【連載小説】めっちゃ弱い竜として俺の生き方 Ep.8 タバコをやめろう
【あらすじ】
星流山に住んでいる紫色の西洋竜であるナス君、めっちゃ弱いだから勇者との戦闘をできる限り避けてほしい。人間との対敵関係にいろいろ悩んでいる優しい子、彼の日常生活の物語である。
Ep.8 タバコやめろう
俺の名はナス、竜だ。最近オヤジは咳がひどくなり、いつも辛いそうに見える。ある日、おふくろが晩御飯を用意しているところにオヤジに声かけた。
【母竜】「ね、お父さん、ちょっといい?」
【父竜】「なに?」
【母竜】「火加減はたりってないわ、手伝って」
【父竜】「のどの調子はあんまり、噴火できないだ。ナスに頼んで」
【母竜】「そんなにひどい?病院行ったら?」
【父竜】「いいよ別に、どうせ二、三日でなおるから」
【母竜】「フン。。。ナス~!」
【ナス】「はい~どうした?」
【母竜】「火加減がたりってないから、鍋に火をつけて。強火3分ぐらいでいいの、焦げないように気を付けてね」
【ナス】「お!了解!」
【父竜】「ゴホン、ゴホン。ねー、お母さん、龍角散まだある?ゴホン」
【母竜】「うん、あとすこしなくなるわ。使い切り前に龍ちゃんに頼まなきゃ。忘れないうちにメモ~メモ~」
【ナス】「龍ちゃん?」
【母竜】「うん、お父さんの昔の知り合い。我々と科は一緒だけと、種は違う。中国龍だ。」
【ナス】「へぇ~見た目も違うの?」
【母竜】「うん、ちょっとね。細いタイプ。そうだね、ナスとあったことがない」
【父竜】「母さん、茶葉も、メモに。。。ゴホン!」
【母竜】「はいはい、烏龍茶?」
【父竜】「ゴホン!(頷いてる)」
【ナス】「お父さん、そろそろタバコをやめたら?」
【父竜】「何十年も吸っててそう簡単にやめるか」
【ナス】「なにが楽しんだ、タバコは。臭いし」
【父竜】「ゴホン!職場に飛んでる途中タバコ同士吸いながら缶コーヒー飲みながら会長の悪口しながらのは定番だった。こうでなくちゃやる気が出ないぞ、おまえみたいな小僧にはわからんなぁ。昔龍ちゃんからもらった中南海っていう柄めっちゃ美味しかったなぁ、ゴホン!」
【ナス】「飛んでいる途中?ポイ捨てになるじゃ、危ないよそんなの、森に火をつけたらどうしよう」
【父竜】「どうしようもない、昔は平気だ。ゴホン!」
【ナス】「定年でタバコ同士もいないから、健康のために減ったら?」
【父竜】「うるさい!唯一の道楽だ今は。ゴホン!チっ、最近ますます厳しくなったな、新幹線までやられた」
【ナス】「加熱式に切り替えたら?」
【父竜】「物足りないだ」
【母竜】「諦めようナス、説得できるわけがない、頑固だから」
【ナス】「今調べると、一生タバコを吸い続けたとしたら、タバコ代約1000万円、そのうち約620万円は税金らしい。ほぼ税金じゃないか、もったいないなぁ」
【父竜】「ウソやろ?!ゴホン!」
【ナス】「ケチのくせに計算していないだ」
【母竜】「ほら!ナス、携帯やめて、焦げた!」
【ナス】「あっ!」
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