小野澤優大

新潟生まれ福岡在住/アングラ育ちのライターです。

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最近の記事

名が付く前から俺は俺で、診断が付く前から俺は病気だっただけという話

1/27(土)に診断が下りた。うつ病とのことだったけれど、個人的にはどう考えても双極性障害だと思う。昔から躁鬱が激しかった。今になって、身体が限界を迎えたから病院に行っただけのこと。 名前が付く前から俺が俺であるように、俺は診断を受ける前から病気だったような気がする。学生の頃は環境も環境だったから、俺を病院に連れていってくれる人は一人も居なかった。周りがみんな不健康だったからだろう。目の前にいる人が不健康だと気付けるのは健康な人だけだ。健康な人に囲まれることこそ一番の健康の

    • 嘘を嘘であると見抜ける人でないと嘘に気づけないだけ、という話

       ピンとくる人にはピンときて、ピンとこない人にはピンとこない感覚の話をしたい。  ChatGPTは嘘をつく、と言う言説を市井でも耳にするようになったが、僕はいつもその言葉に首を傾げてしまう。  なぜなら、そんな先端技術の賜物に文句を言う前に、古来より存在する僕らの「自我」のほうがよほどたくさん嘘をついているのだから。 世界にはあなた以外にも人間が生きているということ まず、世界には本当にたくさんの人間が生きていて、人の数だけ脳があり、思考があり、自我があり、こころがある。そ

      • 「存在する」という檻。Angel Beats!という哲学。無限に続くこの粘土細工の捉え方。

        アニメ「Angel Beats!」を観たのは中学2年生。ヤンキーの友達が「面白いよこれ」って勧めてくれたのがきっかけだった。 まだアマプラもネトフリもない時代、友人のパソコンにDVDを入れて、全話見た。あのとき、アニメに全く興味を持っていなかったあの夜、友人の勧めに乗ったのは本当に大正解だった。 もしあの夜の記憶を通らず今の歳まで生きていたとしたら、私の人生は間違いなく今よりもっと生きづらく、味気ないものになっていたと思う。 Angel Beats!というアニメは、もはや

        • 人は意志で運命を超えられる生き物なのか、という話

          本当の意味で、”自分がしたいこと”を分かっている人はどれくらいいるのだろう。 生きていれば(特に最近は)数々の刺激や情報に触れなければならない。もはや選択的に情報に触れに行くほうが難しくなった現代社会において、望む情報に望むタイミングで触れられる機会は、ほとんど無いに等しい。 僕らが情報に対面するたいていのシーンは、GoogleやTwitterの賢い方々が作り上げたアルゴリズムに操作されて作られた、言うなれば「機械仕掛けの偶然」だ。 そんな情報まみれの時代を生きながら、自

        名が付く前から俺は俺で、診断が付く前から俺は病気だっただけという話

          このプロジェクトの本質は「支援」じゃなく「未来の共有」だと思う

          風が吹いても吹かなくても飛ぶような小さな会社を経営している。 http://breakroomgk.com/ 合同会社BreakRoomは2021年の8月に創業したスタートアップ。信用も資金力もないけれど、言い換えれば夢がある、と言わせてほしい。 大金持ちになりたくないけど会社を作った理由 会社を立ち上げた理由はいくつかあるけど、一番大きな理由は「世の中の生きづらさを解消したい」という欲求を実現するのに、会社や事業という体を取るのが一番分かりやすかったからだ。 僕は世

          このプロジェクトの本質は「支援」じゃなく「未来の共有」だと思う

          たったひとりも救えない僕の話

          僕には高校時代からの親友がいる。ヘタレで不器用で優しくて、数少ない大切な人間の一人だ。彼は僕の家庭環境にも理解があった。仲良くなってから知ったけれど、彼も彼で大変な家庭で育っているからか、僕も彼も人の顔色を見るのが得意だった。 なんとなく、その匂いを嗅ぎ取ったのだろう、大して話もしていないのに、僕と彼はすぐに仲良くなった。 妙なシンパシーを感じ合っていた僕と彼は、なんの生産性もない時間をともにした。高校が休みの日にはよくサイゼリヤで10時間くらい駄弁っていたし、フリータイ

          たったひとりも救えない僕の話

          閾値を超えた刺激は感覚をバグらせる、という話

          毎日美味しい焼き肉を食べていると、その焼き肉の味に慣れてしまい、感動が薄れるという。「味」という刺激は変わらずそこにあるのに。 人間には、刺激を受け取ったあとの「反応」に慣れが生じる機能がある。これは脳が日々の処理を楽にするための効率化の一つで、まぁ、「いちいち反応しなくてええやろ」と思うほどに繰り返された刺激には、人はさほど反応を返さなくなる。 思うにこの機能は、人が人としての限界を超えるために備わっているような気もする。ただ、これはあくまで僕が生きるうえで必要だった一

          閾値を超えた刺激は感覚をバグらせる、という話

          消せない炎を見たことはあるか、という話

          厨二心を忘れた瞬間、人は死ぬ。たとえどんな環境にいようと、何を目にして生きてこようと、誰だって絶えず燃えている炎がある。人はそれを夢だとか志だとか、目標だとか、そういう分かりやすい言葉に変換して使う。けれど本質は、ただの莫大なエネルギー、僕にはそれが炎に見える。 バカげた妄想と人に笑われる類のものかもしれないし、冷静な夜には自分のことを殺したくなるくらい恥ずかしくなるかもしれない。それでも、自他から浴びせられる叱責や羞恥の風雨に晒されてもなお、それらを糧にしてさらに燃え上が

          消せない炎を見たことはあるか、という話

          経営者なのに経営者と話が合わなすぎる件について

          NOと言いたいことばかり、日常に蔓延っている。言い換えれば、言えなかったNOが自分の内側に山積みになって、何にYESと言いたかったのかすら、見えなくなっている。 まっとうに生きられないから、法に触れず、人に迷惑をかけずに生きていくにはこれしかないから、事業をやって生きていくと決めただけ。 だというのに、僕は気づかぬうちに大きな力の奔流に飲まれ、揉まれ、疲弊している。 金にならないことをしたい。金になる事業に興味がない。そんな人間が事業をやったって、会社をやったって、別にい

          経営者なのに経営者と話が合わなすぎる件について

          何者にもなれない僕らへ

          劣等感を刺激してくる人間からは距離を取れよ自意識とプライド、自己否定と自己愛の狭間に立って、僕らは息も絶え絶えになりながら生存している。周りと自分を比べ、自分の劣等感を隠すように他者を見下し、自分を肯定するために他者を否定する。 とくに、平成後期から令和にかけて、そういう苦しみを抱えた若者が増えた気がする。インフルエンサーやら、何の事業で会社を興したのかも分からない芸人みたいな社長やらが、とかく若者の無力感を煽っては「特別になること」「優れること」の魅力を語る。毎月カツカツ

          何者にもなれない僕らへ

          創業から1年経ったし振り返ろうと思ったら過去の自分に煽られてお金の哲学に行きついた

          4年くらい自営業として生き抜いてしまったワ合同会社BreakRoomという会社をやっている。融資も受け(られ)ず、出資も受け(られ)ず、結局無借金のまま創業から一年が過ぎた。 もともと、フリーランスでライター業を始めたのが2018年だから、自営業になってから実に4年の月日が経過した。もう5年目になるし、僕も25歳から26歳になる。紛うことなき立派なおっさんである。 おっさんになったらやりたかったことがある。「過去を振り返ること」だ。小洒落たバーでウイスキーグラスをからんか

          創業から1年経ったし振り返ろうと思ったら過去の自分に煽られてお金の哲学に行きついた

          この国の人間は、いっぺん携帯をぶっ壊してみるべきだ

          軒先で猫の死骸を見つけたり、取引先に怒られたり、大切な友人に傷付く言葉を吐かれたり。散々な一ヶ月を労うためにも、僕は今日、湯船にお湯を張った。 誰かが「風呂は人間が唯一重力から解放される時間」と評したけれど、本当にそうだと思う。その言葉を聞いた当時の僕は、知恵の輪くらい性根がねじ曲がっていたから「プールもそうじゃね?」なんて横槍を入れていたけれど、今はそんなくだらない事はどうでもいいほどにお風呂が好きだ。 入浴剤を入れて、スマホでウマ娘のストーリーを見ながら湯船に浸かると

          この国の人間は、いっぺん携帯をぶっ壊してみるべきだ