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文化しに。

 人は文化に縛られる。食文化に建築文化、サブカルに嗜好、趣味。文化という枠に縛られる。動かずにいると腰と肩が凝るように、じぶんを取り囲む文化も鈍く硬直化し始める。
 だからなんだよ。
 となりの文化が青く見えてくるのは。遠くの文化に惹かれるようになってくるのは。

 となり文化まで出かければ、しがらみのない文化に会える。遠くに行けば、その手があったかの文化に息と飯と酒を飲む。

 ひと所の文化に留まっていいると息が詰まってしまうから、そうだ、遠くに行こうという気になる。じぶんからかけ離れた文化に会いに行きたくなる。

 そんなこんなが渦巻いて、あれとこれとそれとに阻まれて、こんな時代になっているから、なおさら異文化にさわりたくなる。握ってみたくなる。頬擦りしたくなってくる。

 制限、門限、権化に牛耳られている時だから、時代が許してくれるところにピントを合わせ、文化しに、行こう。

 いまこの時、海外文化は何かと怖いし高いから、ちょいと遠慮なんかしちゃってさ。
 そうだ、ものぐさに異文化体験、しに行こう。近所でも遠い文化をしに行こう。

 まだマーベリックにも会っていないし、上野、品川、麻布の美術館もとんとご無沙汰思い出し、凝った腰肩、イチ、二のサンシで筋伸ばし、たまに出かけてみましょうか。遠くはない通勤電車で行けるよな、意外な文化が渦巻くところに、じぶん自身を刺激しに、じぶん自信を取り戻すため、色違いの文化に触れに行きましょか。


 人は文化に生きている。生きるのに疲れたら、生きる活力取り戻すのに、違った文化でエナジー・チャージ。
 たまにはジブンカ(自分文化)離れてタブンカしに、近くでも精神の遠くへ出かけてみよう。せっかく文化なしでは生きていけない人に生まれてきたんだもの。


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