見出し画像

プロレスをビジネスモデルから考える 収益編 〜テレビ放映権料やグッズ代の仕組みなど〜

こんにちは。プロレススクエア(プロスク)の開発担当のトカゲドライバーです。

本日は、少し大人なプロレスの楽しみ方として「ビジネス」という視点でプロレスを考えたいと思います。

収益源(1) 放映権料

プロレス団体のかつての最大の収益源の1つはテレビ局からもらえる放映権料でした。日本テレビ→全日本プロレス(後にNOAH)、テレビ朝日→新日本プロレス、フジテレビ→全日本女子プロレスが有名ですが、大昔はTBSが国際プロレスと組んでいたこともありました。またWOWOWがリングスという衛星放送と組むパターンもありました。

80年代の全盛期は、毎年3億円近くの収入源になっていたそうで、毎週放映するたびに数百万円がテレビ局からプロレス団体に支払われていたそうです。当時の3億円なので、今の3億円よりもインパクトは大きいと思います。

しかし、今はテレビ朝日が深夜に新日本プロレスのワールド・プロレスリングを放映するのみとなりました。深夜のため放映権料は全盛期よりは低い(とはいえ影響力は絶大だと思いますが)でしょうし、他の団体はすでに貰えていないので、過去の収益源と言えるかもしれません。

収益源(2) チケット代

古くから興行団体のメイン収益であり、今も中心の1つだと思います。ハウスショー(地方興行などの小規模)とビッグマッチ(大都市での大型試合)では値段が異なったりもしますが、一般的には半分ほどお客さんが埋まればトントンになると言われています。

つまり、半分以上お客さんが入らないと赤字になりますし、満員になればそれほど大きな収益となります。当然ながら会場が大きくなればなるほど、その赤字の幅も黒字の幅も大きくなるため、集客力と会場規模の見極めが常に重要になってきます。

収益源(3) グッズ代

グッズの売上は昭和のプロレスよりも平成、特に昨今のプロレスブームの方が大きくなっていると言います。プロレスラーのグッズの売上は、団体に直接入る場合と、選手に入る場合があります。契約でその割合などを決めるとも言われています。

蝶野正洋選手の下記の記事などが参考になりますが、nWoグッズのように爆発的に売れると他の選手と大きな収入格差につながる場合もあるのがグッズ売上です。グッズ売上は選手・団体ともに重要であるため、サイン会や握手会なども行い少しでも売上を上げようと工夫をしています。

収益源(4) スポンサー料/広告料

プロレスの試合を観に行ったことがある方はお馴染みだと思いますが、リングやコーナーポストに書かれた企業ロゴや、会場で配られるパンフレットに挟まれたチラシなどがこれに当たります。

また最近はYoutubeに無料動画を流して、そこで流れる動画広告の収益もこれに含まれます。アメリカのWWEは動画の再生数も桁違いであるため、動画広告料金だけで云億円以上と言われています。

プロレスファンにマーケティングしたいというケースがメインだと思いますが、経営者がプロレス好きなので応援したいという気持ちからスポンサードするという理由もあるそうです。

収益源(5) 興行権販売

これは少し馴染みはないかもしれません。主に地方での巡業が中心ですが、各地方のプロモータと呼ばれる興行会社一定額で興行権を販売する形式です。

東海・中国・九州など各地域にプロモータは存在しており、地域に根づいておりプロレス団体よりもその地域での集客は慣れている事が多いです。また、プロモータは興行権代よりも多くチケットが売れればその分だけ収益になるため、当然熱心に営業活動、宣伝活動などを行います。

プロレス団体としては地の利がない地方でも興行権代を安定して手に入れることができることに加え、営業や宣伝にスタッフを地方に派遣しなくて済むというメリットがあります。

収益源(6) 動画配信課金

最新の収益源と言えるかもしれません。テレビ放映権モデルが成り立たなくなった次の柱としてアメリカのWWEが開始して、日本では新日本プロレスが追随しています。

WWEは毎月9.99$でライブ配信から過去の試合まですべて見放題というモデルを開始し、順調に会員数が増えて、年間売上800億円の柱になっているそうです。新日本プロレスも999円で同じモデルを開始し、会員は10万人を超えて売上50億円の柱になっています。

DDTや全日本プロレスなど国内の主要団体も同じモデルを採用し始めており、今後この動画配信の会員数が団体安定収益の鍵になると思います。

収益源(7) その他 -飲食店・運輸会社・出張試合-

それ以外にも所属プロレスラーのテレビやイベントの出演料、小規模団体は祭典などへの出張試合等も収益源になっています。また、DDTのエビスコ酒場などの飲食店、大日本プロレスのレスラーズ運輸(引っ越し)のようなプロレスラーを活用したサイドビジネスも収益源となっています。他にもDVD、ブログ会員など小さな収益源も多くあります。

ファンとしてはお金を惜しまず楽しむ!それだけ!

プロレス団体やプロレスラーが素晴らしい試合を届ける続けるためには、収益を上げ続ける必要があります。次回はコストのお話もしようと思いますが、収益がなければ選手のための良い環境作りや感動するような演出などをすることができません。各団体のスタッフは知恵を絞って少しでも収益源を増やし、団体を良くしていこうと必死です。

そしてそんな団体やプロレスラーにファンとしてできることは、好きな団体・好きな選手を惜しみなく応援しお金を支払うということだと思います。私も1試合でも多く行く、1つでも多くグッズを買う、動画配信サービスは絶対に入るなど、これからも続けて行きたいと思います。

ツイッターでもそんな各団体の情報を発信中です

サイトはこちら


プロレススクエアはプロレスファンの有志で運営しております。サポートして頂いたお金は運営費のほか、地域貢献に奮闘している地方団体等にも寄付を予定しております。