長編小説⑨:胸に腕時計
おれは、子どもの遊具で頭を砕かれて殺されちまう。
やったらめったら長い名前の遊具で殺されちまう。
いましがたのホストのように。
大学を卒業してから、さまざまな記事を書いてきた。
噂だけ、憶測だけで、おもしろおかしく記事を書いてきた。
その記事が、ひとを傷つけたことがある。それは知っている。
それは、子どもの遊具で頭を砕かれるほど悪いことだったのか。
おれは、事件や事故の当事者でなかった。
外から眺めるだけでなく、事件や事故の当事者たちの心のうちに土足でふみこみんだ。
そして、