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もういいよ。

「もういいかい?」と訊いたら「まあだだよ」。
 二度訊いて、三度尋ねてそのあとは、雪崩の如き連呼が初めて尽くしの白紙を埋め尽くし、間もなく2年が経とうというころ突然に「もういいよ」と、我慢を登るハシゴをスッと引かれたよ。

 意識するとしなざるとに関わらず我慢の壁頼って寄りかかっていたものだから、危うくずっこけるとこだった。

 これでいいの?
 すれ違いざまいろんな人に訊いてみたけど、みんな首をかしげるばかりで的を射ず、狐につままれたまま通勤電車に雪崩れ込み、夜のネオンで飲んで呑まれて。

 日常が戻ってきたのかしらん。
 悪夢は緊迫の幕を崩し、マスクという中骨を残していった。

 でも、決して安易に信じない。足下地中の奥深くで、今でもルーレットは回っているんだよ。



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