[私詩]二千二十一年八月五日・一

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 肩書きなんていらない どうせ死ぬんだから。
 総理大臣になどなりたくもない どうせ生きるくらいなら。
 混濁した感情が混ざり合い 私的な感情をいつしか忘れ
 誰も彼もが死にゆくひととき

 今は忘れる猫たちも 草木とたわむれ過ごして逝く
 考えている時にしか現れない精霊も
 家族のことを考えて走り去る男たちも
 誰も彼もが鳴きわめくひととき

 ばかにされるような時間でも 私にとってはゆるやかな流れ
 詩的な感覚だねと笑われても あなたにとっては馬鹿げた時間
 馬と鹿が笑おうが泣こうが 畜生と揶揄して嗤い合う悪魔
 どうせ死ぬなら 誰から死ぬ?

 めんどうくさくなっても まためんどうなこと
 だらけたくても だらけられない
 あのネコのように遊びたいと願っても
 誰も彼もが死んで行く

 どうせ死ぬなら、貴方を殺す?
 誰に向けられた言葉なのかも 誰に向けた言葉なのかも
 どうせ死ぬなら、考えない。
 もし貴方が目の前に現れたら もし私が貴方の隣に住んでいたら
 私は貴方に会うこともなく 死んで行く

 死にたいほど苦しいのであれば 生きたいほど楽しいのであれば
 同じ時間を分かち合える地球を壊しましょう

(二千二十一年八月五日・一

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