【連載小説】めっちゃ弱い竜として俺の生き方 Ep.2 黒い鎧の勇者
【あらすじ】
星流山に住んでいる紫色の西洋竜であるナス君、めっちゃ弱いだから勇者との戦闘をできる限り避けてほしい。人間との対敵関係にいろいろ悩んでいる優しい子、彼の日常生活の物語である。
Ep.2 黒い鎧の勇者
俺の名はナス、竜だ。ある日、とある黒い鎧勇者が山を登り、ウチにたどり着いた。
【勇者】「おい!貴様はナスか!」
【ナス】「はい、ナスです。どなたでしょうか」
【勇者】「勇者だ!金くれ!」
【ナス】「はい?」
【勇者】「話を聞いだぜ!ただで金もらえるなんか」
【ナス】「とちらさまに聞いたのでしょうか?」
【勇者】「友人だけど」
【ナス】「白い鎧の方ですか」
【勇者】「ああそうだ」
【ナス】「あの方、お元気ですか」
【勇者】「うん?つい最近死んだけど、なんだ」
【ナス】「事故死ですか」
【勇者】「まぁ、そうだ。だからなんだよ、早く金をくれ!さもないと倒すぞ!」
【ナス】「承知しました。おいくら欲しいですか」
【勇者】「1000コイン!」
【ナス】「承知しました。1000コインを用意します。しかし条件がついております。」
【勇者】「なんだ」
【ナス】「このコインは我が竜の魔法に呪われたモノです。ぜったい自己用にしてください。他人に借りるとか、贈るとかはいけないです。そして、今日のこと誰にも話しないでください。そうしないと、ご友人のような痛い目にあう可能性が高いでしょう。」
【勇者】「そうかい、だからあいつが死んだんだ。。。わかった、俺はあいつと違う、ちゃん約束を守る」
【ナス】「ご理解ありがとうございます。そして。。。」
【勇者】「まだあるかよ!」
【ナス】「はい、今回は100コインしかお持ち帰らないです。残り分は100コイン*9ヶ月のかたちで分割支払うことになります」
【勇者】「面倒くせいなぁ、月一回くるってことか」
【ナス】「はい、そうです」
【勇者】「はいはい、わかった。早くくれぇ!」
【ナス】「お待たせしました。100コインです。お気をつけてお帰りください」
ある程度予想ついたけど、あれ以来黒い鎧勇者は再び姿が現れてくれなかった。
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