芸人小説 イシライサヤカ(8)
こんなに饒舌だっけ?と思うほど、坂本はずっと喋っていた。
話してる内容は他愛のないことばかり。
この店のソーセージは旨いとか
隣の駅の立ち飲み屋で呑んだ生ビールが洗剤の味がしたとか
酔っぱらって山手線乗ったら寝てしまい3周まわったとか
ひな壇のエピソードトークとしても正直弱すぎる話を坂本は
会話を脱線したり戻ったり、まぁ酔っ払いトーク。
こっちも酔っぱらってるんで、笑ったり頷いたりしてるが
会話の8割は覚えていない。
覚えていることと言えば、坂本が必死に俺の目を見て話している