森乃央歩

本読んだり音楽聴いたり映像作ったりするのが好きです。 oufumorino@gmail…

森乃央歩

本読んだり音楽聴いたり映像作ったりするのが好きです。 oufumorino@gmail.com

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[私詩]『うらがえり』

怒りを笑いに変換することすら悪なのだとしたら、笑うことすら許されない。 笑うことすら許されないのであれば、善いことなど一つもない。 呆れ去ることも逃げ惑うこともできない荒波に呑まれてしまえば、誰一人として抜け出せない。 誰からも理解されないと畏怖することが怒りに繋がるのであれば、恐怖の感情すらも否定されてしまうだろう。 謎に包まれた自己を謎から引き出す為には、皮を剥ぐしかないのだろう。 肉体として存在する皮膚を破り捨てて初めて魂が見えるのであれば、魂などは存在しない

    • [映像]僕の私の修学旅行 in 東京

       部屋の整理をしてゐると中学三年生の時分に先生へ提出した筈の修学旅行手記が見つかり思ひ出に浸る。あれから十年以上経ち令和になつた今の自分として何かカタチに残すことは出来なひかと考へた末にNUMBER GIRLの名演に載せて象ることにした(幸ひInstagramであれば本楽曲に載せてストヲリヰズに揚げることは許されてゐるやうなので勝手ながら拝借仕る)。かやうに振り返ると散々な目(とりわけ二日目など)に遭つたやうであるが今なほ仲の良ひとびくんとウツチアンの間では笑ひ話として時

      • [電信]私の観ずる噂。(令和三年九月五日)

        【出演】森乃央歩(Q) 【客人】ガブガブ(先生、編集長)  眼病なのか脳病なのか兎にも角にも突如として目が見えなくなり錯乱した挙句晴れて七月末に無職となつた森乃央歩(Q)が凡そ七年来の仲となる無職兼ニゐトと呼ばれるも其の実は音楽家であると考へられてもゐるガブガブ氏を先生乃至編集長と讃へ嘯き招ひては好きなことや嫌ひなことを語らう。 (映像制作:Q / GabGab) ──トヲクテヱマ── 呼吸を合はせることと小説『銀嶺の果て』の話 藝術作品に嵌る契機と諸作品の話 ──鬼頭莫

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        • [電信]私の観ずる噂。(令和三年八月三十日)

          【出演】森乃央歩(Q) 【客人】ガブガブ(先生、編集長)  眼病なのか脳病なのか兎にも角にも突如として目が見えなくなり錯乱した挙句晴れて七月末に無職となつた森乃央歩(Q)が凡そ七年来の仲となる無職兼ニゐトと呼ばれるも其の実は音楽家であると考へられてもゐるガブガブ氏を先生乃至編集長と讃へ嘯き招ひては好きなことや嫌ひなことを語らう。 (映像制作:Q / GabGab) ──トヲクテヱマ── 自己紹介と出会ひの話 大学時代の話 友だちの話 作品をつくることについての話 ネツトと

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        [私詩]『うらがえり』

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          [電信]私の観ずる噂。(令和三年八月二十二日)

          【出演】森乃央歩(Q) 【客人】ガブガブ(先生、編集長)  眼病なのか脳病なのか兎にも角にも突如として目が見えなくなり錯乱した挙句晴れて七月末に無職となつた森乃央歩(Q)が凡そ七年来の仲となる無職兼ニゐトと呼ばれるも其の実は音楽家であると考へられてもゐるガブガブ氏を先生乃至編集長と讃へ嘯き招ひては好きなことや嫌ひなことを語らう。 (映像制作:Q / GabGab) ──トヲクテヱマ── 無職とばかんすと友だちの話 『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』とATGの話(※根多

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          [電信]私の観ずる噂。(令和三年八月二十二日)

          [音楽]『文月』

          Augst 17, 2021  ちまちまとGarageBandで紡いでいた楽曲群です。各種配信先よりお聴きいただけます。「百」は我が先生兼編集長であるガブガブ氏の編曲です。音楽制作は敬遠しておりましたが初心者ながらに音楽をつくる楽しさを知れた気がしております。拙い音ばかりでございますがお樂しみ下さいますと幸いです。 了

          [音楽]『文月』

          [電信]私の観ずる噂。(令和三年八月十四日)

          【出演】森乃央歩(Q) 【客人】ガブガブ(先生、編集長)  眼病なのか脳病なのか兎にも角にも突如として目が見えなくなり錯乱した挙句晴れて七月末に無職となつた森乃央歩(Q)が凡そ七年来の仲となる無職兼ニゐトと呼ばれるも其の実は音楽家であると考へられてもゐるガブガブ氏を先生乃至編集長と讃へ嘯き招ひては好きなことや嫌ひなことを語らう。 (映像制作:Q / GabGab) ──トヲクテヱマ── 無職の話 映画の話 音楽の話

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          [電信]私の観ずる噂。(令和三年八月十四日)

          [私詩]二千二十一年八月五日・一

           ・  肩書きなんていらない どうせ死ぬんだから。  総理大臣になどなりたくもない どうせ生きるくらいなら。  混濁した感情が混ざり合い 私的な感情をいつしか忘れ  誰も彼もが死にゆくひととき  今は忘れる猫たちも 草木とたわむれ過ごして逝く  考えている時にしか現れない精霊も  家族のことを考えて走り去る男たちも  誰も彼もが鳴きわめくひととき  ばかにされるような時間でも 私にとってはゆるやかな流れ  詩的な感覚だねと笑われても あなたにとっては馬鹿げた時間  馬と鹿

          [私詩]二千二十一年八月五日・一

          [小説]『目の高さ』

          目の高さ  雲ひとつない星空の奥から滴る雨を香る。私は道路の真ん中で止まっていた。雨だけが私に時間を知らせてくれる。  明かりは未だ一つも見えず、ここに来てどのくらい経ったのかも分からない。暗闇にようやく慣れた視界には、いつも通り道路と草原がうっすらと隔てられているのが垣間見えた。  すぐに目を離して、再び前を見つめる。そこにはこちらに向かって走る白い私がいた。幽霊でも精霊でもないただの白い私は一向にこちらに近づくことはできていない。走り続けたまま止まっているのだ。ここ

          [小説]『目の高さ』

          [日録]再び生まれる時間はされあれど流れる時間は須く遅くも早くもあつてはならず一定でなければ平等とはいへない

          July 11, 2021  映像を再生する。始めからであらうと途中からであらうと、この行為は等しく "再生" といふ言葉を用ひられ、そのとほりに機能する。私たちが鑑賞する映像は、総じて既に生まれた "何か" を今一度、眼前に生み表して眺めてゐるに過ぎない。それは映像に限らず、漫画や小説、音楽といつた表象文化の一切がさうであらう。そも/\、形として "何か" を表さんとする時点で、この者が意識的にであれ無意識的にであれ知覚したイメヱジの二次創作に過ぎなひといへるのかもしれな

          [日録]再び生まれる時間はされあれど流れる時間は須く遅くも早くもあつてはならず一定でなければ平等とはいへない

          [日録]回帰するきさまとの対話

          June 29, 2021  解雇と云われるとどきりとするのか、ほつとするのか、はたまた両の感情を抱くことになるのか、その時にならなければ、あるいは、その時になることを前もつて考え及んでいる当人でなければ、分かろう筈がない。私は今のところ、あまり考えたくもないが、いつそのこと、雇われることから解き放たれた方が、今を生きている感覚をより強く得られるのではないかと、根拠の有無も分からない渇望を抱かないこともない。では、社会という現実に囚われた魂が生み出した鎖に繋がれてもいないこ

          [日録]回帰するきさまとの対話

          ご紹介に与りましたnoteというセカイを飛廻る主食は自身の反吐にも似た汚物としての私である蠅、森乃央歩でございます。  …………ブウウ——————ンンン——————ンンンン………………。 https://note.com/gubgub/n/n00d79dd24a52

          ご紹介に与りましたnoteというセカイを飛廻る主食は自身の反吐にも似た汚物としての私である蠅、森乃央歩でございます。  …………ブウウ——————ンンン——————ンンンン………………。 https://note.com/gubgub/n/n00d79dd24a52

          [日録]くろぐろとした白

          June 19, 2021  止まることなく奏で続けられる自鳴琴の音色は赤黒く、私が大地に足を根差す一生命であることを強く意識付けてくる思いがする。我々は何人足りとも抗うことのできぬ命令にも似たその音が打たれ尽くすまで、狂っているのか正常なのかも分からない自鳴琴を引っ提げて歩みを止めることは赦されない。赤ん坊が泣きながら生まれてくるのは、我が内に産まれ出づる既存の世界が非情であることを理解しているからであるが、それをいつしか忘れるほどの感情で覆われたならば、死にながら笑うこ

          [日録]くろぐろとした白

          [日録]個性はいかにして殺されたか

          June 13, 2021  いつも何かに急き立てられて生きてきた。その何かが自分であることを知ったのは、焦燥感という言葉を立体的に理解できたときであったと同時に、感覚というものを自身の裡に於いて捉え直したときでもあった。感覚を捉え直した感覚を手に入れたのであれば、あとはするすると感覚に付き纏う問題は解けてくる。感覚とは外部入力を起因とするものではなく、どこまでも内的な裡なるものであるが、私たちはそれを剥ぎ取って人と人とのあいだに立たせることばかりを考えているだけでは飽き足

          [日録]個性はいかにして殺されたか

          [日録]嫌いなものの話

          June 9, 2021  私は一応対外的には無宗教者であり聖人君子でもないしがなく尊い社会を構成する一員であるが日本に生まれつき西洋化されながらもその独自の文化に触れることで簡単に仏教とは割り切れない何かしらの宗教性が身についたことは理解しているもののこの世の全てのものを愛さなければならないなどとは思わない一方で全てのものを憎しみで覆い隠そうという気持ちが芽生えるほど世界を恨んでもいない私はただ私の目の前を縦横無尽に通り過ぎていくその全てに対して逐一誠意を持って愛さなけれ

          [日録]嫌いなものの話

          [日録]私が私で在ることの態度

          June 6, 2021  本文の最後に書く文章は決まっている。然し、私は物事を順序立てて進めることが苦手だ。仕事でも無い限り、わざわざ自分で自身の行動を制限してまで何かを遂行しようなどとは思わない。凡そ二ヶ月前、職場で真剣な話ではなく冗談混じりに "何のために生きているのか" と問われた私は "煙草を吸うため" と答えたことがある。何故ならば其れくらいの些末な事象を行動の原理として動機付けて生きる方が人生は楽なのだと何時の日からか思い至ったからだと伝えると、相手は小さく頷

          [日録]私が私で在ることの態度