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うんちは人生のスパイス

 にゃ〜ん、と訴えかけてくる鳴き声が聞こえたら、これは「トイレに今すぐ連れてけ」の合図である。一緒に暮らす5匹の猫のうち、「もず」だけがトイレ時にまだ甘えを見せてくる。

 一時期もう直ったかなぁ、という安定期があったのに、ボクが3日家を空けている間にトイレ以外でうんちをするという粗相を起こしており、以前のようにまたトイレットトレーニングが始まったわけなんです。

 前は、朝目が覚めたかと思えば、にゃ〜んと声をかけてくる。この鳴き声は食べものをねだってる感じじゃゃない。とすれば、もう「トイレ一択!」しかなく、抱きかかえてトイレに連れていく。「いやいや、一人でいけばいいのに!!!」って毎回思いながら。

 黄金生産工場に連れてくと、砂を掘り掘り、おしっこをする。これでスッキリしたのかなぁ、と思い、二度寝しようとしていたらすかさず、にゃ〜ん、と甘い声がまた聞こえてくる。 

 なんだなんだ? と思って、またトイレに連れていくと、また砂を掘り掘り、今度は大きいほうのために踏ん張りの姿勢にはいる。大小一緒にできないんかい! とつっこみたい気持ちでいっぱいなのだけど、言ったところでスカされてしまうのでグッと呑み込む...。

 トイレは猫の数に合わせていくつかに分けていても、もずの場合は兄弟のなかでも立場が弱いのか(オス3匹のなかでは一番弱そうな雰囲気)、いつも遠慮がちで、我慢して我慢して、トイレじゃないところに漏らすというあんばいだった。 

 まあでも、先のように、ちゃんと連れてって、ボクの監視下でトイレを見守っているとちゃんとするし、それで匂いをこすりつけられたのか、そうやっていつの間にか粗相をしなくなっていった。だけど、冒頭のように3日間の不在時にカムバックしちゃった癖。

 毎度毎度大変だし、正直イラッとすることも多いのだけど、こればかりは耐え忍ぶしかない時期なんだろう。それに、今じゃ、このうんちが猫をより一層かわいがるためのスパイスだとも思うようにもなった。

 しんどい”下”の世話まですると、なぜかしら、愛着がグンと上がっていく。これは、“下”を扱わずとも、他の物事にも通じることだろう。

 たとえば、仕事とか、恋愛とかにも。

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