【連載小説】めっちゃ弱い竜として俺の生き方 Ep.3 金持っているわけ
【あらすじ】
星流山に住んでいる紫色の西洋竜であるナス君、めっちゃ弱いだから勇者との戦闘をできる限り避けてほしい。人間との対敵関係にいろいろ悩んでいる優しい子、彼の日常生活の物語である。
Ep.3 金持っているわけ
俺の名はナス、竜だ。随分前から思ったんだけど、なんでウチはそんなにお金持なのか?新聞紙を読んでるオヤジに聞くと。
【父竜】「バーカ息子、一生懸命働いて稼いだんに決まってるだろう」
【ナス】「え~そんなに?」
【父竜】「そうだ。金はね、男竜の実力の証だぜ。お母じゃんめっちゃくちゃ愛にしてくれてるぜ」
【ナス】「いや、お父さん、いまのは危険発言だよ。今の時代なら女竜は男に負けてないよ」
【父竜】「ふん!どうでもいいや、お前こそそろそろ一人前になってちまえ!」
【ナス】「いや、俺は向いてないかも。。。」
【父竜】「なんだ?ニートするつもりか?」
【ナス】「いや、でも、人を殺して財産を奪うなんか。。。」
【父竜】「なにを遠慮してるか馬鹿やろ、人間は汚い生物だぞ、殺されるのは当たり前だ。お前やらなくてもあいつらお互いにしょっちゅう殺し合ってる、あほみたいだな」
【ナス】「いい人間もいるでしょう」
【父竜】「ないない」
【ナス】「証拠は?」
【父竜】「お前今踏んでるコインの半分はね、星流町の勇者ギルドからもらった」
【ナス】「え?ということ?」
【父竜】「いいかい、勇者ギルドにはね、俺ら竜という存在は必要なんだ。俺らがいないと、ギルドの商売だいぶ減るぞ」
【ナス】「っていうことは。。。?」
【父竜】「まだわかってないかバカ息子、我らが村を破壊しないと、募金して村を再建する発注はねぇだろう。人や畜を殺しないと、金出して竜を倒せ任務もねぇだろう」
【ナス】「つまり勇者ギルドと闇の契約を結んだわけ?!」
【父竜】「そうだ」
【ナス】「めっちゃくちゃ汚いじゃないか」
【父竜】「だからつっただろう」
【ナス】「我が竜も汚いじゃないか!」
【父竜】「なにバーカのことを。我らはただ天性に従ってるだけだ。唯一の食うだ。お前ジャガイモを植えられるか?ヤギを育てられるか」
【ナス】「それにしても。。。」
【父竜】「いいからこの話はここまでだ。早くお茶を淹れてくれ!」
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