなかったこの違和感の正体に、ようやく気がついた。気がついてしまった。

今まで、なぜかはわからないが何となく嫌だったものの謎がやっと解けたような、そんな感じで。どうりで不動産やエネルギーというものがどうも好きになれなかったわけだ。

なんて傲慢なんだろう、と思う。人間は勝手に「お金」なんていう判断基準を作って、流通させて、地球のものを勝手に掘り尽くして、売り捌いて、富を得て、ぼんぼこ建物を建てて、ゴミを排出し、生き物を食い漁っている。なんてひどい生物だろう。そりゃ地球も悲鳴を上げるわけだ。

今までぼんやりとしかわかっていなかったものが、ハッキリと見えるようになってきた。世の中のヴィーガンやサスティナブル的な発信をしている人たちは、本当はきっとこういうことを言いたかったのだろう。

私ははじめて、心から、地球のことがわかったような気がした。はじめて、世の中の仕組み、そして人間の罪深さを理解できたような気がした。

そういう意味では、人間が作り上げた「お金」を運用して利益を得る株や投資などは、実に合理的で、最もサスティナブルな商売かもしれないと思う。

私だってお金は大好きだし、たくさん手に入ればとても嬉しいし、枯渇したら落ち込むし、生きていくにはなくてはならないものだ。

それでも私は、やっぱり、許せないなと思う。こんな社会が許されていいわけがないと思う。勝手に価値をつけ、人やモノに優劣をつけ、格差を生んでいいわけがないと思う。

いつかまた、この世からお金なんてものが消えて、縄文人のように、そのとき必要なものを交換し合う、物々交換のような社会になればいいのになと思う。魚が取れたので、お米を持っている人に分けてあげて、お米をもらう。子供に愛情を与えたら、癒しとなって返ってくる。そんな、各々ができることを出来るだけすればいいだけの超絶簡単社会だ。赤ちゃんだってやっている。

全ては自然と与えられるモノだから、そこに優劣や価値は存在しない。全ては平等に価値のあるモノで、みんなが得る権利のあるモノだ。みんなが得られれば、みんなハッピーになって、犯罪なんて生まれない。ハッピー循環社会。

このテクノロジーの発展した資本主義社会で、私はそんなことを思う。時代遅れならぬ、時代錯誤かもしれない。スマートフォン、スマートシティなどと言ってみんなが繋がろうとしている時代に、私はこんな夢物語を1人で描いている。

でも文明は繰り返すと言うし、いつかきっとまたそんな時代が来るだろう、と遠き日に思いを馳せるなどしてみる。きっと、縄文時代の人たちはめちゃめちゃ幸せだったんだろうな。

私たちが忘れてしまった幸せを過去の彼らが持っていたのだとしたら、一体私たちニンゲンは、果たして進化しているのか、退化しているのか。文明は発展しているのか、衰退しているのか。毎日前に進んでいると思っている社会は、本当に前に進んでいるのか。そもそも前とか後ろとかってなんなんだ。

こういう今の私の気持ちを、ずっと忘れないでいようと思う。たとえ忘れてしまっても、いつかこのnoteを読んで、こう思った自分がいたことをまた思い出せるように。

ああ。私も早くそんな社会でハッピーに人生を終えたいなあ。

おやすみ。

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