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視覚に囁く『小ご絵』

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いつも大きくて立派な扉ばかり見せられてきたように思う。 深く考えることなく、大きくて立派な扉ばかり追いかけてきたように思う。 だけどいつもうまく開けられるわけじゃない。 ある… もっと読む
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2021年10月の記事一覧

8日目の柿。

 先だって、干し柿に初挑戦した。  だけど。  セミは生きて8日目に孤独になるけど、柿は…

もういいよ。

「もういいかい?」と訊いたら「まあだだよ」。  二度訊いて、三度尋ねてそのあとは、雪崩の…

秋、柿のメロディ。

 秋風の、短調ともつかぬ調べに乗って、軽く歩を繰り出す散歩道。  そこに、善意が落ちてい…

夜明けとなる夜、間もなく。

ーー解禁されたんだもの。大手を振って飲みに行ける。おまけに間もなくハロウィンだ。溜めに溜…

ふかふかしていりゃ、さわりたくもなるさ。

「便乗しないでよね」 「そんなこと言わずに」なんて言えるのも、イメージの世界でのみ。ゲン…

ひとりにひとつずつ原点がある。

 親を見ても、大人と話をしていても、同窓会に出ても、人は不思議と青春時代に戻っていくもの…

秋の一筆書き。

 行ったっきり戻ってこない一度きりの刻まれる時。往きがてら途中で振り返ると、時として記憶に残る顔に出会う。  それは、二度と交わることのない偶然の十字路。さり気なさの演出に朱の韻引いて、尾を引いて。  いく葉もの秋が落ちてくる中で、一葉が目にとまった。いつもなら、ふうん秋の景色ね、で通り過ぎてしまうのに、止められるみたいに歩みを止めた。 Photo by なおみ 「秋の木の葉」収録写真を借用してのコラージュ  今年の秋も、あと戻りのできない一筆書きで過ぎていく。その束

嗾けられてるの、わかるけど。

 今までさんざん放置してきたのに、選挙間近に嗾ける。投票終わればいつものように、漲る熱弁…

点と線も句読点。

点と線の人々が暮らす点と線の街。 点と線は、この世では概念でしか存在しないんだ。概念から…

暗雲の時代。

 人類は誰もが認める共通の神さまを創造する時がきた。 「あれ? とっくに崇められているん…

同期。

 私たちは、言葉じゃないところで深く通じ合っている。  難しいことはよくわからないけれど…

そんな、いきなり。

「だって、好きなんだもん」  ってな幸運に恵まれるのは稀なこと。 「キス」で思い出すのが…

奔放人への卑屈と羨望。

 人の目を気にせず生きるって、なんて素敵なんだろう。  はじかれず、陰口もシャットアウト…

美脚。

「君の後ろ姿、素敵」  いつものツンデレ、猫みたい。  甘え上手も猫さながら。  そばに寄ってくるくせに、自分からは飛び込んでこない。    健気に筋を通す待つ女。  そしてその美脚で誘ってくる。  そのハインド・レッグに僕は夢中。