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#建築 記事まとめ

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建築系の記事を収集してまとめるマガジン。主にハッシュタグ #建築 のついた記事などをチェックしています。
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2020年5月の記事一覧

第4話|工事の前と後|三木佐藤アーキ

家をつくる。凄いことだと思う。まず、これが、ここから、イメージできることがすごい。ゼロから、よりも気持ちのハードルが高いと思う。素人は、家の中に雪がなだれこんでいたら、なかなか、よし買いだ!とは、なれない。家っていうか廃墟…となって、くじけてしまいそう。 それがこうなる。信じられないと思う。 せっかくたくさん写真をもらったので、つくり途中もたくさん載せることにした。空き家をみる目が変わって、住まい選びの可能性が広がると思う。途中を知っていることも、大事なことだ。 もとの

"Tri Stacking Stool"のリファレンス

2017年に作った最小限の3面だけで構成されたスタッキングスツールとトロリーです。これをデザインする際に参考にしていた資料の一部を公開します。ちょうど先週事務所用にもいくつか作ってみました。 トロリーはホームランボールを飾る3本脚のバットのような構造になっていて、ネフ社のおもちゃのようにスツールを彫刻的にスタックすることができます。今までひっくり返すしてスタックするトロリータイプと、ひっくり返さないスタック方式の2種類をデザインしています。元々、僕たちの事務所happa

コロナ後の住居?地域コミュニティ?公共空間?商業空間?(商店建築連載の雑記①)

商店建築という雑誌で、5月から連載を始めた。 「商業空間の公共性」をテーマに、様々な人にインタビューをしつつ、実際の空間の分析を行う企画で、1年間実施する予定だ。 ※商店建築2020年5月号p256-257掲載 企画内容に連動して、毎月noteでもテキストを書くことにした。 シンプルにすることを意識した雑誌紙面に対して、noteのテキストはその後日談・雑記にあたる。 合わせて読んでもらえると、より面白いと思う。 01. 修正を迫られる商業空間当然だけど、商業空間は経済原

聖ベネディクト教会(ピーター・ズントー)/スイス

<2001年6月11日 訪問> 聖ベネディクト教会は、アルプスの山々に囲まれたスイスの小さな村、スンヴィッツにありました。 設計したのはスイス出身のピーター・ズントーという建築家。 ここを訪れたのは、2001年に行ったヨーロッパのモダン建築を巡る企画ツアー。 そんなことでもないと、ぜったいに行かない場所。 でも、そんなことでもないと行かない場所には、やっぱりそんなことでもないとできない体験が待っているわけで。 まるで「アルプスの少女ハイジ」がでてきそうな村には、や

"FRUIT BOWL"のリファレンス 2

"FRUIT BOWL"というZINEを作っていたのとき参考や影響を受けた本や作品の紹介第2段。1回目はこちらです。 Atelier HOKO / Science of the Secondary シリーズ「Science of the Secondary (取るに足らない科学)」というシンガポールのデザインスタジオ、Atelier HOKOが発行しているZINE。日常のとるに足らないものやことを大真面目に「観察」しまくったブックレット。今シリーズ10まで出ているようですね

d&department aichi by kenmei nagaoka 7    「距離」と「時間」

家主さま 2020年3月にお邪魔させて頂いてから、早2ヶ月が経ちました。 新型コロナウイルスの感染拡大は、 あの頃には、これほどひどく広がるとは夢にも思っておりませんでしたので、 家主さまご家族のご体調など、とても心配しています。私は東京を離れ、静岡の自宅で過ごしています。ここはほとんど人とも会わない山の中です。 感染の恐れは、ほぼゼロですので、落ち着きまして御目にかかる際など、 ご安心ください。とは言え油断禁物です。注意して過ごします。 さて、建物をお借りする件ですが、

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17・リモート設営

長坂常さん率いるスキーマから建築引き渡しが行われ、いよいよ商品や家具などが建物の中に設営されていきます。 dをやっていていつも、この工程が一番楽しく、この設営を楽しみにプロジェクトを進めてきました。 現場で微妙な場所、位置を決め、多くのUSED家具を一つ一つ、自分の手と目で場所を決めていく。置いては眺め、変えては、休憩し、昼夜問わずあっちに動かしたりこっちに動かしたり・・・・・・。 まさにグラフィックデザインのレイアウトと同じであり、この配置の妙こそ、dの個性の一つだと思っ

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建築事務所のいろいろ_働く場のデザイン2

ちょうど一年前「建築事務所のいろいろ_働く場のデザイン」の中で、働く場のデザインが変わりつつある、と書いたが、今コロナ禍の影響で全業種と言わないまでも、確実にその概念が変わろうとしている。それも今までとは違った方向に。 私たちは気付いてしまったのだ。「テレワークでも仕事ができる。」と。 例えばグーグル。グーグルはいち早くテレワークを開始。そして今年いっぱいは出社しなくてOKという通達を出した。きっと思った以上にテレワークがスムーズに出来ているだけではなく、毎日1時間多い人で

ウィーンもドナウ河も一望に見渡せる、オーストリア一高い「ドナウタワー」

ウィーンの中心シュテファン大聖堂から地下鉄で10分、国連都市のすぐそばに、ドナウパークと言う大きな公園が広がっています。その真ん中に聳え立つのが、ウィーンのランドマークの一つとも言える「ドナウタワー」。 オーストリア一高い建物でもある252メートルのドナウタワーは、高速エレベーターで一気に上がることができ、展望台からはウィーン市街だけでなく、ドナウ河、ウィーンの森、国連都市など、ウィーンにまつわる全てを一望することができます。 ドナウタワーからドナウ川とウィーン旧市街を眼

建築の2つのスペシフィックさ(TOTOギャラリー・間 「増田信吾+大坪克亘展 それは本当に必要か。」評)

TOTOギャラリー・間 「増田信吾+大坪克亘展 それは本当に必要か。」の3階展示室には、ほぼ白色に統一された大きな模型が台座なしで点在していた。この佇まいは、ドナルド・ジャッドなどのミニマリズムの作家による立体作品展示の風景を呼び起こさせる。この直感は何を意味しているだろうか。 本評ではまず本展覧会での模型表現の意図をミニマリズムの表現意図と類推することで解き明かし、その上で、彼らの建築作品自体の意味するところへと論を進めていく。 その論の途中、「スペシフィック」という言葉の

書評 | Janie Cohen編 "ARCHITECTURAL IMPROVISATION -A History of Vermont's Design/Build Movement 1964-1977-" (評者邦題:『建築的即興 ヴァーモントデザインビルド運動の歴史 1964-1977』)

デザインビルドとDesign-Build評者 谷繁玲央 (@rosenstern037) (書評を読む前に下記の2つの記事で使われている図版を目を通していただくとイメージがしやすいと思います。) デザインビルドとDesign-Build  TOKYO2020は2021年に延期されました。もしあと一年工期に余裕があれば、新国立競技場のあり方も変わったことでしょう。数々のオリンピック施設を短工期で建設する必要があったことを契機として、日本でも「デザインビルド(*1)」が再

「喫茶ランドリー」はやっぱりヤバい?コロナで来客3名!?になっても開け続けたら…地域に開くってそういうことだよ、と教わりました。

2018年1月5日にグランドオープンした「喫茶ランドリー」は、おかげさまで2年が経ち、3年目に突入しました。当時オープンしてまもなく書いた下の記事は、この2年間ずっと毎日誰かしかが読んでくださり、また、この記事をきかっけに全国各地からも来店してくださる方が絶えないので、本当に嬉しい限りです。 そして、ここをきっかけに喫茶ランドリーをつくり、運営しているグランドレベルという会社には、住宅や団地、マンションやスポーツジム、オフィスに市役所、広場や歩道など、さまざまな1階に人のい

第12章 ふたつのフィクション──青森県立美術館 立石遼太郎

時間が何か奇妙な物に思える時。ここには隠された物、外から見ることはできるがその中をのぞきこむことのできないものがある、という考えに何にもまして強く誘われる。しかし、そんなものがあるわけではない。我々が知りたいのは時間についての新事実なのではない。[そして]我々の問題となる事実は全部あけっぴろげに[目の前に]あるのだ。我々を煙に巻くのは名詞[時間]の神秘的な使われ方なのである。 ルートウィヒ・ウィトゲンシュタイン『青色本』大森荘厳訳、筑摩書房、2010 *太字は原著で傍点 0

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カズ・ヨネダ─せんだいメディアテーク/Santa Caterina Market/Tate Modern

カズ・ヨネダ|Bureau 0–1 (東京都) *** 世界は素晴らしい建築に溢れています。その中から現代建築三作を選択することは甚だ難儀なこと。 考え出したらキリがないので、まずひとつの判断基準としてパラダイムシフトが起きた1995年以降の作品を対象としました。 ウィズ・コロナの時代に、建築や都市への見方が変わるかも知れませんが、普遍的な美・強さ・価値もあると考えたい。 ふたつ目の判断基準として、この時期にあえて公共性の高い空間や施設を取り上げました。在宅勤務やステイホ