現代の生き方について
現代の生き方について。現代は、迅速さ、突発さ、軽はずみが幅を利かせる世の中だから、深く考えて立ち止まる必要は毛頭ない。仮に、沈思黙考する人があれば、私たちはできるだけの善意でもって彼を泥沼から救わなけばならない。止まって考えているうちにも、時世から脱落し、電車には乗り遅れ、腰は重く、メールの返信は遅く、神経症で一行も書けず、内向的になってしまう。反射的痙攣的に0か1かの二通りの問題解決が尊ばれるこの世の中で、第三の選択肢を考えたり、そもそも問題設定の仕方を問うことはナンセン