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ひとりにひとつずつ原点がある。
親を見ても、大人と話をしていても、同窓会に出ても、人は不思議と青春時代に戻っていくものなんだね。
よその人ばかりじゃない。自分だってその仲間。
あの時のあの娘が、あの人が。
教師のひと言が。
学園祭で。
進路についての紆余曲折が。
仕事の合間にテンションをふっとほどいた時なんかもその先に、あの時の人が、言葉が、出来事が、さまよえる瓢箪島みたいに浮かんでる。
通過してきた過去の記録はもう息をしていないのに、血の通ったふりをして、ことあるごとに生きている者のように魂を誘う。
取り戻すことのできない繰り返されるだけの、胸を絞る『忘れな時』。
戻るべき時のために、人はおのおの、世界にひとつだけの原点を秘めている。
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