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【読書記録】泣かない子供 江國香織

「最近エッセイを読んでいて、おすすめの本があったら教えて下さい」とXにポストしたところ、フォロワーさんが勧めて下さって読んだ本です。

上手く言語化出来ないのだけど、繊細な想いが詰まったエッセイだと思った。


「ラルフへ」では不倫について書かれている。

私はこの文を読むまでは不倫というのは間違いでしかないと思っていた。

実際、私の友人がそれでとても悩み、精神を蝕まれてしまったのを近くで見ていたことがあるから。

他人の家庭を壊すようなことがどうして出来るのか、とずっと思っていた。

しかし、不倫というのも見方を変えれば自分の気持に素直に恋をしたいだけなのかもしれない。

本当にそれがただただ「間違っている」だけなのか「ラルフへ」を読んでそれがわからなくなってしまった。

わからなくなってしまったけど、それは決して不倫を肯定しているわけではない。

もし、私の大事な人が不倫をしようとしていたら、私は根気よく説得して止めたいと強く思う。

けれど、それが真っ白な正しさなのかと言われれば、それは真っ白ではないのかもしれないと思うきっかけになった話だった。


まったく、結婚というのは残酷なことだと思う。
結婚するのがどういうことかというと、いちばんなりたくない女に、一番好きな人の前でなってしまうということなのだ。いやになる。

泣かない子供 江國香織

私は結婚はしていないけれど、結婚を前提としてお付き合いしている男性と同棲している。

彼とは私が双極性障害と診断される前の元気な頃に出会ったが、付き合い始めたのは私が病気だと診断されてから。

その後、私は病気のことで両親との関係が良くなくて、それをきいて彼が、彼の一人暮らしの家に来ないかと提案してくれた。

頭の中は両親から離れられるということだけで一杯で、あまり考えずに彼の家での生活を始めた。

最初は取り繕うことが出来ていたのだが、うつ状態がひどくなってしまい、何も出来ずにベットで眠り続けることしか出来ない状況が続いた。

一番ひどいときはお風呂に入るのが困難で、一番ハードル高い髪を洗って乾かすところを彼にやってもらった。

うつ状態のときの日々が本当に恥ずかしくて辛かった。

彼は優しいから、うつ状態の私でも一緒にいてくれたけれど、私は一番なりたくないだらしない、みすぼらしい私を見せるのが辛かった。

恋愛対象として見てくれなくなるのではないか、嫌われるのではないかと不安だった。

彼とは去年から正式に同棲を始めているが、その思いは今でもある。

相手の中の素敵な人でいたいと思っているけれど、四六時中一緒にいるので取り繕うことは出来ない。

お互いのダメなところも許容出来る関係が結婚に向いているだろうし、今の私達はそうなのだろうけど、それでも私は今でも、少しでも素敵な人に見られたいと思ってしまう。

この文を読んでそんなことを考えた。


おすすめのエッセイがあったらおすすめしていただけると幸いです。

必ず読めるかわからないのですが、今のところはだいたい読ませて頂いています。


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