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2023年6月の記事一覧

短歌集『現代鳥獣戯画』-自分の歌集で追憶-

短歌集『現代鳥獣戯画』-自分の歌集で追憶-

私の第一歌集です。

前書き

今まで色々な歌集を紹介してきたが、
自分の歌集の紹介は避けてきた。

自分の歌集の紹介は、自分の過去と向き合うことになるので、なんだか照れる。

自分の歌集だからといって、
甘い文章になるのも心配だった。

そんな感じでグダグダと先延ばしにしていたが、
「グダグダしている暇があったら、行動した方が早くないか」
と思い、今に至る。

自選五首

冷凍のお弁当用のトンカ

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歌集『トビウオが飛ぶとき』を読む。-画期的な短歌アンソロジー!-

歌集『トビウオが飛ぶとき』を読む。-画期的な短歌アンソロジー!-

『トビウオが飛ぶとき』を読んだ。
色々と見どころのある一冊なので、紹介したい。

【本の概要】

この歌集には
「舞いあがれ!」アンソロジー
のサブタイトルがある。

NHKの朝ドラ「舞いあがれ!」の
登場人物には短歌を詠む人が多かった。

何とこの歌集は
それぞれの登場人物の短歌作品の
アンソロジー歌集となっている。

人物名と役どころの紹介文も添えられている。
編集者のリューの本名が分かる、

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歌集『レインドロップ』を読む。

歌集『レインドロップ』を読む。

大塚亜希氏の
歌集『レインドロップ』を読んだ。

書影

本としての紹介

華やかな表紙から、ほんわかした内容かと思いきや、
良いことばかりではなく、人生の起伏がある。

五首選

何気ない光景から、通行人それぞれの個性を感じている。

傘をさそうかさすまいか微妙な降り具合の雨の時は、
傘をさす人とささない人が分かれる。
その判断の違いを「処世術」とした面白さ。

風景の捉え方が面白い一首。

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川柳の句集『菫橋』を読む。ー不思議な世界観ー

川柳の句集『菫橋』を読む。ー不思議な世界観ー

『菫橋』竹井紫乙著を読んだ。
不思議な川柳が多い句集。

その不思議さは表紙のイラストからも伝わってくる。
作者本人が作中主体と思われる句以外に、
姉、妹、フランケンシュタイン、他人など色々登場する。

五句選

えれがんすのひらがな表記が、
カタカナで書くよりも意味深。

「がんす」の部分のせいか、語尾の
「〜でがんす」
と空見した。

ぼったくり移動遊園地に憤るでもなく
行きたいというズレ。

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