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秋、柿のメロディ。

 秋風の、短調ともつかぬ調べに乗って、軽く歩を繰り出す散歩道。

 そこに、善意が落ちていた。

 張り紙には「自由にお持ちください」とある。

 秋の風物詩。

 かつては旅人の道中、空腹をしのいだ道端の優しさ。現代は、特に都会の柿の木は、風の吹くまま実の落ちるまま、落ちて一掃されていくのが常だというのに、この粋な計らいときたもんだ。

 待てよ、これは渋柿か、ホテル気持ちに水をさすホントの真実鑑みて、ホタルじゃないけどこっちの柿は甘いのか?

 待てど暮らせど口にするまでコトの成り行きわかりゃせぬ。
 ただ、好奇心はあった。いちど干し柿つくってみたかった。

 そこで、固いところを4つばかりいただいて。

 剥いて、熱湯投入5秒ですくい、その後、ヘタの結目四苦八苦でどうにかやってのけて難題突破、どうにか形になったかな。

 さて、これから待つこと3週間。時の流れは期待の調べ。初挑戦の干し柿作りだったけど、都会のベランダで、じょうずに美味しく美しく、秋を奏でてちょうだいな。

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