【連載小説】めっちゃ弱い竜として俺の生き方 Ep.1 白い鎧の勇者
【あらすじ】
星流山に住んでいる紫色の西洋竜であるナス君、めっちゃ弱いだから勇者との戦闘をできる限り避けてほしい。人間との対敵関係にいろいろ悩んでいる優しい子、彼の日常生活の物語である。
Ep.1 白い鎧の勇者
俺の名はナス、竜だ。肌は紫だからこんなふざけな名前をつけてくれた。故郷は星流町のそばにある星流山だ。オヤジは高齢だから引退を決め、俺が代わりに山主を後継いた。役割は莫大な金コインや黄金の宝蔵を守ることだ。
ある日、とある白い鎧の勇者が山を登り、ウチにたどり着いた。
【勇者】「おい!貴様は竜かい!」
【ナス】「はい、そうです。ナスと申します。」
【勇者】「オマエを倒すためにここに来たんだ!覚悟しろう!」
【ナス】「あの。。。一つ伺ってもよろしいでしょうか?」
【勇者】「えぇ、あぁ、まぁいいだろう」
【ナス】「なぜ俺を倒さなければいけないでしょうか」
【勇者】「え?なぜって」
【ナス】「はい、理由を教えていただけないでしょうか」
【勇者】「馬鹿やろ!理由なんかいるかい!勇者だから当たり前の話だ!」
【ナス】「勇者はあなたの職業でございますか?」
【勇者】「そうだ!立派な仕事だ!」
【ナス】「つまり、俺を倒して金をいただけることですよね」
【勇者】「まぁ、賞金のことならそうだ」
【ナス】「失礼ですけど、おいくらもらえるのでしょうか」
【勇者】「500コインぐらいかなぁ」
【ナス】「はい、承知しました。こちらはちょうど500コインでございます。お持ち帰りください」
【勇者】「え?これって俺にやる?」
【ナス】「はい。美味しい話でしょう。戦闘しなくても賞金いただけますよ。お互いに命を掛けなくても」
【勇者】「まぁ。。。そりゃそうだけど。。。本当にいいの?」
【ナス】「はい!どうぞ!ただし条件がついております」
【勇者】「なんだ」
【ナス】「このコインは我が竜の魔法に呪われたモノです。ぜったい自己用にしてください。他人に借りるとか、贈るとかはいけないです。そして、今日のこと誰にも話しないでください。そうしないと、痛い目にあう可能性が高いでしょう。ご理解のほどよろしくお願い申しあげます。」
【勇者】「じゃ。。。ローン返済は?」
【ナス】「はい、それは大丈夫です。」
【勇者】「わかった、約束してやる」
【ナス】「はい!どうもありがとうございます!お気をつけて帰りください~」
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