オポ@創作

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いまさら自己紹介!

えー、こんにちは。恐らくちゃんと自己紹介を しておりませんでした ( 'ᵕ' ; ) 改めまして、オポと申します🙇‍♂️年齢は21歳(投稿時点)で、性別は心身ともに男性です。 好きな食べ物は……たくさんありますが、肉類全般大好きです! 好きなことは……写真を撮ること、歌うこと、書道、そして創作と、アニメ鑑賞です! ここ(note)では基本的に小説(?)を投稿していけたらなぁと思っています。 ……まぁ、既に投稿されていますが😅 ここまで読んで頂きありがとうございます😭

    • 【超短編小説】青い光の射す部屋

       暗い部屋。6畳の部屋。私以外、誰も居ない部屋。また夜を無駄に過ごしてしまった。また、過去のことを後悔して、気づけば時間が経っていた。  8月の終わり。夕暮れの短さに秋を実感する坂道。私は当時所属していた美術部の練習帰りで、軽音部の哲と並んで歩いていた。ガードレール側で自転車を引く君の隣で、ギュッと両手でカバンの取っ手を握る私。私たちは付き合っていて、もう1年は過ぎていたはずなのに、私はまだ君の前じゃ全然素直になれなかった。 「あのさ、俺」 嫌な予感だけは昔から的中する

      • 【超短編小説】夏の幻

         ……柔軟剤のほのかな香りを、夏風に靡かれる君のオーバーサイズの白の半袖から。真っ青なキャンバスに落書きされた入道雲が、感覚的に少し近くで夕立の準備をしている。何でもない夏の一日でも、隣から触れてくる君の感触だけで爽やかに、そして特別に感じられる。  もうすぐ終わる今年の夏休み。その31日に二人で公園で、禁止の立て看板なんて破って、ひぐらしの中で灯そうと、ささやかな火花をコンビニで買ったところ。ついでに買った分け合うタイプのラムネ味には汗が滲んで、涼しさを指先と手のひらで受け

        • 【毎週ショートショートnote】海のピ

           今日は海へ旅立った者たちが帰港する日だ。僕たちの集落ではこの日、町の小さな砂浜に長座体前屈のような姿勢を保ったまま、両手に持った線香を海に向かって掲げる。  夕凪の吐息が砂をサラサラと滑らせる。僕らは黙ったまま、さざ波の声を聞く。線香の揺らめく煙と香りが、だんだんと海の方へと流されていく。まもなく夜だ。  静まり返っていたこの場所の雰囲気はガラリと変わった。紺に滲んだ灰色は真横にたなびき、滑る砂はそのまま天へと運ばれた。座ったまま線香を海に差し出す僕らの口にも、ジャリジ

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        いまさら自己紹介!

          【超短編小説】帰り道のアナログ

           DX化真っただ中の職場を抜け出した小夜。名ばかりの弱小コンサルに嘘みたいな額を払うバカな上席を筆頭に、明らかな無駄を生む「作業効率化」をして、現在帰宅中である。  結局DXとか言いつつ、PDFを使うわけでも、メールを使うわけでもなく、書類は紙、メールではなくFAX。承認は印鑑以外で許されないという前時代的なやり口を変えるつもりがないのだから、弱小など関係なく、もはやコンサル自体うちには必要ないだろう。と、そんな愚痴を浮かべながら帰る道の暗さは、本日の残業時間に比例するように

          【超短編小説】帰り道のアナログ

          【毎週ショートショート】一方通行風呂

           僕は風呂場だ。僕は君の心の垢を言葉で洗い流して、僕の心に一方通行に流す。本物の風呂場みたいな一方通行。  君の醜い言葉の垢を、僕は必死に受け止める。 「そうだね笑」 「確かに……そうかも笑」 「それは大変だったね……」 「全然大丈夫だよ!」 「何でも言ってね!」 「いつでも話きくから」  いつも、君の素っ裸を見ているつもりだった。風呂場の特権で。ここでしか、君はそんな、醜い言葉は言わないだろう?  だからいつでも、何度でも、どんな言葉が流されようとも、僕の心に繋がる

          【毎週ショートショート】一方通行風呂

          新作です‼️よろしくお願いします‼️ 【超短編小説】音つむぐ|オポ@創作 #note #スキしてみて https://note.com/opo_sosaku01/n/n5a38af42aa9e

          新作です‼️よろしくお願いします‼️ 【超短編小説】音つむぐ|オポ@創作 #note #スキしてみて https://note.com/opo_sosaku01/n/n5a38af42aa9e

          【超短編小説】音つむぐ

           私が幼いころ、私の住む町にある唯一の駅には、誰かの家から引き取ったであろう中古のアップライトピアノが設置されていた。今考えれば、田舎の町に大層なグランドピアノを買うお金なんてなかったんだろう。  そんなちっぽけなピアノを、毎週土曜日の夕方に弾いていたお姉さんがいた。その人は、夕の優しい西日に輝くブラウンを肩まで下ろしていて、目を瞑って、静かに強く音を奏でていた。  私は彼女の近くまで行って、興味津々にその指先や彼女の表情に目を向けていた。すると彼女は私に気づいて、「弾い

          【超短編小説】音つむぐ

          【毎週ショートショートnote】天ぷら不眠

           160㎝、中肉中背、年収320万、実家暮らし、今年32歳。  友人は昇進だの結婚だの、俺にとって「普通の幸せ」は普通じゃないらしい。  それでいて、職場の上司は酷い。バカでかい水風船でも蓄えているのかって腹、前方からズルっといったハゲ頭。俺より10㎝ほど高い奴は日常的にパワハラをし、零細企業らしい距離感のデスクを利用して、隣の経理部の新卒ちゃんには毎日セクハラ三昧。  こんな快適とはかけ離れた職場でかれこれ10年働いていると、20代は無敵だった俺にも、さすがに魔の30代が

          【毎週ショートショートnote】天ぷら不眠

          【超短編小説】私の最近

           今日も小説を書こうと、パソコンに向かってこれ(note)を開く。真っ白なこの画面に、今も文字で絵を描いているわけだが、どうにも全くイメージを具現化できずにいる。  漠然と浮かぶ様々な事象や風景、キャラクターの動きをアウトプットする気力と体力が風前の灯火状態だ。熱量をもってしっかりと、短文でも書きたいと思う心に、頭脳と体力が追い付かない日々。  消えかかる炎を誰も助けてはくれない。常に静かで、陰鬱で、何もない独りの部屋でカタカタと文字を打ち込むだけだから。制作の進捗に対し

          【超短編小説】私の最近

          【超短編小説】ラブレター

           「こんな風に、紙に文字を書いて気持ちを伝えることは多分初めてですね。あなたとの出会いは数奇なもので、たまたまインターネットの海を漂流していた時、あなたもまた同じく漂流していましたね。  確か私がそのサービス上に流していた適当な質問をあなたが拾って、答えてくれた。だから、たったそれだけでやり取りは終わるものだと考えていました。だって、それまでもその質問を拾ってくださった方はそこそこいらっしゃったけれど、どの人も一言二言で終わってしまうんですもの。  けれど、あなたは違いま

          【超短編小説】ラブレター

          【毎週ショートショートnote】復習Tシャツ

           目を開けると、そこは扉も何もない真っ白な部屋だった。ふと右を見ると、真っ白なTシャツに短パンの男がいた。同様に左にも同じ格好の、今度は女がいた。 「あの……ここは」 女が不安がる。 「そんなの知らねぇよ!」 と、男が女に牙を剝く。すると突然、男は感電したように体を痙攣させ、その場に倒れてしまった。 「「えっ!」」 と、僕と女は声が出た。次の瞬間、男は何事もなかったかのように立ち上がり、僕を挟んで女に話しかけた。 「先ほどは大変なご無礼失礼いたしました。」 人

          【毎週ショートショートnote】復習Tシャツ

          【私論】運命の人とは

          人はよく、「運命の人だ」と言ったりする。しかし、運命であるとはっきり言えるのは死のみ。どう足掻こうと生まれた以上定められている、まさに運命(さだめ)である。 では、運命の人とはなんだ。死ぬ人なのか。ならば全員が運命の人でいいことになる。人間は必ず死ぬからだ。ところがどうやらそれは違うらしい。ここでいう「運命の人」とは、何やら恋愛的な、そういう要素を孕んだものを言うらしい。 最もその人自身が誰かのことを「運命の人です」と定義してしまえば、少なくともその瞬間は「運命の人」とそ

          【私論】運命の人とは

          【超短編小説】気にしてほしかったな。

           彼に送った最後の連絡から一週間が経った。未だにそのメッセージには「既読」の文字が現れていない。私は日夜気になって、来る日も来る日も彼のオンライン状態を確認する。自分でもわかっている。こんなのはストーカーだ。  今日もまた仕事が終わって、帰りの電車の中で彼とのメッセージを確認する。私が最後に送った文章、「23日って空いてるー? 駅前のカフェ一緒いこ!」に今日もまた、相も変わらず何の文字も付いていない。帰宅ラッシュの満員電車の中、ひとり落ち込むリアクションを押さえ込む。  

          【超短編小説】気にしてほしかったな。

          【ショートショート】日常

          僕らの日常なんてのは多分、世界ができた時にたまたま生まれた小さな隙間の物語だ。 欲と欲が絡み合って、それを結束だなんて恥さらしをする。どこまでいっても動物な僕らは、それでも「最も賢い」と意地を張る。嫌な病だと、ふと嗤える。 いつの間にか、檻の外側からものを見ている気になっていた僕らだから、これっぽっちの日常でも、それが全てだと思い込んでいる。それ以外の部分の方が遥かに広く、果てしなくとも、それを無視する神経だけは常に研ぎ澄ませている。 僕たちの見ているこの礫のような檻の内側は

          【ショートショート】日常