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瓶に入った牛乳で思い出した、優しいあのこ。

近くのスーパーをパトロールしていたところ
とってもかわいい牛乳を見つけた。

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これは!
買わないわけにはいかない。

パケ買い大好きなわたしは
かわいいものに目がない。

これは、長野にある松田乳業さんの牛乳だそう。

東京で出会えるとはなんてラッキーな。

旅先のスーパーではよく、牛乳売り場をのぞく。

ご当地の牛乳のパッケージがかわいくて大好きなのだ。

そうは言っても実は、牛乳が苦手なわたし。
何かと混ざっていれば好きなのだけど
そのままで飲むことが出来ない。

牛乳飲まないと大きくなれないよ。
と、よく脅されたけど

まぁまぁ大きくなれた。(横に😂)

小中学校の給食には必ず牛乳が出た。

たまに、ほんのたまに出るミルメークは
神様からのご褒美で。

クリスマスの特別メニューで
いちごミルクが出た時には飛び上がるほどに喜んだ。

飲まないと言う選択肢は許されず

息を止めて流し込みそのあと
味の濃いおかずを口に入れて
牛乳の味をごまかしていた。

お腹も痛くなるし、牛乳しんどいの…
って思ったけどやるしかなかった。

そんなわたしに熱き視線を送ってくれていたのは
席が近かったほりくん(仮)

ある日のほりくんは
いただきますの号令とともに給食の時間が始まると、
まずは頭にくっついた青いビニールをぺろっと剥がし
ふたをすぽんと取って牛乳を一気に飲み干した。

「すごー!!一気だ!!かっこいー!」
と思って見ていると

そのままほりくんは空になった瓶と
わたしの牛乳をこっそり取り替えた。

音も出さずに、それはまるで手品のようで。

目で合図して、ゆっくり頷く。

『おれにまかせろ』
心の声が聞こえた気がした。

ほりくんとは塾が一緒だったけど
あまりしゃべったことはなく

この時のわたしは
ぴえんこえてぱおん、なんて言葉は当時なかったから

きゅん越えて、ぎゅーーーん!!だった。

ドラマみたいな展開すぎて。

ほりくんのこと、そんな目で見たことなかったけど

一気に落ちた、ほりくん沼。

ほりくんには後光がさしていた。

そこから、何かが始まる展開だった。
ドラマだと、そうなるはずだった。

しかしここは、現実世界。

席替えで遠くへ行ってしまったほりくんは
わたしの席の牛乳には手が届かず

先生にバレないようにやっていたことだったので

席が近かったあの時の
期間限定になってしまった。

また、息を止めて飲んで
味の濃いものでごまかす毎日だったけど

ほりくんの優しさにいつまでも甘えるわけにもいかず

ほりくんの背中を見つめながら
がんばって飲んだ。

あの時の、胸のぎゅーーんは
今でも忘れられないほどの衝撃。

からだがまっぷたつに割れたような気がした。

恋なんて、しようと思ってできる物ではない。

ある日突然、落ちる物なんだ。

何も始まらなかったけどね😂

今日買ったこの牛乳は
濃いめに入れたコーヒーと割って飲もう。

瓶は、洗ってまた使うんだ。

次は何を注いで飲もうかな。
ストローをさしてもおしゃれに見える。

ほりくん、元気ですか。
どこで何をしているかはわからないけど

優しいあなたはきっと今も幸せに暮らしているはずと思っています。

わたしは今日、瓶の牛乳を見て
あなたを思い出してぎゅーんです🥛

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富より健康。

そう、こんなご時世だもの健康が1番。

瓶の中の色のように心が真っ白だった
可憐な少女時代の大切な思い出。

あ、今も変わらず真っ白だけどね。

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