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ノーザンダンサー系(19頭) 【解説】 種牡馬の歩様と馬体構造から、走る産駒の特徴を見極める!


これまでのサイアーライン(父系)の歴史の中で最も影響力を誇る1頭がノーザンダンサーであることは間違いありません。

当時、競馬準一流国としてみなされていたカナダで1961年に産声をあげた本馬は、米国のケンタッキーダービーを制し、種牡馬として一気に世界の競馬のレベルを押し上げました。

父系として本馬から数えて6世代目にあたる子孫が日本で種牡馬となっているように、その影響力は今もなお絶大です。

世代を越えて優秀な遺伝子が受け継がれています。

その血は母系に入り、同様に大きな影響をもたらしていることはもちろんですが、今回はサイアーラインに注目しました。

種牡馬の歩様について1頭1頭解説しました。

未だかつて種牡馬の歩様の特徴を解説したうえで、

そこと結び付けて産駒の走る特徴をまとめた書籍等はありません。

むしろ各馬の歩様の柔らかさ硬さについても解説したものはありません。

今回、日本の種牡馬114頭について、歩様と馬体をふまえて各々の走る産駒の特徴を上記についてまとめました。
(2019年秋に公開した114頭に2021年2月に加筆しました。)

産駒がまだデビューしていない馬は、自身歩様と馬体の特徴を解説しています。

今回はその中で「ノーザンダンサー系」について限定して発信します。

日本に供用されている同系種牡馬の19頭について載せています。

114頭全ての内容はこちらをご覧ください。

一般の馬主さんでも使える充実した内容になっています。

教科書的なバイブルになるはずです。

※インターネット上で、「Stallions in Japan 2021」もしくは、各種牡馬展示会の動画(Youtube)にて種牡馬の歩様が見れます。
(Stallions in Japan 2021→ こちら

(種牡馬展示会の動画→ 馬市ドットコムのサイト)

今回解説している種牡馬19頭の歩様は上記のサイトで見放題ですので、何度も見て参考にしていただけたらと思います。
(種牡馬引退した馬は、「Stallions in Japan 2021」から抜けていることもあります。)

馬名はアイウエオ順になっています。

また、これまで産駒を輩出している馬においては、走る傾向のある産駒の馬体の特徴も踏まえて解説しています。

以下、19頭のラインナップです。


<ノーザンダンサー系>
・アジアエクスプレス
・アメリカンペイトリオット
・エスケンデレヤ
・オペラハウス
・クロフネ
・ケープブランコ
・ザファクター
・ディスクリートキャット
・デクラレーションオブウォー
・ドレフォン
・ハービンジャー
・ファルブラヴ
・フサイチコンコルド
・フレンチデピュティ
・ヘニーヒューズ
・ホワイトマズル
・メイショウサムソン
・ヨハネスブルグ
・ロゴタイプ


ノーザンダンサー系

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・アジアエクスプレス(父:ヘニーヒューズ)
前肢の出は悪くはないですが、歩様は柔らかくないです。
しかし、後肢の踏み込みがさすがにしっかりしています。
ヘネシー系特有の背中のトップラインの長さは父ヘニーヒューズからも受け継いでおり、このタイプは腰の強さがなければ走れません。
本馬のように産駒たちは、しっかりとした後肢の運び、踏み込みの強さがあるかタイプが勝ち上がっています。


・アメリカンペイトリオット(父:ウォーフロント)
関節がしっかりしていてボリューム感溢れる馬体から歩様にも力強さがあると思いきや、首の短さと太さが影響しているのか前駆の動きがやや窮屈に見える歩様でもあります。
ただし、これをカバーしているのがしっかりとした後躯。
現役時代から素軽さはなく、いかにもパワーで走っているタイプの馬で多少重々しさが感じられましたが、それを支えるトモは本馬のストロングポイントです。
産駒は初年度世代が今年デビュー。父の長所と短所をしっかりと見極められるかどうかがポイントになりそうです。


・エスケンデレヤ(父:ジャイアンツコーズウェイ)
歩様柔らかく、一切無駄のない動きをします。
推進力がブレることなく、前へ伝わっています。
繋の伸縮性も良く、日本への適性を感じさる馬体と動き。
筋肉量が豊富なので、重くなりすぎると素軽さが削ぎ落される恐れもあるので、1歳時点での産駒の大きさに注目するべきです。
産駒は1700m以上で勝ち上がる傾向があり、馬体面からは胴の長さにゆとりのあるタイプが走るのも頷けます。

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