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視覚に囁く『小ご絵』

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いつも大きくて立派な扉ばかり見せられてきたように思う。 深く考えることなく、大きくて立派な扉ばかり追いかけてきたように思う。 だけどいつもうまく開けられるわけじゃない。 ある… もっと読む
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2022年7月の記事一覧

子どもの跡。

 赤子に接すると、抑えていた本性が理性の防潮堤を乗り越え顕になる大人がいる。いかつい婆ば…

いつものことながら。

 一人につき200円とちっぽけでも、合計すると75億円にもなるんですよと彼は力説する。でもさ…

家電化石館。

 厳重な鍵がかけられたガラスケースに、取り残されたみたいにカセットのウォークマンは膝を抱…

ああ、憧れのランチ・マック。

 社食は安くなければいけない。なのにあの会社の社食ときたら。メニューは豊富だけど、一部を…

人は糸で。

 二人の間に何があったのかはわからない。  でも、何かあっても当たり前。誰だって何かのひ…

文化しに。

 人は文化に縛られる。食文化に建築文化、サブカルに嗜好、趣味。文化という枠に縛られる。動…

猛暑日、行き支度。

 夏の音はセミで感じる。  気づく人は僅少の控えめ鳴き声のニイニイゼミが眠気まなこの夏のカーテンをこれまた控えめに引いていき、その低空飛行が灼熱の太陽に叩き起こされるように急上昇する。その上昇率といったらバケツの水をひっくり返したような大騒ぎ。今年は間違った1匹のアブラゼミで幕が大きく開き、ひと呼吸おいたあと騒音級のクマゼミ、セミの王道ミンミンゼミが夏を全開にした。  前線の抵抗で一度梅雨空に代わられた夏空は、子どもたちの夏休みへ寄せる期待に応えるように、しかるべき日程で大

幸せの種。

 noteで出会った愛猫物語。  飼い犬に連れてこられた野良子猫は、家にはつかずにワンコにな…

夏眠。

 いっときの梅雨の戻りみたいな涼を抜けると、カンカン湯を沸かすよな灼熱真夏日の日々が戻っ…

夢の価格。

 大陸のほうで、偽物ブランド商品を生放送でTVショッピングしていた悪漢が逮捕された。商品は…

田票で当選て何なのよ。

 ほらまた裏工作が顕になった。田票の前に清き一票は象に立ち向かうアリンコ。大海に放り出さ…

翼。

『翼をください』という歌がある。その昔、赤い鳥が囀り、願った。歌は神様への懇願のようであ…

求愛が不足している?

 デートをしたことがない20歳代男子の比率が増えているという。その数4割。  ちと高すぎやし…

行き違い。

「あれ? 思いどおりにいかない。すっぽり収まるはずなんだけどなあ」    頭が通ればすり抜けられるしなやかさをもった猫でも、収まる器の底が浅いと体が収まりきらなくなる。    人も同じ。勘違いは見誤るから起きるのだ。     「収まりたいと思う器には、それなりの訳があるんだけどな」