お笑いの斜め後ろ

お笑いタレントになりたい! そんな気持ちを行動に起こしたばっかりに…。 後悔?いやいや…

お笑いの斜め後ろ

お笑いタレントになりたい! そんな気持ちを行動に起こしたばっかりに…。 後悔?いやいやまだまだ夢の途中? 「職業芸人です」と声を小にして言う夢追い人のお話し。

最近の記事

芸人小説 イシライサヤカ(8)

こんなに饒舌だっけ?と思うほど、坂本はずっと喋っていた。 話してる内容は他愛のないことばかり。 この店のソーセージは旨いとか 隣の駅の立ち飲み屋で呑んだ生ビールが洗剤の味がしたとか 酔っぱらって山手線乗ったら寝てしまい3周まわったとか ひな壇のエピソードトークとしても正直弱すぎる話を坂本は 会話を脱線したり戻ったり、まぁ酔っ払いトーク。 こっちも酔っぱらってるんで、笑ったり頷いたりしてるが 会話の8割は覚えていない。 覚えていることと言えば、坂本が必死に俺の目を見て話している

    • 芸人小説 イシライサヤカ(7)

      坂本と最後に会ったのは・・・たしか8年前。 今も続いているラジオのナレーションの仕事を終えた帰り道。 仕事と言ってもこの番組は俺にとってはただの生活費稼ぎの活動。 ラジオ局やスポンサーや仕事を取って来てくれた事務所には申し訳ないが、ホント全く思い入れの無い番組だ。 月に2回。原稿がメールで届き、それをプリントして局へ向かう。 大手電力会社がスポンサーの番組で、町の歴史や風習、村で長年続くお祭りなどの原稿を俺が読む。 抑揚をつけない 感情を入れない 淡々と読む これが番組スター

      • 芸人小説 イシライサヤカ(6)

        タレント坂本昇さん死去。自殺か? お笑いコンビ・ハートウォッチャーで活躍し、歌手としても紅白歌合戦に出場したサカモトこと坂本昇さんが6日、自室で死亡していたことがわかりました。室内には遺書も残されており自殺とみられています。 坂本昇さんはお笑いコンビ・ハートウォッチャーで芸能界入り。バラエティ番組の海外ロケに人気者となる。その後歌手としても紅白歌合戦に出場したほかドラマや舞台でも活躍。コンビを解散後はしばらく芸能界を離れていましたが、5年前から活動を再開。 舞台や映画を中心に

        • 芸人小説 イシライサヤカ(5)

          20年だぁ???と、最近驚いた。 目が回るほど忙しかった三年と、ボケーっとする時間が多かった16年ちょっと。 ところが前者より後者の方が収入が良かったりするから不思議だ。 若い頃は給料制で今は歩合給だから。 どれだけハートウォッチャー時代は会社に摂取されていたんだ。 そしてどれだけ今は芸能界っておいしい仕事なんだと思う。 「イシライはいいよな」 同期だったり昔から仲の良い芸人にはよく言われる。 たいして面白くも才能もない俺がコンスタントに仕事をもらい、普通のサラリーマンでは稼

        芸人小説 イシライサヤカ(8)

          芸人小説 イシライサヤカ(4)

          そんな状況に悩んだサカモトが休養を申し出たのが、三年目の秋。二十一歳の時だ。 「海外に行って役者修行をしたい」 最初はネタかと思ったよ。 または番組のロケ。それとも漫才やコントのネタとしてなのか??? 違った。 「ハートウォッチャー解散。サカモト海外へ役者として武者修行」 俺への報告があった三日後、ワイドショーで報道される。 記者会見場にはサカモトとマネージャーのアケミさんがいた。 解散の記者会見なのに、俺は呼ばれなかった。 アケミさんは俺達より四つ年上だから当時二十五歳。

          芸人小説 イシライサヤカ(4)

          芸人小説 イシライサヤカ(3)

          ハートウォッチャーが初めて舞台に立ったのは高三の9月、そして所属になったのが12月。 学校では進学就職と進路について考える時期だったが、二人は芸人になる道を選ぶ。 「そんなに甘くないぞ」 「大学生やりながら続けてみては?」 とアドバイスをしてくれる先生や両親。 ところが、そんなこと言ってる間に高校の卒業式を待たずにハートウォッチャーは売れてしまう。 高校球児だったサカモトは、甲子園にこそ出られなかったがキャプテンでキャッチャー。チームの中心選手として地元ではそれなりに有名だっ

          芸人小説 イシライサヤカ(3)

          芸人小説 イシライサヤカ(2)

          ⇒(1) イシライサヤカという名で、初めてグリーンスポットのステージに立ったのは、もう十九年も前のことだ。 高校三年の秋。友人のサカモトノボルに誘われてやったことのない漫才のまねごとを披露したのだ。 コンビ名はハートウォッチャー。何でこの名前にしたんだったかな?サカモトが決めたはずだが覚えていない。 サカモトは坂本昇の本名をカタカナ明記に。 じゃあ俺もカタカナにしようとイシライサヤカを芸名にしたが、本名は春畑高彦。全く本名と異なる、しかもサヤカって女?という名前にした。 こ

          芸人小説 イシライサヤカ(2)

          芸人小説 イシライサヤカ(1)

          グリーンスポットの前には、すでに数人の女性ファンが並んでいる。 全席自由のライヴなので、いい席を取りたいファンは早い時間から列をなす。 しかしまぁ、グリーンスポットってなんやねん!といつも思う。 看板や文字や黒と赤。 会場内にも緑らしきものはほぼ見当たらない。 なのに会場名はグリーンスポット。 ビルの地下にあるイベントハウスで、音楽やお笑いのライヴ、演劇や落語会なんかも開催されている。キャパは100席ほど。このサイズにしては控室が広く演者が多いイベントには重宝しているスポット

          芸人小説 イシライサヤカ(1)

          ギャラより高い交通費対策

          吉本興業はギャラが安い!というのをネタにした歌。 こいのぼりの替え歌で ギャラより高い交通費 大きいお金は吉本に 小さいお金は芸人に 面白そうに運んでる よしもとに限らず、事務所管轄、 マネージャーがいない場合、 この交通費の出費に悩まされます。 小さなライヴの仕事だと ギャラなんてあってないもの。 1000円でも500円でも、もらえるだけありがたやー ではあるのですが、 その500円のギャラをもらうためライヴハウスに行く交通費が 片道300円だったりすると、行くだけで

          ギャラより高い交通費対策

          抜け駆けは許さない

          学生時代、試験勉強をしていなくて焦っている時 「俺もしてない」 「私も!」 と言われたらとても安心しませんでしたか? マラソン大会で 「ゆっくり走ろうよ」 「そうだね、一緒に走ろう。順位なんて気にせず」 と仲間がいるとホッとしませんでしたか? ところが勉強していないと言ってた奴が 実は前日徹夜で勉強していたらしく高点数を取ったり ダルそうでやる気なさそうな顔をしていた奴が よーいドンと共に快走し、上位入賞を果たしたり そんな時、成績や順位の悪かった奴らは 勉強したり快

          抜け駆けは許さない

          40過ぎてバイトをやめられない芸人の本音

          バラエティ番組で 40過ぎてバイトやめられない芸人という特集が話題になった。 その名の通り芸人だけでは食えない40代の苦悩を描く番組。 ただ売れてない、食えてないと茶化すのではなく、 売れない芸人のリアル、 そして売れなくても辞められない芸人のリアルな姿に、 感動した! という声も多かったと聞く。 ただ、、、 彼ら同様に売れてない40代、はたまた50代芸人から見ると、 勝手に感動しないでくれ! そう言いたい芸人も多かったと思う。 芸人を目指して一般就職の道を断ち、 2

          40過ぎてバイトをやめられない芸人の本音

          お笑いの道の一歩目の躓き

          なぜお笑い芸人になりたいのか? お笑いが好きだから。 有名になりたいから。 女にモテたいから。 金持ちになりたいから。 テレビに出たいから。 などなど理由はさまざまだが、 ○○だからとスタートしたお笑い芸人の道。 ほとんどの人が、その一歩目で躓く。 こんなはずじゃない 思っていたのと違う ・・・と。 クラスの人気者で 学校祭でも笑いをとっていたS君。 「Sは面白い」 「絶対芸能人になれる」 友人に言われ、本人もそう思い込み疑うことが無かった。 ところが・・・ お笑い事

          お笑いの道の一歩目の躓き

          置きチケ悲喜こもごも

          芸人のライブ情報のSNSを見ると、 「置きチケ」というフレーズを多く見かける。 ●月●日▽▽ホールで「××爆笑ライヴ」に出演します。 置きチケ希望者はDMください! みたいな。 置きチケとは、受付でチケットを置いてくれるシステム。 「(コンビ名)で予約してる(あなたの名前)です」 と受付で言うと、その芸人のチケットから購入することができる。 置きチケットの売り上げに行方は??? 大きく分けて2つ 1つはチケットノルマ 1コンビにつきチケット10枚 などとノルマ

          置きチケ悲喜こもごも

          お笑いライヴのギャラ事情

          吉本興業のギャラが少ないって話がよく話題になります。 同じくらいのキャリア、人気の芸人が地方営業に行って 吉本と非吉元芸人のギャラに数倍の開きが当たっとか、 テレビの出演料のゼロが一つ違うとか。 吉本が取り過ぎだ!吉本のギャラが安い! みたいなことを度々言われます。 全てがそうというわけではありませんが、上記のようなケースは実際にあります。 「吉本じゃなくて○○に行けばよかった」 と愚痴る芸人お話もよく聞きます。 ただしこれは売れた芸人のお話。 売れる前の時点で言うと 他事務

          お笑いライヴのギャラ事情

          45歳の地下芸人のお笑い活動のリアル

          アマチュアミュージシャンが インディーズという言葉に救われたように、 アマチュア芸人も 地下芸人という言葉に救われていると思う。 地下芸人。 アマチュアというより響きがよく、 そして、自虐にも本気にも 使い勝手が良い言葉、である。 自称地下芸人のY氏は45歳。 吉本の養成所を出て漫才コンビを3度、 コントユニットを2度コンビ解消し、 いまピン芸人として活動している。 活動?? 活動といっても 仲間と共同開催する地下ライブが月1回、 呼ばれて出演するライブも月1.2回程度。

          45歳の地下芸人のお笑い活動のリアル

          お笑い芸人になったらお笑いライヴに出演しよう

          前回「お笑い芸人に絶対なれる方法」を書いた。 おそらく読んだ方のほとんどが 「いやいやそれは・・・」 と思ったことだろう。 だけど、お笑い芸人に誰でもなれるのである。 問題は お笑い芸人を続ける。 お笑い芸人を仕事にする。 お笑い芸人で食い続ける。 これが、誰にでも簡単にできないということ。 当たり前じゃ!と思うだろうが、 続けようとも、仕事にしようとも思う前に 「お笑い芸人になんてなれないや」 と諦めてしまうほど、お笑い芸人になりたい思いが薄い人はともかく、 お笑い芸人にな

          お笑い芸人になったらお笑いライヴに出演しよう