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太(ふとし)です。 〜エッセイメディア「OLi」自己紹介〜

 僕は、ごくごく平凡で、ネガティブに物事を捉えがちな社会人である。基本的にはまじめに、たまにサボったり甘えたり、あまり羽目を外すこともできずに、ちょっとした人の言動とかに一喜一憂しながら生きてきた。

 学生の時に強烈な成功体験があるわけではなく、SNSにも何万人もフォロワーはいない。横文字を乱発してセミナーで講演できる地位の社会人にもなれていない。自分が仕事している業界には、そういう人たちが結構いるんだけど。

 そんな平凡さを、結構最近まで受け入れられていなかった。もどかしくて仕方なくて、なんとかよく見えるように、必死に取り繕ってきた。
 形だけなぞった努力をしてきた。
 こうすれば格好良く見える、とか、人からこう思われたくない、とか。
 そういうことに神経をすり減らしていた。
 意識だけ高い系だった。

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 その結果、マジで疲れた。結果も出ないし。
 そもそも、よくわからない、漠然とした「すごい」人を目指すのはしんどい。途方も無い。

 大学生の時、歳があまり変わらない朝井リョウさんが書いた「桐島、部活やめるってよ」を読んだ時、めちゃくちゃ焦って小説を書きまくった記憶がある。でも、大学在学中の小説家、という肩書きに憧れていただけの自分には、書けることなどなかった。

 今年に入って数ヶ月続いた自粛期間中に、いろんな小説やエッセイ、漫画を読み漁った。すると、僕が好きな作家やバンドマン、お笑い芸人、サッカー選手たちの共通点がわかってきた。
 「成功者」と世間から捉えられている彼らは、みんなすごく悩んでいる。そして、弱くて恥ずかしい自分としっかり向き合っている。
 しかもそれを結構赤裸々に、世の中に晒している。
 僕はそれをダサいなんて思わなかったし、むしろカッコ良いと感じた。ダサいのは隙が見えないようにごまかす、自分のような人間のことだと思った。

 だからこそ、取り繕わずに、恥ずかしい感情や悩みに溢れた自分の人生を書いてみようと考え始めた。

 同時に、もっと、楽に生きていこうと思うようになった。
 できない自分をごまかして大きく見せることに力を注ぐのではなく、できない自分を受け入れよう。
 世間とは違う意見を持ってしまったときに嘘をついてみんなに合わせるのではなく、自分の意見を受け入れよう。
 自分だけにしか歩めない人生を愛そう。

 そんな決意とともに、僕は過去の体験や今感じていることをOLiに書き溜めていきたいと思う。

 それはありきたりなストーリーかもしれないけれど、ひょっとすると誰かの支えになるかもしれない。
 今まで、僕が人生の節目節目で、たくさんの音楽や読み物と出会い、支えてもらったように。
 その音楽や読み物たちは、決して偉人が書いたものだけではなかったはずだ。

 自意識が爆発していた大学時代に出会った環とともに、一生懸命生きてきた人生に折り目をつけて、少しずつ物語を紹介していく。
 環との出会いが僕の人生を豊かにしたように、OLiを通じてそんな出会いが生まれたら嬉しいなと思っている。

この物語の音楽:I'Novel / RADWIMPS


<太・プロフィール> Twitterアカウント:@YFTheater
▽東京生まれ東京育ち。
▽小学校から高校まで公立育ち、サッカーをしながら平凡に過ごす。
▽文学好きの両親の影響で小説を読み漁り、大学時代はライブハウスや映画館で多くの時間を過ごす。
▽新卒で地方勤務、ベンチャー企業への転職失敗を経て、今は広告制作会社勤務。
▽週末に横浜F・マリノスの試合を観に行くことが生きがい。





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