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自由詩、言葉

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2022年3月の記事一覧

お口を拭こうね

食事のとき

君の隣はいつも私だった

でも今は向かい合ってる

だって君はもう

自分でなんでも出来ちゃうから

また1つ 役割を終えた

嫉妬

花の影

枯れた蕾が

恨めしそうに

見つめてる

そんな顔も素敵だよ。

餞の言葉を君に

折れないように 心をしならせ 跳ね返す

濡れた地面に転がるホトケノザ
無邪気は時に罪なのか

地面に落ちた花びら それでもなお凛と咲く

洞調律

心臓、動いてるね。

洗濯機に手をかざしながら

君がつぶやいた

その手に 私の手を重ねる

確かに 力強く 拍動していた

魔法の杖

魔法の杖

メイクブラシを一振り

目元に春が咲いた

誰だって魔法使いになれる

妖精のしわざ

君の毛先に たまむすびが4つ

「小さいおっさん 捕まえ方」

で検索する朝

レール

他人が敷いたレールの上を

スキップしながら進む人生

神様が見てる

降車する人々を 押しのけて

我先にと 電車に乗り込む人

その手には 地獄行きの切符

こらっ。

足で戸棚を閉めるたび

ばあちゃんの顔を思い出す

アオハル

豪雨の中でぶどう狩りしたよね

途中でみんな我に返って

げらげら笑い合ったの

雨の日にやることじゃないだろって

馬鹿みたいなことしかしなかったね 私たち

久しぶりにやってみたいな

くだらなくて

馬鹿みたいで

最高に楽しいこと