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建築事務所のいろいろ_働く場のデザイン2

ちょうど一年前「建築事務所のいろいろ_働く場のデザイン」の中で、働く場のデザインが変わりつつある、と書いたが、今コロナ禍の影響で全業種と言わないまでも、確実にその概念が変わろうとしている。それも今までとは違った方向に。

私たちは気付いてしまったのだ。「テレワークでも仕事ができる。」と。
例えばグーグル。グーグルはいち早くテレワークを開始。そして今年いっぱいは出社しなくてOKという通達を出した。きっと思った以上にテレワークがスムーズに出来ているだけではなく、毎日1時間多い人では3時間の通勤から解放された社員のフィードバックもあったのだろう。
郊外に家族と住みマンハッタンの建築事務所で働く友人も、以前は子供と過ごす時間をもっと増やしたいと転職を考えていたが、今はこの状況でしばらくそうしなくても良さそうだと言っていた。
BIGでも、突然のシャットダウンにも関わらずその数日後には所員全員が家から仕事ができる環境が整った。ビアルケもこんなにテレワークがスムーズにいったのには驚いたそうだ。もちろんオンオフの切り替えがうまくいかずついつい働きすぎてしまうなど、改善しなくてはいけない課題はたくさんあるけれど、今のところプロジェクトの進行自体は可能なコミュニケーションツールを使ってうまく行っているようだ。最近社内で実施したアンケートに「このまま永久にテレワークでもいいか?」という質問があり、約1/3の所員がYESと答えたのには私も驚いた。
BIGやグーグルを含め、今多くの企業が「働く場、そしてスタイルとはいったいどうありえるか」を模索しているはずだ。(写真下:4事務所全体会議でこれからの在り方を語るビアルケ。)

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新型コロナウイルスは確かに最悪な事態を多くもたらしているけれど、長い目でみると変革を起こすチャンスなのだろう。自由に働く場所を選択できることで長くて苦痛な通勤がなくなる。渋滞が減り出張で飛行機の利用も減って空気まで綺麗になる。精神的に疲れる人との付き合いが減り、たまにチームが顔を合わせることで良好な関係が生まれたり。事務所スペースが減る分、住宅がもっと充実した空間になるだろう。

気づいてしまったものに気づかないふりをしないで、未来の良い変化に期待したい。

追伸:アメリカは非常事態宣言がでて約2か月。ニューヨーク市(人口は東京都よりやや少ない)の昨日の新規感染者は1800人、死者は68人でした。その数は減る様子もなく、収束までは気の遠くなるような数字です。私はもう最近あきらめてきました。ワクチン以外でこの国がコロナと戦うのは無理です。普段は自由と個人の個性が美徳となる国です。確かに感染の知識を得てマスクをしている人は増えたし、社会的距離に勤めている人もたくさんいるけれど、それを完全に無視してこの状況でも個人の自由を主張する自分勝手が多すぎます。マスクをしろと注意した人が銃で殺される国ですから。。。もう自己防衛のみ。「自分の身は自分で守れ」、これもまたこの国の文化なのでした。



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