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【一口馬主向け】 馬体の評価法

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“走らない馬”を見極める「たった一つの方法」

“走らない馬”を見極める「たった一つの方法」

これまで、馬体の評価法を本note内で発信してきた。
(こちら→ 【一口馬主向け】 馬体の評価法)

「速く走る能力」と「健全性」を見極める方法、つまり良い資質を兼ね備えた馬を見極める方法である。

これまで多くの方々に見ていただき、いろいろな質問をいただいた。

その中で、一番多かった質問がこちらだ。

「勝つ馬を見極める一番の方法はなんですか?」

単純かつ深いお言葉である。

アスリートとし

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ナスルーラ系(11頭)  ~種牡馬の歩様と、その走る産駒の特徴を見極める!~

ナスルーラ系(11頭) ~種牡馬の歩様と、その走る産駒の特徴を見極める!~

ノーザンダンサー系、サンデーサイレンス系と現在の日本競馬に絶大なる影響をもたらした2大父系はもとをたどるとネアルコという共通の祖先にたどり着きます。

そのネアルコの血を世界に最初に広めたと言っても過言ではないのがナスルーラです。

仕上がりの良さ、スタート時のダッシュ力・加速力を活かした短中距離での強さ、そして闘争心といった現在の競走馬に必要な要素を伝えて成功しています。

現在の日本では、グレ

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ロベルト系(8頭) ~種牡馬の歩様と、その走る産駒の特徴を見極める!~

ロベルト系(8頭) ~種牡馬の歩様と、その走る産駒の特徴を見極める!~

英ダービー馬のロベルト。

日本ではリアルシャダイ、ブイアンズタイムが種牡馬として成功し、

現在はグラスワンダーとシンボリクリスエスから派生している父系が勢いがあり、期待されています。

大一番に強い血であり、日本競馬に根強く適応して結果を残しています。

先日、日本に供用されている(過去にされていた馬を含む)種牡馬の歩様と馬体の特徴を解説しました(2019年秋に公開した114頭に2021年2月

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ノーザンダンサー系(19頭) 【解説】 種牡馬の歩様と馬体構造から、走る産駒の特徴を見極める!

ノーザンダンサー系(19頭) 【解説】 種牡馬の歩様と馬体構造から、走る産駒の特徴を見極める!

これまでのサイアーライン(父系)の歴史の中で最も影響力を誇る1頭がノーザンダンサーであることは間違いありません。

当時、競馬準一流国としてみなされていたカナダで1961年に産声をあげた本馬は、米国のケンタッキーダービーを制し、種牡馬として一気に世界の競馬のレベルを押し上げました。

父系として本馬から数えて6世代目にあたる子孫が日本で種牡馬となっているように、その影響力は今もなお絶大です。

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ミスタープロスペクター系(23頭) 【解説】 種牡馬の歩様と馬体構造から、走る産駒の特徴を見極める!

ミスタープロスペクター系(23頭) 【解説】 種牡馬の歩様と馬体構造から、走る産駒の特徴を見極める!

サンデーサイレンス系が日本競馬を席巻して20年以上が経過しています。

今、注目されているのは次世代の主流サイアーラインはそのまま同系が続くのか否か。

それに待ったをかける可能性のある最有力候補はキングカメハメハを要するミスタープロスペクター系と言えるでしょう。

日本競馬に抜群の適性を示します。

さて、今回は、「種牡馬の歩様の診断と、その走る産駒の特徴を見極める! (114頭)」のうちサイ

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サンデーサイレンス系(48頭) 【解説】 種牡馬の歩様と馬体構造から、走る産駒の特徴を見極める!

サンデーサイレンス系(48頭) 【解説】 種牡馬の歩様と馬体構造から、走る産駒の特徴を見極める!

未だかつて種牡馬の歩様の特徴を解説したうえで、

そこと結び付けて産駒の走る特徴をまとめた書籍等はありません。

むしろ各馬の歩様の柔らかさ硬さについても解説したものはありません。

今回、日本の種牡馬114頭について、歩様と馬体をふまえて各々の走る産駒の特徴を上記についてまとめました。
(2019年に公開した114頭に加筆しました。)

そのうち、サンデーサイレンス系のサイアー48頭について限定

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種牡馬の歩様と馬体構造から、走る産駒の特徴を見極める!  (114頭)

種牡馬の歩様と馬体構造から、走る産駒の特徴を見極める! (114頭)

未だかつて種牡馬の歩様の特徴を解説したうえで、

そこと結び付けて産駒の走る特徴をまとめた書籍等はありません。

むしろ各馬の歩様の柔らかさ硬さについても解説したものはありません。

今回、日本の種牡馬114頭について、歩様と馬体をふまえて各々の走る産駒の特徴を上記についてまとめました。
(2019年秋に公開した114頭に加筆しました。)

産駒がまだデビューしていない馬は、自身の歩様と馬体の特徴

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1歳時点からどのような馬体に変わっていくのかを見るべき大切さ

1歳時点からどのような馬体に変わっていくのかを見るべき大切さ

現在の日本競馬は、一口馬主クラブの会社、つまりクラブ法人が馬主のリーディング上位を占めている。

所有頭数が多いのはもちろんのこと、これは各世代から毎年活躍馬が現れていることを証明している。

1歳時点から変わらない馬体の構造について、以前お伝えしたことがあるが、逆に当然成長の過程で変貌を遂げる部分ももちろんある。

私達は1歳時点での姿から将来の各々の馬の完成される馬体を想像しながら、それが健康

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馬体のある部分において、「特筆した資質を伝える種牡馬」は存在する

馬体のある部分において、「特筆した資質を伝える種牡馬」は存在する

まずはじめに以下の二つの写真をご覧いただきたい。

首の写真である。

A

B

全身の姿とは異なり、ある部分に着目するとより違いがはっきり分かる。

上の写真の二つの首の構造は明らかに異なる。

以前、速く走ることにおいて首の構造が如何に重要かということを本note内の記事で解説した。
(こちら→ゼロでもわかる馬体評価法! 1歳馬のココを見る! ~頭・首編~)

これはクラブ募集時の1歳時点

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【馬体診断】 トレンドがないからこそやるべき!!

【馬体診断】 トレンドがないからこそやるべき!!

2020年になって早くも2週間が経過した。

年が変わり、競馬界における色々な点もリセットされ、新たなスタートをきっている。

例えば、各部門で順位を決めるリーディング。

騎手、調教師、生産者、種牡馬などなど。

競馬予想(馬券)には、これらの要素を参考にして勝負する人もいると思う。

競馬場によって、そして距離によって上記した騎手や調教師、種牡馬によって適性があるのは事実で、昨年までのデータだ

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【重要】 肩の傾度と、背のトップラインが走力に与える影響

【重要】 肩の傾度と、背のトップラインが走力に与える影響

―もくじ―
・はじめに
・肩の傾度
・背のトップラインと「長躯短背」

はじめに

以前から馬体評価の一つとして、全身のバランスの大切さをお伝えしてきた。
(こちら→速く走るための理想的な身体バランス)

馬体バランスは、骨格の造りによって決まる。

馬を見る際、外観ではどうしても筋肉に目が行きやすいのだが、バランスはあくまで筋肉組織の下にある骨格を見て評価する。

以前から、Twitter内で「

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【追加】 Chicken Knukcleという飛節構造

【追加】 Chicken Knukcleという飛節構造

前回、欧州産馬と米国産馬はそれぞれ異なった競馬体系の違いにより、

身体の構造で少し異なる進化を遂げてきたことを解説した。

その中で、解説が不十分だった箇所があったので今回補足する。

文章の中で、

「飛節も大きく、横から見た時に前方にカクッと頂点がとび出ているように見える構造になっている。」

とお伝えしたが、2つの写真(モーリス、ハービンジャー)でも違いが分かりにくかったかもしれない。

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ダートに適性のある馬の資質とは!?

ダートに適性のある馬の資質とは!?

前回、ダートを得意とする馬の走り方を解説した。

では、その走り方を構成する資質としてどんなものが挙げられるだろうか。

というのが今回の話題である。

まず、体型的にどんな馬が向いているか。

日本の芝とダートでは、明らかにダートの方が力がいる。

ここで日本と述べたのは、ヨーロッパの芝となると話が別になるからである。

昨年の凱旋門賞の馬場と日本馬の成績を見ると明らかである。

日本はダートの

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芝とダートでは走り方が違う!!

芝とダートでは走り方が違う!!

前回、大まかではあるが日本のダートコースというものはどんなものなのかということを解説した。

今回は、その舞台で結果を残すのはどんな走りができる馬かということに焦点を当ててお伝えしていく。

まず始めに…

題名にもしたが、「芝」と「ダート」では同じ走りをしていては勝てない。

前回も少し触れたが、両舞台で活躍する馬は少なく、全然違う質が求められることはわかっていただけると思う。

小さい頃、公園

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