見出し画像

 いっときの梅雨の戻りみたいな涼を抜けると、カンカン湯を沸かすよな灼熱真夏日の日々が戻ってきた。テレビは熱中症に警鐘を鳴らし、従順な人々は水分補給やクールダウンに余念がない。
 言われるまでもなく、猛暑にめっぽう弱い身は、冷房機の紡ぐ冷気に身を包む。

 春眠はその気候に惑わされ弄ばれて眠くなる。みんなそろって眠くなる。夏眠はかくして調個人的なバックボーンに支えられ、暑さで弱った心身の疲弊が解放されて眠くなる。

 夏眠 暁を覚えず

 ずっと寝ていたい病、別名「猫病」。もうひとつの呼び名「怠惰怠惰病」。流行り病と違って超個人的なヤマイなれど、用事の時間がやってくるギリギリの一線手前までつづく至福。

 とくに、いちど目覚めてから眠る「もう1時間」(×n)が好きだ。そこには現実みたいな夢を見せるシアターがある。快眠環境下で見る物語ははずした試しがなく、どれもが見てよかったと思える出来栄え。

 さあ今朝もまたもう1時間。朝日がシャインとまわりこむ部屋なかで、まぶたの幕が降りていく。

【覚めてほしいような、ほしくないような、揺らぎの夢世界へ】

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?