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文系の学問って、本当に無駄なの?

日本史を専攻していた学生時代「史学科って何やってるの?暗記?」と言われたことがありました。

義務教育で習う「歴史」という科目だからこそ、その感覚を引きずってしまう気持ちはとってもよく分かります。

でも、学問とは自ら課題を見つけて探求するもの。暗記をしているだけじゃ、学問と言えませんよね。

史学科って、何をやっているんだろう?

ズバリ申し上げますと、史学とは「情報選別能力を培う学問」です。

まず、教科書に書かれているような歴史はどのように「分かった」ことなのでしょうか。

その全ての元になるものが「史料」です。中でも1番多いのが文献史料、つまり文字で書かれたもののことです。時代によって異なりますが、具体的には書簡(手紙)、日記、瓦版(新聞)、帳簿、公文書……などなど。

史学科は他の学問とは違い、実験したり現場を観察することはできません。そのため、上に挙げたような「史料」から歴史を読み解くのです。

ここで必要なのが「情報選別能力」。

少し考えてみましょう。例えば、あなたが誰かに手紙を書くとします。都合の悪いこと、かっこ悪いことまで全てさらけ出すでしょうか?何でも言っちゃうよ!という方もいるかもしれませんが……。ちょっと見栄を張っちゃうこと、ありますよね。

つまり「史料」だからといって、全てを信用することはできない、ということ!
いつ、どこで、誰が、何のために書いたのか……という、その史料の「性格」をしっかり確かめ、同じ時代に書かれた他の物と照らし合わせる。史学科の学生たちは、在学中にこの技を徹底的に仕込まれます。

これって、いわゆる情報リテラシー能力ですよね。SNSの呟き、YouTube、ネットニュースなど、たくさんの情報が目に入る現代こそ、必要な力です。

そんな当たり前のことを……と思うかもしれませんが、気づいていないだけで実は苦手だという人も多いと思います。SNSで流れてくる情報は全部嘘だと頭ごなしに決めつけたり、反対にYouTubeのファスト教養動画で知識を身につけたつもりになったり……。

昨今、文系学部不要論が唱えられていますが、文系学部では意味のないことを学んでいるわけではないのです。それを学ぶことを通して、実社会を生きる術を身につけています。もちろん史学だけではなく、あらゆる学問に通じることです。

あなたが大学などで学んだことで、専門知識以外に身についたものはありますか?ぜひ、コメント欄で教えてくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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