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【#88】史上最も売れたゲーム機!!

平成。

それは「ポケットビスケッツ」がミリオンを達成するような時代。
この小説は、当時の事件・流行・ゲームを振り返りながら進む。

主人公・半蔵はんぞうは、7人の女性との出会いを通して成長する。
中学生になった半蔵が大地讃頌を歌うとき、何かが起こる!?

この記事は、連載小説『1986年生まれの僕が大地讃頌を歌うとき』の一編です。

←前の話  第1話  目次


2000年(平成12年)6月11日【日】
半蔵はんぞう 中学校2年生 14歳

 

その機体は予想以上に黒かった。

青色で書かれた文字がアクセントになっており、美しさとかっこよさが共存している。

 

 

 

「これが、プレステ2後述※・・・・・・」


 

セガ派の僕も、驚嘆せざるを得なかった。

 

「ゲーム画面見たら、もっとビビるぞ」


イイケンが、早速電源をつける。



「え!?これがゲーム!?」

 

出典:youtube(下記リンク)
PS2 リッジレーサーV OP
配信者:ざんぎUMEさん


 

セガサターンの『ナイツ』を圧倒的に上回る美しさが、そこにはあった。

これから、ゲームは一体どうなっていってしまうんだろうか?

 

「やりたいだろ?俺はコレ読んでるから、やってていいよ」

 

イイケンは、足元に置いてあるうしおととらという漫画を指した。


【※】
 漫画といえば『週刊少年ジャンプ』一辺倒だった僕ら。しかし、中学生になると『マガジン』や『サンデー』に手を出す者もあらわれだした。

 『うしおととら』は藤田和日郎の傑作漫画。
 妖怪、バトル、学園生活、恋愛、友情、強大なラスボスなどこの場では語り尽くせない魅力がある。

 



画面はきれいだが、めちゃ難しいリッジレーサーVをプレイしていると、電子音が鳴った。

藤井隆のナンダカンダである。


【※】
 2000年3月8日にリリースされた藤井隆の1枚目のシングル。
 この曲で紅白歌合戦に出場した。



「あっ!ケータイじゃん!!」

「そう、2年生のときのテストの結果がよかったから買ってもらったんだ。着メロ作るの、大変だったんだぜ?」



 

ケータイ・・・・・・。

クラスの子も、ちらほら持っている子が増えている。

お母さんも持っているが、僕は使わせてもらったことがない。

 

「あ、親父からだ。こんなメール送ってきおって。見るか?」


 

イイケンは、お父さんことをすっかり『親父』と言うようになっていた。

お母さんが病気で亡くなってから、イイケンとおじさんは二人で支え合って生活している。

呼び方が変わっても、ずっと仲のいい親子だ。

 

ケータイの画面を見せてもらうと、たしかにちょっと面白いメールだった。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
差出人:親父
件名:今日は残業で遅くなる。らめーんがたくさんあるから、食べてくれ。
本文:
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

「ラーメンが『らめーん・・・・』になっとるじゃん」

「それに、|『本文』じゃなくて『件名』に全部書いてある《※》し」

 【※】
 親世代がよくやらかしていたミス。
 件名に本文を書いてしまう。

 

「最近会ってないけど、おじさん元気?」

「ちょっと仕事が忙しくなっとるけど、俺以上にプレステ2やってるよ」

 「ケータイって、中学生に必要なのか?」

「あると面白いかな。ほれ、『まめぞう』。めっちゃかわいいだろ?」

 

 

 

たしかに、画面の中のキャラクターは、可愛げがある。

たまごっちみたいなもんだろうか。

 

 「それにな。ケータイがあると、クラスの女子とメールできるんだぞ」

 

女子か――。

クラスの友人も、最近は女子の話ばかりしている。
『誰々が可愛い』とか『アイツとあの子が付き合ってる』とか・・・・・・。


それでも・・・・・・
それでも僕は、ケータイよりプレステ2がほしいな。


(つづく)

 

解説【プレイステーション2】

 平成12年3月4日(イチニサンヨン)に発売。ゲーム機史上で最も売れた(1億5500万台)である。
 名作が多く、今でも遊んでいる人がいる👇👇



 なんといっても、「アーケードゲームを追い抜いた」と言われる美麗なグラフィックが特長だった。

 特に、『ファイナルファンタジーⅩ』のムービーでその美しさに虜になった人が多いのではないだろうか。

 

『ファイナルファンタジーX』スクウェア
2001年7月19日


 『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ』では、主観機能が搭載され、ゲームの中に入り込んだかのようにプレイできた。



 当時、普及しつつあったDVDを再生できるという素晴らしい機能があった。プレステ2があれば、DVDプレイヤーなど必要ないのだ。

 また、初代プレステのゲームが遊べた点も、ユーザーにとって嬉しかった。そのうえ、プレステ2で初代プレステのゲームを遊べば、少し美しなったグラフィックになるうえ、読み込み時間も短くなるのが喜ばしい。



 1999年の製品発表会でプレステ2が発表されたときは、発表会には姿を出さない出井伸之ソニー社長(当時)が出席し「あまりにも素晴らしいものができたので応援に来た」と発言した。

 

 発売当時はその性能の高さと、比較的手頃な価格や本体サイズ故に「兵器転用の恐れがある」とされ、外国為替および外国貿易法上の『通常兵器関連汎用品』に指定されて輸出規制がかけられた事がある。

 

 この記事を書いていて、無性に『ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁』のプレステ2版がやりたくなってきた・・・・・・。



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