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#建築 記事まとめ

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建築系の記事を収集してまとめるマガジン。主にハッシュタグ #建築 のついた記事などをチェックしています。
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#デザイン

フランク・オー・ゲーリーのマネジメント論

こんにちは。santas代表の宮崎です。 今回は、ハーバード・ビジネス・レビュー2023年7月号に掲載された『建築家フランク・ゲーリーのプロジェクトマネジメント』を拝読して、建築業界に限らず、様々な分野で応用できそうな内容でしたので紹介します。 フランク・オー・ゲーリーとは? フランク・オー・ゲーリーとは、カナダ出身の建築家で、現在はロサンゼルスを拠点にして世界中で活躍する建築家です。彼の作品は波型鉄板や金網、合板などの工業用素材を使って、複雑で独創的な形態を表現すること

形態分析④:ラファエロの〈手法〉とマニエリスムの夜明け

0. 後期ルネサンスとマニエリスムまた長らくこの形態分析シリーズから遠ざかってしまったが、いよいよ今回から後期ルネサンスにおける「マニエリスム」という現代建築を考える上でもとても重要な様式の分析に入っていく。今回は盛期ルネサンスから後期ルネサンスへの移行を考える上でとても重要な画家・建築家、ラファエロに焦点を当てるが、その前にマニエリスムという様式の簡単な概説と、その土台となるこれまでの分析の総括をしておきたい。 マニエリスムとはイタリア語で「手法」を意味する「マニエラ」を

最高に美しい外観をつくるために、北欧の巨匠が一番大切にしたこと【アルヴァ・アアルト『カレ邸』から考える、くらしのヒント】

こんにちは。 突然ですがサムネイルのイラスト、とてもワクワクしませんか。今回のnoteでご紹介するのは、北欧建築家の巨匠アルヴァ・アアルト設計の『カレ邸』の外観についてです。 ルイカレ邸の外観はアアルトの設計した住宅の中でも一際美しいと思っています。その外観はなぜこれほどまでに美しく感じられるのか。また、アアルトはどのように考えてこの外観を形づくっていったのか。皆さんと一緒に考えていきたいと思います。 もちろん「綺麗だなぁ」と楽しんでいただくだけでも嬉しいです! それでは

Design&Art|デザインの眺め 〈06.美しきアアルト建築〉

アアルト大学でデザインを学ぶため、2年間のフィンランド生活を経験した優さん。帰国後もデザインリサーチャーとして、さらに活躍の場を広げています。「デザインの眺め」では、フィンランドのデザイン・建築についてさまざまな切り口で語っていただきます。今回のテーマは、20世紀を代表する建築家・デザイナーのアルヴァ・アアルトが手掛けた建築について。数々の現地写真とともにお届けします。 大きな四角い窓から入り込む、優しい光と一面の緑。水平方向に伸びる迷いのない直線と、反復される木材の垂直線

洗濯機はどこに置くのでしょうか? 2021年版

無印良品は、暮らしの変化に呼応して、室内空間を編集できるように、家全体を「一室空間」として、固定された壁で家を仕切ってしまうことをなるべく避けたい=「脱・間取り」を提唱しています。 しかし、日々の暮らしのルーティーンに深く関わり、家事動線にも大きく影響する水まわり(キッチンや浴室・化粧室、トイレなど)は機能上固定せざるをえないので、その配置は慎重に検討する必要があります。 そこで、この水まわりを含めた、自分の家での日常の行動がどこで何を使って行われるかを整理してみました。

フィンランドデザインの質の高さは「工業」と「アート」の往復運動から生まれる 〜アアルトとカイフランクのデザインアプローチ〜

みなさんこんにちは! 暑い日が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか? 今回の北欧デザインコラムでは、フィンランドデザインのクオリティの源泉を、アルヴァ・アアルトとカイ・フランクの二人の名デザイナーの事例を引きながら「工業」と「アート」という二つの視点から紐解いてみたいと思います。 1.アアルトのデザインにおける「遊び」の役割先日、世田谷美術館で開催されていたアルヴァ・アアルト展に行ったときのこと。最後のブースにアアルトが描いた「絵画」が展示されていました。アアルトと言

自分の時間を生きる。建築家が豊かに暮らすコツ

僕は「時間」に対して真剣に向き合っているつもりだ。 日々、周りの建築家・デザイナーたちを見ていると、時間の捉え方を曖昧にしているなと感じている。おそらくこれは他の仕事をしている人にも共通していると思う。 世の中に唯一平等なものがあるとしたら、それは「時間」だ。立場や世代、年収や知識に関係なく「時間」だけは平等である。 にも関わらず、「時間」の扱い方が雑な人が多い。そもそも「時間」を自身でコントロールしようとする意識が希薄な気がする。特に日本人は。 当たり前だが、僕の2

Andrew Kovacs Studio: week_4

前回のエスキスでは、今回までにやることは明示されなかったが、個人的には銀座で案を発展させていくのが良いというアドバイスを受けていたので、銀座のファサードとパブリックアート、歩行者天国あたりのことを考えながら模型を製作した。 前回同様、エスキスの前にレクチャーがあった。今回はなんと、De-Architectureの著者であるJames Winesがレクチャーをしてくれた。その後にAndrewとJamesがエスキスという形。今回も贅沢な回である。James Winesは建築家で

「こだわりの提案」と「安心でお手軽」の両立|WEB住宅提案の最前線

「理想のデザイナーズハウスを叶える」という新しい住宅商品サービスが、4月29日に発売されました。その商品名は「Cleverly D'ees」。販売元は全国160店舗を超えるフランチャイズを展開する注文住宅ブランド「クレバリーホーム」です。 WEBシミュレーションを介してライフスタイルに関する質問に答えると、希望に沿った3つのデザインが提示される。しかも、そのデザインは3人の建築家が設計したもの。一体どんな内容なのでしょうか。そして、「建築家による設計」と「簡単な質問に答える

温熱環境を改善した団地のスターハウスのリノベーション

今回も、MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトから、新プランをご紹介します。大阪府枚方市にある香里団地では、MUJI×UR Plan59「温熱環境を改善した一室空間の自由な間取り」、MUJI×UR Plan60「温熱環境を改善した一室空間とアイランドキッチン」が実現しました。この2プランはスターハウスで実現しています。 一般的な団地は、5階建ての板状でシンプルなかたちの建物が、広い敷地に整然と並列に並べられていることが多く、これは陽当たりや風通し、住戸数を効率的に確保

二拠点居住・移住という暮らし方を考える

暮らしが大きく変化するなかで、テレワークや在宅勤務が多くなり、街や電車、近所の公園などの風景にも変化を感じるようになりました。コロナ禍の影響により、住まいや働き方に対する考え方が変わった方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そのようななか、無印良品でも家具や「無印良品の小屋」、リフォームや家づくりなどのサービスを通じて、二拠点居住や移住を検討している方からのご相談も増えてきていると感じます。 休日は、家族と近所の山や海で過ごす。平日も大自然のなかで仕事をする。近所のおじい

ワークスペースに対応した新プラン登場

2012年に大阪でスタートしたMUJI×UR団地リノベーションプロジェクトは9年目を迎え、今年は首都圏・関西・九州で合計4団地の新しい団地が登場し、11の新プランが加わりました。 合計で全国51団地・67プランの展開となり、2021年1月下旬から入居の申込受付が開始されます(一部団地を除く)。 MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトは、団地の良さを見直し、優れた部分を上手に生かしながら、そこに無印良品が積み重ねてきた知恵や工夫をそっと掛け合わせて、これまでにない賃貸住

椅子のお話。

建築設計を行っていると当然、家具などのインテリアについても興味がでます。大学でもインテリアデザインという講義で、名作椅子などについて触れた記憶があります。家具やインテリアに興味があって、そこから建築設計の道に入っていく人も多いと思います。 有名建築家が家具デザインをすることも多く、特に椅子をデザインすることが多いように感じます。空間に留まるためのものであることや休息を目的としたもので、最も身体的スケールが求められる家具だからでしょうか、、、 名作椅子のオリジナルは、高価な

with/after コロナ時代の建築・都市〜2020年度グッドデザイン賞 審査ユニット17(公共建築・土木・景観)審査の視点 レポート

グッドデザイン賞では、毎年その年の審査について各審査ユニットごとに担当審査委員からお話する「審査の視点レポート」を公開しています。グッドデザイン賞では今年、カテゴリーごとに20の審査ユニットに分かれて審査を行いました。審査の視点レポートでは、そのカテゴリーにおける受賞デザインの背景やストーリーを読み解きながら、各ユニットの「評価のポイント」や「今年の潮流」について担当審査委員にお話しいただきます。 本記事では、審査ユニット17(公共建築・土木・景観)の審査の視点のダイジェスト