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新卒カードを捨て離島に飛び込んで気づいた「特別な何か」ではない「積み重ね」のこと

隠岐島前3町村それぞれの公式note担当者と#離島にもっと若者の還流をnote(以下還流note)による本リレー記事企画

企画のコンセプトは、
「海士町・知夫村・西ノ島町それぞれの公式noteと還流noteを横断するきっかけをつくること」。
記事のテーマは、「移住や島暮らし」です。
是非、記事をきっかけに隠岐島前地域の公式noteや他クリエイターのnoteへお立ち寄りいただけると嬉しいです。

新たな発見や気づきに繋がる時間になりますように。

こんにちは。
#離島にもっと若者の還流をnote (以下還流note)担当の田中です🐥

前回の海士町公式noteからnoteのバトンを受け取り、3記事目は還流noteからお届け致します!

というわけで、改めまして。
私からは”環境を変えてみること”をテーマにお話しできたらと思います。

なぜ島へやってきたの?

島へ来た理由は大きく2つ。
1つは、身を置く場所を変えてゆっくり考え事をしたかった。
もう1つは、島前に興味があったからです。

島へ来る前は、新卒で入社した小売関係の会社で働いていました。就活当時、小売という業界にすごく関心があったわけでは無かったですが、知らない世界に飛び込むのも面白そうだなと思い、入社を決意しました。

地元にいた頃の楽しみは花壇の手入れ🌸
コロナ禍だったこともあり休日も家にいることが多かったです

実際に働いてみると、価格のことや商品の魅せ方・並べ方そして店舗の売上と発注数のバランス。小売業独自の用語や計算の仕方、資格の勉強など、この世界に来なかったら知らなかっただろうなと思うことばかりでとても面白かったです。退職した今も、糧として自分の中に残っているものも多く、1年ばかりでしたが学びも多かったと感じています。

ただ、想像以上にハードなことが多かった。1日中店舗内を駆け回り、へとへとになりながら品出しや棚替えを納期までに完了・報告、レジにも立って、商品補充。ルーティンワークを必死にこなす日々を送りながら、自分の勉強不足だったことをものすごく反省していました。

夏はアサガオ

ただ、その時間があったから”働く環境”について、考えるきっかけができたことも大きな収穫でした。効率も大事だけど、働いているのは人で。割り切らなければいけないこともある一方で、一緒に働くパートさんとの関わり方や接し方は、当時の自分にとって会社から求められるタスクを完了させることと同じくらい大切なものでした。

そんな時間を新卒として働く中で違和感やもやもやを感じ始め、それを抱えたまま過ごすのが息苦しくなったことが環境を変えることのきっかけでした。

仕事から帰ってきた時、夕日がきれいで走って見に行きました。
@高山(地元)

とはいえ、当時は転職というのもしっくり来ず。”仕事や暮らしの中で自分が大事にしたいものや軸みたいなものがはっきりしていないからまた同じことを繰り返すだろうな”という気持ちが大きかったので”転職”という選択肢は早々に場外へ。

じゃあ、これからどうするの?という所。
”無職にはなりたくないけど、この際ちゃんと考えたい。ちょうどいい場所ないかな”。と考えていた時、知人のSNSで大人の島留学を発見。「島のまちづくりを一緒に担いながら島の暮らしと仕事に挑戦できる」という所に惹かれ、これだ!!!と、即応募しました。

ちょうどいい場所を見つけたというのは、適切な表現ではないのかもしれないですが、率直な感想はそれで。働く場所も、住む家もある。島という環境に飛び込むことへの不安以上に、これまでとは違った新しい環境に飛び込むことへの楽しみのほうが大きかったなと思います。

そんな風に島へ来ることを決めたので、新卒カードを捨てたなんて感覚はみじんもなかった。抜け出したかった場所からあっけなく抜け出せてしまった嬉しさとちょっと拍子抜け。新しい環境に行ったら何か変わるんじゃないか、そんな淡い期待もあったと思います。

島に来て感じたこと

「自然豊かで空気が美味しい!街灯もなく情報が少ない。」という周りから出る感想を聞き、岐阜県の高山市という地方・田舎出身である自分にとってはその新鮮さがあまりなかったことがギャップでもあり、少し寂しく感じる所でした。

@知夫

それでも、”島”という海に囲まれた環境はとても面白くて。
どこに居ても大抵海が見えるし、夕陽や朝日が身近にあって、夏になれば飛び込みもできる。漁船が身近にあったり、獲れた魚をまるごといただくこともあったり。天気の変化や海の状態で、物流が変わり食卓に並ぶものも変わる。ものがなんでもあるわけでは無いからこそ、あるものを大切にする豊かさも島に来たからこそ思い出す感覚でした。1年経った今でも、ハッとさせられる瞬間や出来事に出くわします。

実は、隠岐島前に来たのは人生で2回目。
1回目は、ゼミ合宿で大学生の頃に。2泊3日で海士町に来ました。

その時は、”島の一部だけを見た”という感覚でしたが、今回の大人の島留学参画を通じて島のリアルを目の当たりにして、自分が当事者になったからこそみえたものもあったように感じています。

島での仕事と気づき

現在は、大人の島留学運営事務局で働いており主な業務はシェアハウスの整備と、この#離島にもっと若者の還流をnoteの運用です。

シェアハウス整備では、空き家の片づけから荷物の運び出し、掃除、備品搬入、壁の塗装など、シェアハウスとして新たに人が暮らせる状態にすることがミッション。(夏は家の周りの草刈りや庭の手入れも)また、事務局が貸し出しているEbikeの配置や点検も業務の1つでした。

夏、草刈りの日。休憩中のアイスが幸せでした。

noteの運用は文字通り、記事の執筆が主ですが、大人の島留学生や島体験生へのインタビュー記事が多かったこともあり記事作成の過程で刺激を得ることも多くありました。自分になかった視点や気づきを持っていたり、その人自身の様々なエピソードを聞いたり、見えている視野と実世界の広さに驚くことも多く、面白さを感じる業務です。

こういった仕事を続ける中で気づいたことは、小さなことの積み重ねがまちをつくっているということでした。大学生の頃、インターンシップの面接で「地方のまちづくりに興味があります。」と話したら、「まちづくりってそもそも何だとおもう?どんな切り口であなたは関わりたいの?」と言われたことがあります。

当時は、「確かに。切り口って色々あるよな。」と頭を殴られたような衝撃を受けただけで、自分なりの考えが持てず。社会人になってからも、島に来た頃も”問い”として自分の中に残っていました。

そんな問いに対して、最近思うようになったのが先ほど触れた「小さな積み重ねがまちをつくっている」のではないかということです。島は、コミュニティ大きくないからこそ、良くも悪くも色んなものが見えやすい環境。そんな場所だからこそ、表に出ていく情報の内側でどんな人たちが、どんな風に日々手を動かして足で稼いでいるのか目の当たりにして。

2月中旬大人の島留学イベント@京都の様子
SNSやオンライン説明会だけでなく対面での説明会やイベントも実施中。
企画・広報・運営まで担っているスタッフの姿を見て、気が引き締まりました。

さらにその内側に、現場ベースの確実な積み重ねがあることを経験して、色々な想いを知り。それらが折り重なって今の島の暮らし・まちの暮らしがつくっていることを実感し「特別な何か」以上の「積み重ね」の大きさを体感しました。

決して、映えるような仕事や業務ではないかもしれないけど、そこにある暮らしが続いていくために必要な営みを丁寧に積み重ねていきたいと感じています。また、そういった過程で生まれる「できないと思っていたことがやってみたら意外とできる」面白さを大切にしていきたいです。

環境が自分を変えてくれるわけじゃないけれど

大前提、私は”島に来てよかった”と思っています。
1年間という期間の終わりが見えてきた今だから言えることかもしれないけど、運動会やコンクール終わりに感じるような達成感や余韻から来るものではなく、充実感としての良かったという感想です。

新卒で就職した会社を1年で退職して、離島に来て働いた1年。

牛のシャンプーを手伝った日

”あのまま、仕事を続けていたらどんなキャリアが待っていたのか
”もう少し踏ん張れば、もっと違う見方もできたのかな”

と、考えることもありますが、それ以上にこの1年での気づきや得たものが大きいと感じています。島や地方に来ることでキャリアが止まってしまうのではないか、新卒から重ねてきたものを捨てることになるのかな等、島へ来ることで何かを失ってしまう不安もあるかもしれない。けれど、島に居るからこそできることもあるし、携われる面も多いのではないかと感じます。

西ノ島でフリマイベントへ参加させてもらった日

ただ、この1年で気づいたことがもう1つあって、環境が自分を変えてくれるわけでは無いということです。もちろん、環境をかえたからこそ踏み出しやすくなったり、後押ししてくれる人が増えたり、やってみようかなと思えたりすることも多いと思います。けど、そういうきっかけを踏まえた上で、やるかやらないかは自分次第だと感じています。苦しいことも多いけど。

もし、何か自分自身の変化や成長のようなものを求めているなら、本質的に変わらなくてもアップデートさせないといけない感覚があるのかなと…。その上で、やってみたいと思ったことに少しでも近づいたり、形にできるような1年にしたいと思っています。

と、少しどんよりした感じになってしまったのですが‥。島に来てよかった!と感じた写真を添えて締めくくりたいと思います!

①きらっきらの海!

やけどを疑うほど日焼けした夏
海への苦手意識を少しだけ克服しました。

②きらっきらの海!その二

③シェアメイトと初外食!

島にもイタリアンのお店があります(すごく美味しい)

④できないと思ってたことがやってみたら意外とできる ときもある

空き家改修中!網戸の貼り替えもします。
ご希望あればお申し出ください。練習させてください。

⑤休日

時々、島を出て隣の島へ遊びに行ったり
本土へ行くのが本当に楽しくて、楽しみの1つです。

⑥畑

夏は草むしりが追い付かず大変なことに。
でもたくさん収穫できて季節を感じながら暮らせるのが嬉しいです。

⑦本土に出た時の感動

⑧でも、こっちが自分は落ち着くなと感じます

なので、大人の島留学を修了後は島に残ってもう少し暮らす予定です。
そして、島を出るときはもっとたくましくなっていたいと思います。

さて、最後までお読みいただきありがとうございました!

次は、西ノ島公式noteのYUKAちゃんにバトンを繋ぎたいと思います🏃‍♀️


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