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魔女の薬草箱


魔女の薬草箱

 ドイツの薬草文化を紹介した本です。
 恐ろしげな題名ですが、怖い本ではありません。

 薬草と、魔女とには、切っても切れない関係があります。
 お伽話に登場する魔女は、怪しげな薬草の入った鍋を、かき回していたりしますよね?
 そのイメージは、あながち、嘘ではありません。

 魔女とは、本来は、「賢い女」と呼ばれた人たちでした。
 決して、邪悪な人ではありません。薬草の知識などを使って、人々の病気を治したり、お産の手伝いをしたりしていたのです。
 医療の発達していない時代には、とてもありがたい人たちでした。

 のちに、キリスト教が布教すると、「賢い女」たちは、魔女と呼ばれるようになってしまいました。
 キリスト教以前の古代の知識を、教会が恐れたからです。自分たち以外の人間が、知識を持って尊敬されるのが、許せなかったんでしょう。

 けれども、「賢い女」たちの薬草の知識は、連綿と生き続けました。
 弾圧の時代を過ぎて、現代は、再び、古来の知識が、見直されつつあります。

 本書では、ドイツ伝統の「賢い女」の薬草が、紹介されています。
 他に、魔女が使ったといわれる薬草のレシピなども、載っています。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

はじめに

第1章 魔女と薬草
 1 空飛ぶ軟膏【なんこう】
 2 魔女の軟膏
   レシピ1 ヒヨス/ドクニンジン/ドクムギ/トリカブト
   レシピ2 アサ/ケシ/ベラドンナ/チョウセンアサガオ
   レシピ3 イヌホオズキ/エニシダ/イヌサフラン/トウダイグサ/ヘレボルス/
         ゴマノハグサ/レタスとスベリヒユ

第2章 魔女と魔除け
 1 魔除け草
   ハナハッカとニガハッカ/カノコソウ/オトギリソウ/イラクサ/ハシバミ/
   ヤドリギ
 2 薬草を摘む曜日
   キクニガナ/ヒメハナワラビ/クマツヅラ/セイヨウヤマアイ/
   ヤネバンダイソウ/シダ

第3章 魔法の薬草
 1 薬草の魔力
   マンドラゴラ/ウイキョウ/モーリュ/魔法の杖
 2 媚薬
   相思相愛の薬・トリスタンとイゾルデ/恋をつなぎとめる薬・ドイツ伝説集/
   惚れ薬・夏の夜の夢/若返りの薬・ファウスト/愛の魔法

第4章 「賢い女」の薬草
 1 「賢い女」と魔女
 2 聖母マリアと薬草
   セイヨウハゴロモグサ
 3 アルテミスとヨモギ
   ヨモギ/セイヨウニンジンボク
 4 ヒルデガルト・フォン・ビンゲンと薬草
 5 薬草魔女
   セイヨウノコギリソウ
 6 性的癒しの薬草
   ヘンルーダ/イノンド/ワイルドレタス
 7 「賢い女」の薬草料理
   聖木曜日の緑野菜 コバノカキドオシ
   マイボーレ クルマバソウ

あとがき
引用および参考とした文献・図版一覧



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