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IT社長→スラム街放浪ラッパーへ転身したFUNIさんのワイルドすぎる魅力

noteで出会ったとても感銘を受けた方の紹介記事です。(読了目安3分)

僕は普段「人は自分らしく生きるべき」をテーマに作品を書いていますが、このFUNI a.k.a 高吉危機さんは、彼の記事を読んでいて僕が「自分らしさ」を口にするのが恥ずかしくなるくらい「自分らしさ200%」を体現している方でした。むしろ自分らしく生きている人は、「自分らしさ」などと口にしないのだとも思うくらい興味深く、感銘を受けました。

FUNI a.k.a 高吉危機さん略歴】
*2002年 ラップデュオのKP結成し東芝EMIよりメジャーデビュー、デビューシングル「Nver land」、「ソニック」アニメ主題歌「T.O.P」、アルバム「ガムシャラ」リリース、「第19回ATP賞2002」のドキュメンタリー部門で最優秀賞を獲得した『在日親子』に出演
*2004年 NHKハングル講座にラッパー講師として出演、映画「HARUKO ハルコ」主題歌「Day dream」
*2005年 アルバム「1000 peaces」リリース
*2006年 東京芸術座 舞台「GO」出演、アルバム「GATE」リリース
*2007年 アルバム 「BATON」リリース
*2010年 アルバム 「いくおとせいくん」リリース、KP事実上活動停止、Mewtant Homosapience 結成、IT事業立ち上げ
*2015年 事業を手放して放浪を決意 アメリカ、ロシア放浪
*2016年 Mewtant Homosapience アルバム「KAWASAKI」リリース、タンザニア、ケニア、オチオピア、ウガンダ、ルワンダ放浪
*2017年 ラップワークショップ開始、カンボジア放浪、九州公演こども劇場、ルポ川崎(サイゾー)インタビュー
*2018年 ユリイカ8月号 ケンドリックラマー特集に寄稿
イスラエル、パレスチナ、カナダ、ドイツ、フランス、オランダ、トルコ、ロシア、ウズベキスタン、カザフスタン放浪

FUNIさんの投稿記事に記載されているのですが、14-27才までラッパーとして活動されていました。その後32才まで、一時は社員60人にまでなる会社を経営した経験があり、その時は勤勉に働き、新宿のタワマン暮らし、毎日寿司や焼き肉のような生活をしていたそうです。ただし、そんな周りから見たら羨ましくなりそうな生活でも、幸せを感じる事が出来なかったそうです。そして、「幸せでなければ心が躍らない、心が躍らなければラップは歌えない」、と35才となる現在は心が躍るような生活をしてラップに磨きをかける為に、世界のスラム街を旅する人生を選んでいらっしゃいます。

記事を読んでいて、それほど彼の中でラップというものはまさに人生そのもののように感じました。

安定し、金銭的に裕福な社会生活を選ぼうとすれば出来たはずですが、それを選ばなかった。むしろ僕には読んでいて迷いは無かったように思いました。一度は社会的に裕福と言われている生活を目指し、達成したものの、それが自分の目指していたゴールではなかったと気付かれ手放したたのだと思います。

今は、北朝鮮、タンザニア、ケニア、エチオピア、ウガンダ、ルワンダ、イスラエル、パレスチナ、カンボジア、ロシア、ウズベキスタン、カザフスタン、トルコなどを訪問し、狩猟、スラム、ドラッグ、現場の空気をラップや詩、イラストで表現して活動をされています。その記事や写真を少し読んだだけでその臨場感あふれるリアルな現場の様子から、FUNIさんの圧倒的な魅力を感じました。

以下はほんの一部ですが彼の記事を読んでいて、とても印象に残ったものです。

2018年2月 イスラエル、ナザレ、銃口を俺に向け、眠りこけるイスラエル兵(写真)
2018年上半期ベストショット」より

ー飛行機の座席でしょうか。隣の兵士の緩さが不安過ぎます。((((;゚Д゚))))
安全装置は大丈夫ですよね!?ワイルド過ぎです。

死んだように生きたくないんだ
いつか死ぬんだから
死ぬのはそれからでいい
世界のスラムを旅するラッパーのノート」より

ー魂は永遠に存在するが、この地球をこの体で楽しめるのは今しかない。勝手な解釈ですが、僕にはそのように感じました。

みかんをむいた
たいようのようにむいた
ひとでのようにむいた
世界のスラムを旅するラッパーのノート」より

ー4才の時に親父さんに褒められた詩でラッパーとなるのきっかけになったそうです。この時から天性のものを感じます。

俺にとって名前はプロレスのマスク
5つくらい使い分けて いろんな自分を演じてる
大切なのは どれも自分と自覚すること
世間に否定されようが 開き直ればいい これもアジだと
2つの名前 1つの心臓」より

ーFUNIさんが移民をルーツとしていることから人生の中で、複数の名前を持ち、使い分ける機会が多かったようです。名前に関し幼少期から様々な苦労もあったそうですが、「すべて自分と自覚すること」と各固たる自分を持ち、肩書など必要ない独自のアイデンティティを確立されている姿とタフさに感銘を受けました。肩書というものに自分がどれだけ依存しているか考えさせられました。

一番怖いのは 奪われてる自覚も無く
褒められることがつい嬉しくて
誰でもない記号になってしまうことだよ
労働力は恋愛、セックス、出産をしないと思ってる、混血児は日本人じゃ無いと思ってる、クローンにマジ同情する」より

ーこちらの記事は移民の方のアイデンティティ話なのですが、僕自身にも言える事だと感じました。「日本人や社会人、サラリーマンという枠に当てはめられて、奪われていることに自覚がない」そんな大切なメッセージに感じられました。まさにファイトクラブ(以下引用)です。

FUNIさんはスラム旅での出来事だけでなく、日本における移民問題や、韓国と日本の文化交流の実情を生々しい体験から発信されています。

ラップという言語を扱う作業にも関わらず本はほとんど読まないそうです。「人との会話や関わりから体験するインスピレーションを大切にしているから」との事。FUNIさんらしさが出ています。

スラム街を旅しながら、ラップという人生に磨きをかけ続けるFUNIさん。今後のことはノープランだということなのですが、心が常に「今、ここ」にあるFUNIさんにプランなど必要ないのだと感じました。毎瞬、毎瞬心踊る事を求めて旅を続けた先にはどんな活動をされるのか、所々にラップを交えた独特なリズムの記事とその動向に今後も目が離せません。

人間は何かに所属しないと生きていけないのだろうか。誰かに所有されないと生きていけないのだろうか。所属すること、所有されることで自分を見失っていないだろうか。まさに只のシンボルになってしまっていないだろうか。そんな人間の本質を考えさせられます。

ことり 拝

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