お化け屋敷で科学する!
お化け屋敷と科学とは、まるで関係がなさそうですね。
でも、この本を読むと、関係があることがわかります(^^)
お化け屋敷とは、「恐怖を感じて楽しむ」ために行く場所ですね。この「恐怖」がポイントです。
この本は、「ヒトは、なぜ恐怖するのか?」について、説明しています。
恐怖とは、感情の一種ですね。感情をどこで感じているのかといえば、脳です。
この本では、主に、脳科学の視点から、恐怖というものに迫っています。
脳科学というと、難しそうに感じる方も多いでしょう。
大丈夫です。この本では、イラストを多用して、現代の脳科学の成果を、わかりやすくまとめています。
イラストページの合間には、脳科学や心理学などを専門にしている研究者さんたちへのインタビューがあります。
こちらは、専門の方のお話だけあって、濃いです。専門用語も出てきます。一般の方には、ちょっと難しいかも知れません。
けれども、脳科学に興味がある人にとっては、むしろ読みごたえがあって、楽しめるでしょう(^^)
難しい部分は飛ばして、後でゆっくり読んでも(あるいは、読まなくても)、大まかな内容は理解できます。
「脳科学には詳しくないけれど、ヒトの心の不思議に触れてみたい」人に、お勧めできる本です(^^)
第IV章では、趣向を変えて、いわゆる「心霊現象」に迫っています。
心霊写真が見える理由や、「こっくりさん」の秘密や、「背後霊」を感じる理由、「幽体離脱」が起きる理由が、説明されています。
これらの正体を知りたい方も、ぜひ、本書をお読み下さい。
これらの「心霊現象」は、「霊」を持ち出さなくても、脳の働きで、説明できるんですよ(^^)
以下に、本書の目次を書いておきますね。
はじめに
第 I 章 恐怖は脳で感じている
Part1 恐怖も生きる原動力
[インタビュー] 人間は人間が怖い お化け屋敷は鎮魂の場所
富山大学▲井ノ口 馨【いのくち かおる】
お化け屋敷のカフェテラス1 人間が本当に怖いと感じているのは人間?
Part2 恐怖と闘い、逃げる仕組み
Part3 二つの経路で恐怖に反応
[インタビュー] ヘビや視線に関係したさまざまなニューロン
富山大学▲西条 寿夫【にしじょう ひさお】
Part4 恐怖を抑えるのは難しい
Part5 怖いから逃げる? 逃げるから怖い?
Part6 恐怖を読み取る扁桃体【へんとうたい】
お化け屋敷のカフェテラス2 怖いときにもどうして鳥肌が立つのでしょうか?
第 II 章 恐怖心は遺伝する
Part1 人によって怖がり方が違うのはなぜ?
[インタビュー] 遺伝子改変マウスで心の病気の解明に挑む
藤田保健衛生大学▲宮川 剛【みやかわ つよし】
Part2 怖がりはお酒にも弱い?
Part3 ネズミが怖がるのは生まれつきでチュー
[インタビュー] ネコを怖がらないネズミ 恐怖の情動は先天的か?
大阪バイオサイエンス研究所▲小早川 高【こばやかわ こう】
/小早川 令子【こばやかわ れいこ】
第 III 章 恐怖の記憶の仕組み
Part1 理にかなっている? 中世の記憶術
[インタビュー] 記憶は柔軟に強められ、また書き換えられていく
東京農業大学▲喜田 聡【きだ さとし】
Part2 恐怖に効く栄養?
お化け屋敷のカフェテラス3 記憶を広く共有する人間の不思議な能力
Part3 恐怖の記憶だけを消せる?
Part4 書き換えも捏造もあり しなやかな記憶
お化け屋敷のカフェテラス4 海馬【かいば】という不思議な名前の由来は?
第 IV 章 お化けに迫る先端科学
Part1 心霊写真が見える理由
[インタビュー] 脳の右側奥には顔を認知する場所がある
生理学研究所▲柿木 隆介【かきぎ りゅうすけ】
Part2 こっくりさんのコインがひとりでに動く理由
[インタビュー] 人間同士の関係を強めるお化け屋敷
東京大学先端科学技術研究センター▲渡邊 克巳【わたなべ かつみ】
Part3 誰もいないのに気配を感じる理由
お化け屋敷のカフェテラス5 こっくりさんをするのには理由がある?
Part4 脳の電気刺激で現れる「背後霊」
Part5 「幽体離脱」も脳の働きの乱れが原因?
お化け屋敷のカフェテラス6 臨死体験も感覚の統合異常が原因?
第 V 章 お化け屋敷で科学する!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?