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アジア遊学 (No.59) 鬼とデーモン


アジア遊学 (No.59) 鬼とデーモン

 勉誠【べんせい】出版から出ているムック『アジア遊学』シリーズの59号です。
 「鬼とデーモン」の特集号です。

 日本には、古来、鬼【おに】と呼ばれる霊的存在がいますね。日本人なら、誰でも知っているでしょう。
 ところが、いざ、鬼について説明しようとすると、誰もが、はたと困るのではないでしょうか。

 日本のたくさんの民話や伝説に、鬼が登場します。それらの鬼は、多くが、極悪な存在として伝えられます。例えば、『桃太郎』の鬼は、悪者として、一方的に退治される存在ですね。
 けれども、中には、優しい鬼や、間抜けな鬼もいます。例えば、『瘤【こぶ】取り爺さん』の鬼は、踊りを見せてくれたお礼に、お爺さんの瘤を取ってくれます。

 はたして、鬼とは、いかなる存在でしょうか?
 鬼に当たるものは、日本以外の国にも、いるのでしょうか?

 本書では、これらの疑問に、ある程度、答えてくれています(^^)
 日本以外の鬼的な存在、デーモン、オーグル、ジン、スパヤ、サフラなどについても、紹介されています。南太平洋や、南米の鬼的存在については、日本では、情報自体が非常に少なく、ありがたい情報です。
 ヨーロッパのデーモンと日本の鬼との違い、中国の鬼【き】と日本の鬼【おに】との違いなども、興味深いです。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

序言 始原の神の悪魔性と善霊としての鬼
鬼とデーモン
異教のダイモンからキリスト教のデーモンへ
異人による聖戦としての竜蛇退治
 ――力の勇者ベーオウルフとソールを中心に――
デーモン
オーグル(鬼)の神話
鬼のウルガン
アラブ地域の魔物伝
中国の善鬼
 ――江南の仮面劇から――
三条【さんじょう】東洞院【ひがしのとういん】鬼殿【おにどの】の説話
 ――雷神による武人の蹴殺と怨霊の生成とをめぐって――
高千穂と阿蘇の伝説と祭りに見る鬼の正体
沖縄県伊江島【いえじま】の鬼の伝承
 ――鬼から龍への転換――
南太平洋のデーモン
 ――メラネシアの人食い鬼と鮫【さめ】――
南米・アイマラ世界の悪霊とススト

ブックレポート
 持続した政体考察への提言

連載
 渤海【ぼっかい】関連詩を読む 第六回
  古代文学の中の渤海国交易品
    ――「ふるきの皮衣」続編――

 保安族を訪ねて 第一回
   保安族と呼ばれる人々

 ファインダー越しのミャンマー 第一回
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