大学生「丼もの食べたいけど、金がない。それなら・・・・・・!」
大学生活にも慣れてきた、4月の夜、無性に丼ものが食べたくなってきた。
しかし、冷蔵庫にたいしたものは残っていない。
明日も授業があるので買い物へ行くのも面倒だ。
「もっと探せッ。何かあるはずだ」
すると、冷凍ギョーザが見つかった。
料理をしない僕にも作りやすい優良食材だ。
フライパンに並べて火加減を調節するだけ。
水を入れる作業はあるが、さすがにそれぐらいは楽勝だ。
フライパンにギョーザを並べる。
等間隔に配置し、平行になるよう角度もキチっと揃える。
軍隊のように整列するギョーザは美しかった。
火をつける前に、フライパンに水を注ぐ。
点火したらフタをして、蒸し焼きにする。
焼きあがるころ、フタをはずしてゴマ油をかける。
ギョーザの表面がテカテカと光り輝くのが麗しい。
フライ返しでギョーザの底面を確認する。
よし。焦げ目がほどよくついていた。
ドンブリに飯をよそい、その上に12個のギョーザを投下する。
醤油と酢を混ぜて作ったタレを全体にかけ、ラー油を数滴ポチっと垂らせば完成だ。
丼ものにはレンゲを使って食べる僕だが、ギョーザ丼には箸を使う。
まず、ギョーザだけ箸でつまみ、半分だけかじる。
ニンニクとニラの強烈な芳香が鼻を突き抜けていく。
そしてこのとき、肉汁が溢れてドンブリの上にこぼれ落ちる。
この作業をギョーザ3個分ほど実行する。
すると、ギョーザ表面についてゴマ油と、醤油と酢で生成されたタレ、辛みを担当するラー油、そしてこぼれ落ちた肉汁が混ざり、真のギョーザ丼が完成する。
ここからが本番。
ドンブリを左手に、箸を右手に持ち白ゴハンとギョーザを口にかきこむ。
口中では、ギョーザの具の濃厚な味と、ラー油の辛味、タレの旨味が複雑に絡み合う。
白ゴハンがその味を受け止め、口の中で混ざり合い、熱いというのに咀嚼し続けてしまうのだ。
ところで、
表記はいろいろあるが、「ギョーザ」が一番うまそうだ。
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