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「中身を知るってこういうことなんだ」仕事を通して得るやりがいを求めて

「仕事を通してやりがいを感じる人になりたい」
前職を辞め、飛び込んだ海士町。
島体験1月-3月生である冨田さんにインタビュー。
彼女が島で感じ、考えることとは?

島根県の離島、隠岐島前地域で大人の島留学・島体験に参画した皆さんの来島前・来島後、そしてこれからについてお届けする「私、島で働く。」
来島のきっかけから島での仕事・暮らし・自分自身の変化など
1人1人のストーリーをお届けしています。

R5年度島体験1-3月生として海士町に来島。
R6年度から始まる「福祉×まちづくりプロジェクト」の一員として働いている冨田真帆さんにインタビューさせていただきました。

1月に来島して早2ヶ月。島での生活を通して感じたことや、これからのことについてお聞きしました。

冨田真帆さん
取材当時29歳 千葉県出身
R5年度島体験1-3月生として来島


仕事を辞めて海士町へ

ー自己紹介をお願いします。

千葉県出身の冨田真帆です。前職はWebディレクターをしていて、副業で簡単なライティングやSNS運用をしていました。週4日正社員でWebディレクターをしていて、週1日自分の副業をやるような自由なスタイルで働いていました。


ーなぜwebディレクターを辞めて島に来たんですか?


ベンチャー企業で働いてて、少数精鋭で良いところもあるけれど、仕事の幅を広げることは難しくて。
4月から大阪に行く予定でした。リモートで続けることもできるんですけど働き方が変わることで、自分のやりたいことからは遠くなると感じて、未来が見えず思い悩んでいました。
1年をどう過ごすか考えていた時に、島留学を見つけて3ヶ月とりあえず来てみたっていう感じです。


やりがいを求めて

ー仕事にやりがいを感じることはありましたか?

楽しい時もあったし、毎日やることも違うから働いている感覚は掴めたけど、思ったより「自分で試行錯誤して」っていうのが少なかったかな。指示通りに修正を着実に遂行する感じで、そこにやりがいを感じるのは難しかったかも。


ーなぜ島体験を選びましたか?

ワーホリや地域おこし協力隊も考えていたけど、自分は仕事にやりがいを持って働いている人や、仕事にプライドを持っている人に憧れがあったので、仕事を通して何かを感じる、やりがいを感じる人になりたいなと思って。
Webディレクターのようなホームページの仕事は、より見やすく、より美しくという点で、例えるならすでにサービスを受け取っている裕福な人たちが、もっと幸せになるような、暮らし、サービスだと思ってて。
それよりかは、人が少ないとか、社会的課題があるところにコミットした方が、求められてるし、やりがいもその分あるのかなって思ったかな。

国賀浜にて


ー島に来てどうですか?

もっと人口を増やすためにこうした方がいいよとか、こうした方が住みやすいよっていうところを、仕事で実践できるって思ってたんだけど、もうすでに暮らしてて満足している人に対して、「もっとこうした方がいいよ」って、島の外から来て言えることではないのかなって思い始めてて。今の生活を続けていくために、サポートするっていうニュアンスの方が、島の人にとってもしっくり来るのかなって思っているんですよね。この島の暮らしを守りたいって思って来るっていうのが一番やりやすいのかなって。

島の人に教えてもらった魚捌き


ー福祉×まちづくりプロジェクトを選んだ理由はなんですか?

プロジェクト型は働き方や性格的に向いているかなって思って。福祉は正直興味、関心がなかったんですけど、やっぱり中のことを知りたくて。
島外に発信するにも、まず島内のことを知って、自分の目で見たものを発信したいって思った。島の中身を知るっていう点ではこの福祉プロジェクトが一番見れるのかなと。


ー週2日福祉施設で働いているとお聞きしました。

中身を知るってこういうことなんだなって。
福祉施設で働くということが、もっと厳しいものだと想像してた。実態を分かりきっていない部分はあるけれど、意外に事務の担当、デイサービスの担当や入浴の担当があったり、時間によって分かれていて働きやすそうとは思った。もっと過酷なイメージを持っていたから、辛い部分もあるけれど楽しめる場面もあるのかなって。
良い意味のギャップはあったかな。

週に2回福祉施設で勤務


暮らしの中で見つけた「小さな幸せ」

ー暮らしの部分はどうですか?

料理を作ったり、家の人とゆるゆる話したりっていうのがすごい助けになってる。
私は、食事を楽しんだり、オシャレを楽しんだりといった「小さな幸せ」に疎くて。海外に2週間ボランティアに行ったり、資格を取ったりというような大きな経験は好きだったけど、「新しいカフェに行ってみよう」とか、「今日この髪型にしよう」とか、そういう暮らしの工夫みたいなのに興味がなくて。でも、安定的な幸せを得られるのって、もしかしたらそういうところからなのかもなって島に来て思う。

地域の方の家で金柑摘み
同期たちと一緒に夕飯作り


ー島に来て今までと全く違う生き方をしていると思いますが、どう感じてますか?

正直すごい悩んでて。給料も決まってて、何かをやってくださいって言われているわけでもないってことは、責任を全て負うわけではないから、本当に自分次第で仕事をすることもしないこともできて。自分が頑張ればいいんだろうけど、それがまず求められていることなのかっていうのも不安に感じる。
自分次第だからこそ、自分にとって仕事の経験を作ったのか言えるのか分からなくて、「おあそび」になっちゃうんじゃないかなって。
でもミッションとして感じているのは、ここに魅力を感じて来てくれている人に対して中身を知ってもらうということ。だからそのためのプログラムを考える必要があると感じてる。来るだけ来て、呼んで終わりってなるのはもったいなって思うから。


ーこれからはどうする予定ですか?

今のところ延長する予定でいます。
福祉プロジェクトに参加して、できることも、できないこともあるけれど、道筋は見えてきたし、試行錯誤するのが好きで。
少なくとも、都会で感じるような自分じゃなくてもできる仕事に溢れてて、人と人との間に入っててんやわんやするよりは、自分が触って、自分がやった手触りで動かせるのは、この制度、島ならではだと思うので、やりがいは感じましたね。

ー未来の島留学生・島体験生へ一言お願いします。

特に私みたいな社会人を何年か挟んでくる人に向けて言うんだとしたら、普通の企業じゃできないことができるかもしれないから、0から1を手探りでやりたい人は一緒に頑張ろうって言いたいです。



(R5年度 大人の島体験1-3月生:野呂)

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